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刑法総論、構成要件的過失の予見可能性について
刑法総論、構成要件的過失の予見可能性について質問させてください。 刑法には過失犯を考える際に予見可能性というものを考えると思います。 そこでの判例(最決平成元年.3.14)で、高速度で運転していたとき、事故にあったが、運転手の知らないところで荷台に隠れていた者が事故の際に死亡したケースがあがっていました。ここでは無謀な運転をした場合に事故を惹起するかもしれないことは認識可能であったとして、荷台に人が乗っていたことを認識せずともその者への死の過失を認めた事案でした。 ここで疑問なのですが、例えば道路が工事中だったとき、作業員が工事の標識を置き忘れていた場合のケースを考えてみてください。(ありえないと思いますが) その道を真夜中に法定速度でライトをつけて真夜中の運転に必要な注意義務をまっとうして運転していた場合、その工事標識がなかったため、事故になり、知らずに乗り込んでいた荷台の人が死亡した場合ならそもそも予見可能性と結果義務は生じえなかったとして運転手は過失を問われたりはしない、と考えてもいいでしょうか?(作業員の責任はともかく) 初学者なもので、くだらない質問ですが、よろしくおねがいします。
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- _julius
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初学者の方ということで,色々ツッコミ所は多いですが, 「過失は問われないと考えて良いか」の質問に,端的に回答すると「Yes」です。 そもそも, >例えば道路が工事中だったとき、作業員が工事の標識を置き忘れていた などという場合は,そのような原因による事故(死亡結果の惹起)を具体的に予見する事が出来ないと考えられるでしょう。 ですので,結果回避義務の前提となる具体的予見可能性がなかったものとして,過失犯は成立しません。 まぁ,具体的にどんな場面を想定しているかによって,予見可能性が認められる場合ももしかするとあり得るかもしれませんが, その場合でも, >法定速度でライトをつけて真夜中の運転に必要な注意義務をまっとうして運転していた 以上,結果回避義務違反がないとして,やはり過失犯は成立しません。 ちなみに,参考までに上述の「ツッコミ所」について箇条書き程度に挙げておくと, ・論点が「構成要件的過失」に特有のものでない。責任過失のみを観念する立場からも同様の議論が成り立つ。 ・挙げられている判例の主要論点が,貴方の質問したい内容とズレている。わざわざこの判例である必要がない。 ・判例の要約部分から,判旨の論理の肝心な箇所が抜け落ちている。上記「ズレ」が理解できていない事が原因と思われる。 ・予見可能性の議論と結果回避義務の議論が具体的処理のレベルでごちゃ混ぜになっている。また「結果義務」などというタームはない。 ・結果回避義務と異なり,予見可能性は「ある」か「ない」かであって,「生じる」か否かの問題ではない。 以上。 さらなる質問がある場合や,補足説明が必要な場合は,「お礼」に書いて頂けると,反応が早いと思います。