こんばんは alterd1953 様
正確に 思い出せないんですが … ミロラド・パヴィチ 『風の裏側』 で
両側から (読み始めた ほうから …) 始まった 物語が 真ん中で
もう 一方へと 移行する 寸前の ページに、「… 三日目の 晩にして
ようやく、… 生首は、ぞっとする ような 低い … 声で 悲鳴を
あげ始めた …」 (恋人の … 首を 切り、三日間 持っていた のですが …)
ベッケル 『緑の瞳・月影』 の 中の 『白い手』 … 違った 『誓い』 の
老楽師が 歌う 物悲しい 調べの リフレイン、 「空しかる 男の誓い 待つ
乙女子の こころね 哀し」 (宮仕えで 若殿様と 結ばれ、戦に 向かう
若殿様は 生きて帰って 娶ると 誓うが、家名を 汚したと 兄に 殺され
埋められた 森の 墓で、約束の 指輪をした 白い手が どうしても 土の
下に 埋まらず 墓の 上へ 差し伸ばされる … 戦では 何度も 死の淵に
立つ 若殿様の 前に 白い手が 現れ、馬の はみを 掴み、槍ぶすまを
ついて 生還させる … 憂いに 沈む 若殿様は 戦後 この歌を 聴き、
森へ 赴いて、墓の 傍らに 膝まづき、白い手を 握り、婚礼を 行う …
すると 手は 墓に 沈んで 二度と 不思議は 起こらなかった …)
メリメ怪奇小説選 から 『ヴィーナスの殺人』 の 結び …
「(亡き 息子の 父も すぐ後に 亡くなり、夫の 死後、未亡人の 最初の
心遣いは この像を 鋳潰して、鐘を 作る こと だった … けれども
何かしら 悪運が この 青銅を 所有せる ものに 付き纏う …)
この鐘が イールの 空に 鳴り渡る ように なって から、既に 葡萄が
二度 も 凍った のである …」 (古代の 青銅の ヴィーナスが 掘り出され、
村の 名士の 庭に 安置される … 時 あたかも 息子の 婚礼の 日 … 仲間と
テニスに 興じようと 息子は その直前、婚礼の 指輪を ヴィーナスの 指に
預け、試合に 挑む … 戻ってみると、指輪を 嵌めた ヴィーナスの 指は
握り込まれて しまっている … 婚礼の 初夜、花嫁の 部屋へ 階段を 昇る、
やけに 重い跫 … どすんと 隣へ 横たわる 凍るような 青銅に 触れた
花嫁は 壁と ベッドの 隙間へ 転がり落ち … やがて 来た 花婿は あっと
息を 呑むも その腕に ひしと 抱かれ … 夜明け、圧殺された 遺骸へ
指輪を 抛り 捨て、重い 跫が 階段を 下りてゆく … 気の 触れた 花嫁を
残し … 早朝、散歩に 出た 客の 学者は、元の 場所に 立って にやついて
いるような 笑みを 湛えた 女神像を 見ている …)
ラフカディオ・ハーン 小泉八雲 の 『心』 だったか、(小さな 貧しい
女の子が 立った 後の 座布団へ 坐ろうと した 八雲を その娘が 制し、
主人の 翁に、座布団を 叩いてから 坐られるよう、一心に 説明する …
そうしないと 前に 坐っていた ものの 不幸が 移ってしまう から、と …
この子は 心配して 居ります … と 通訳した 翁を 前に 八雲は 一言
述べて そのまま 座布団へ 腰を 下ろす … 翁が 小娘に 言う …) 「安心
しろ、先生は 今 お前の 不幸を 全部 お引き受け下さったぞ」 (その時
翁は 最上級の 敬語の 動詞を 用いた と … 娘は 尚も 心配していた …)
デュアメル 『真夜中の告白』 老母と暮らす 青年の物語 …
(… 私はパンの切れをコーヒーに浸しながら、絶望的な気持ちでつくづくと
かう思つてゐました。「お前といふ人間はなんて気概がないのだ。
張りのない人間、矜りのない人間なんだ。」 私はさう考へてゐたのです。
強くではありますが、たゞ心のなかで考へてゐただけです。
ところが不思議なことが起りました。吃驚したことが起りました。
母親が不意に大きな聲でかう言つたのです。)
「そんなことはないよ、ルイや。そんなことはないよ。」
(どうしたことでせう。なぜ 「そんなことはないよ。」 などと言つたのでせう。
私は確かに心のなかで考へてゐただけなのです。
本当に唇すら動かさずにゐたのです。…)
alterd1953 様 好みと なります よう 「至上の愛」 を 流していた のですが …
いやはや こんなことに … しかも 百万語、五十万句で …
至上の愛 さまざま という ような ことにて … お許し いただきたく …
お礼
「命を燃やして生きる」 良い言葉ですね。 確かに、命は燃やしてなんぼだと思います。 ご回答ありがとうございました。
補足
そろそろ締め切らせて頂きます。 当然ではありますが、それぞれお人柄が良く表れている文章だと思いました。 皆様ご回答ありがとうございました。