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結果予見と結果回避について

こんにちは、刑法上の過失の概念について教えて下さい。 過失は結果予見可能性があれば、結果予見義務が発生し、その予見義務に基づき、結果回避可能性が生じ、結果が回避可能であれば、結果回避義務が生じるということになるという一般的な考え方は分かるのですが、結果の予見と結果の回避義務が発生する関係ですが、結果の予見義務が発生した時点で、結果回避内容というものは特定できている必要があるのでしょうか? つまり、結果予見義務が発生した時点で、結果回避義務も同時に発生するという理解でよろしいのでしょうか? 例えば、自動車を運転していて、右折しようとした際、右前方20メートルの地点に対向車が走行していた場合、右折車には、「このまま右折すれば、右折中、対向車と衝突してしまう。」という予見が発生し、そのため、「右折せずに、対向車線に入らず、待機している。」という結果回避義務が発生すると思いますが、この場合、結果予見義務の発生時点と結果回避義務の発生時点は同時ということになろうかと思います。 一方、具体例は思いつきませんが、結果予見義務が発生した時点で、結果を回避すべき具体的な態様(例えば、自動車事故で言えば、停止とか徐行とかいった、具体的な態様)を特定できず、結果予見義務が生じた後の事情によって、結果を回避すべき内容が特定されるということはあり得るのでしょうか? このように、時的関係で、結果予見義務の発生と結果回避義務が同時に発生せずに、ずれて発生することがあるか疑問に思いました。ただ、ずれて発生するというのは、何かおかしいような気がします。どういう結果が発生するのかを予見できるのであれば、その時点で、回避するための方策は当然分かると思いますし、仮に、回避内容を特定できないのであれば、その時点での結果予見義務は漠然として危険性の領域に過ぎず、「過失」の前提たる結果予見義務に位置づけることができないような気がします。 つまり、結果の予見が生じた場合、「こうしなければならない」という規範が与えられ、その規範に反して、求められている作為を行わなかったという不作為(結果回避義務違反)が過失と考えられます。逆に言えば、結果の予見が生じた時点で、求められる作為が特定できていなければ、過失責任を科せられないと思います。結果回避の内容が特定できたのであれば、その時点で何らかの予見が発生していたからこそ、結果回避の内容が特定でき、具体的な結果予見義務となるのであるから、その時点で、結果予見義務も発生していたということになるのではないか?それ以前の結果予見義務と称するものは、「過失」の内容たる結果予見義務ではなく、漠然とした危険性に過ぎないのではないか?と考えるのですが、いかがでしょうか? どなたが、ご存じの方がおられましたら、ご教授ください。

みんなの回答

  • cahors
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回答No.1

>結果予見義務が発生した時点で、結果回避義務も同時に発生するという理解でよろしいのでしょうか? 結果予見義務が発生した時点では、(時間的な意味としてはともかく)論理的な意味では、結果回避義務は同時発生しません。 予見義務を履行した(つまり予見した)後に、結果回避措置が特定され、特定の結果回避措置を履行すべき義務(結果回避義務)の有無が問題となります。 もちろん、時間的に同時に発生することは現実問題としてありうるのではないでしょうか。 しかし、特定の「結果」が具体的に予見できたとしても、特定の「回避措置」が時間的な意味で直ちに明らかになるとは限りません。 例えば、このままでは人とぶつかることが分かった車の運転手も、その後のその人の移動状況等を見なければ、これを回避するために急ブレーキを踏めばよいのか、ハンドルを切ればよいのか、などはわかりません。 むしろ、回避措置など存在しない場合すらあります(このままではぶつかると分かったがもう何をしても間に合わない;無過失)。

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