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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:源氏物語の翻訳について)

源氏物語の翻訳について

このQ&Aのポイント
  • 『TALE OF GENJI 』(帚木 The Broom-Tree)翻訳の間違いや理解の難しい箇所について質問します。
  • 著者のWaleyが記述した物語の感情の真偽や女性の行動の意図について疑問を抱いています。
  • 彼女たちの行動は見せかけや試練が目的なのか、本当に深い感情を持っているのか疑っています。夫の愛情を試す目的である可能性も考えられます。

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  • go_urn
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回答No.1

今晩は。今日はいい天気で、久しぶりに散歩が楽しめました。道沿いの梅もほんのわずかだけですが咲いていました。 いつも大変丁寧なお礼をありがとうございます。いろいろなコメントの中に、気づかされる言葉が多くあります。 1) 『 ”When I was a boy the ladies-in -waiting used to tell me sad tales of this kind. I never doubted that the sentiments expressed in them were real, and I wept profusely. But now I am beginning to suspect that such sorrows are for the most part affectation. 』 >私(馬頭)が少年だったとき、女官たちはこの種類の悲しい物語を私に話したものでした。私はそれらの中に表現された感情は本物であることを決して疑いませんでした。そして私は存分に泣きました。しかし今私はそのような悲しみは、大部分が見せかけであることを疑い始めているところです。・・・・・・・? ●完璧です。 >expressed in them・・・・「them」は「sad tales」ですか? ●その通りです。 >前回夫の態度に我慢しかねて家を出て行った女性の話がありましたが(上記)、その女性の感情は見せかけだったのでしょうか?(黙って出て行くのは悪いにしてもかわいそうな女性だなと思いましたが) ●affectation は、純粋な感情があるにはあっても、そこに不純な動機も混じっていることだと考えればいいと思います。「けれん味」という言葉がありますが、哀れな歌を残して出て行く女性にも、多くの男の読者はそれを嗅ぎ分けると思います。逆に、男性の affectation に関しては、女性の方が嗅覚が鋭いのかもしれませんね。 2) 『 She has left behind her (this lady whom we are imagining ) a husband who is probably still fond of her; she is making herself very unhappy, and by disappearing in this way is causing him unspeakable anxiety, perhaps only for the ridiculous purpose of putting his affection to the test. 』 >彼女は、多分まだ彼女(私たちが想像しているこの女性)を好きでいる夫を、彼女の後に残して去ってしまいます。彼女は彼女自身を大変不幸にしていて、こ の方法で消えることによって彼女は彼に言いようのない心配をもたらしています。多分彼の愛情を試練に置くという馬鹿げた目的を得るためだけに。・・・・・・? ●これも、構造が入り組んでいますが、完璧に捉えられています。 >she is making herself very unhappy・・・・故意に不幸せを装っているということですか? ●その通りです。幸せであるのに不幸を装うというよりも、不幸の度合いを大仰にするということでしょうね。【very】unhappy の【very】に affectation が感じられますね。 >by disappearing in this way・・・・・・in this wayこの方法とは、後にあわれな言葉を書き連ねた歌を後に残して黙って去って行ってしまう方法ですか? ●その通りです。 >for the ridiculous purpose ・・・・「for」は《獲得・希求・期待》を表す「・・・を得るために」、「・・・を求めて」、の意味ですか? ●それに通じていますが、for the purpose of ~が、「~のために」というよく使われるイディオムですので、イディオムとして覚えられた方がいいと思います。私の丸暗記脳には、for the purpose of(名詞/動名詞)、with a view to(名詞/動名詞)、with the intention of(名詞/動名詞)が、同じ「目的」を表すイディオムとして入っています。大分埃をかぶっていますが... 3) 『 Then comes along some admiring friend crying ”What a heart! What depth of feeling !” She becomes more lugubrious than ever, and finally enters a nunnery. 』 >その時すっかり感心している、ある友達が叫んでやってきます。「なんという勇気なんだ!なんという感情の深さなんだ!」彼女は以前よりもっと哀れをそそるようになり、そしてついに尼僧院に入ってしまいます。・・・・・・? ●完璧です。今回は全て完璧ですね。 >Then・・・その時? ●then の「その時」と「それから」は、前の文と後ろの文の間に時間的間隔があるかないかできまり、どちらも考え得ることが稀ではありません。ここは「それから」も可能ですね。 >admiring friend・・・・彼女の行動に感心している友達という意味ですか? ●その通りです。したがって(おそらくは)女性ですね。 >”What a heart ! What depth of feeling !”・・・・・・「なんという勇気なんだ!なんという感情の深さなんだ!」(ここの台詞の訳が合っているのかどうか・・・??)この友達は心から彼女を称賛しているのでしょうか??(「heart」は家を出てしまった彼女の大胆な行動を指す意味で「勇気」と訳しました) ●「heart」の「勇気」はいい訳だと思います。よく思い切りなさいました、という感じでしょうね。 >哀れさを更にアピールするために(?)尼僧院に入ってしまうわけですね・・・・・?!そこまでしてしまうのは極端のように思うのですが。 ●尼門跡という貴族のための尼寺があったのはご存知ですか?誰もが結婚できた時代ではないので、食べて行くためにはそういう制度が必要だったのですね。ここの場合、尼門跡の末寺の貧しい尼寺かもしれませんが、生活費は確保されていたでしょう。尼寺に行くこと自体はよくあることでしたので、現代のわれわれが思うほどには極端な感じを同時代人は持たなかったと思います。 >いろいろ夫の愛情を試している女性が昔からいたようです。 ●そうですね。おとぎ話は … and they lived happily ever after. で終わりますが、現実はそこから辛さ・淋しさが待っていることも多々あり、経済的自立の道がなかった女性には、夫の愛情は死活問題でもあったわけですからね。現代の先進国で、social institution としての結婚を拒絶する若い女性が増えているというのも頷けます。 ************************* 《余談》獅子文六(岩田豊雄)は、坪内逍遥と同じく、日本の演劇にも大きな貢献をなし、そこに1920年代のヨーロッパの息吹が通っているということを申し上げたかったわけです。それと同じ息吹がおそらく Waleyの『源氏物語』の英訳誕生にも関係していると思われます。  現実世界は、1930年代に入りますと、急速に政治化していき、大正デモクラシーもワイマール共和国もはかない夢と潰えて行きます。1930年代を代表する作家の一人ジョージ・オーウェルは1930年代に生きることの制限をそのエッセイに書いています。政治的になるよりほかなかったのだと。  文学座の芸術志向は、左翼的見地からはブルジョワ志向として敵視されたはずで、座員の分裂や脱退という危機に見舞われますが、そうした時代の荒波を乗り越えて今日まで生き延びていることは、文化は、かならずしも政治的イデオロギーだけで割り切るべきものではないという岩田豊雄の信念が現実に受け入れられたことを意味しているように思えます。同時に、彼の劇団運営の実際的な手腕もなかなかのものだったということですね。Waleyの『源氏物語』の英訳も、イデオロギーとは別の次元で、西洋世界に受け入れられています。(こんなに aristocratic な文学はないわけですけれども...)  なお北見治一『回想の文学座』(中公新書)は、劇団内部の人間模様を実に生き生きと書いてあり面白い本ですので、機会があればお読みください。劇団運営の難しさがよく分かります。(つづく)

sweetapplechoco
質問者

お礼

今晩は。春が待ち遠しいです。花たちも同じ気持ちでいるのかなと思います。 いつも大変丁寧に回答をしてくださってありがとうございます。 今まで知り得なかったことをたくさん教えていただいて、いろんなことを考える機会が得られました。 「けれん味」というのはハッタリやごまかしのことですね。 この辺はいろいろ経験を経ないと見極められないかもしれませんね。 2)は前回あった「behind 人」が出てきたので、教えていただいたように訳しました。 「very unhappy」のveryに「不幸の度合いを大仰にする」という意味合いが込められているのですね。 (「very」を入れることによって「affectation」《見せかけ》を感じさせているのがわかりました。) 「for the ridiculous purpose of~ 」は「for the purpose of ~」というイディオムが 入っていたのですね。(気がつきませんでした) with a view to(名詞/動名詞)とwith the intention of(名詞/動名詞)=目的語を表すイディオムですね。 thenの「それから」と「その時」は悩むところですが、どちらでも意味は通じる感じでしょうか。 「admiring friend」は男性をイメージしていましたが、女性の友達ですね。 そうするとセリフは女性の言葉にした方がよかったですね。 「尼門跡」でちょっと思い出したのが、三島由紀夫の『春の雪』に出てきた「聡子」が 出家したところが貴族のための尼寺だったような。。 (食べて行くためにそういう制度が必要だったというのは知りませんでした) 尼寺に行くことは当時はよくあったのですね。現代の感覚からするとすごく極端な行動に 思えましたが、そうでもないということがわかりました。 結婚生活はおとぎ話のようにはいかないですね。 経済的自立の道がないという状況は夫の愛情のみが頼みになってしまって 追い詰められてしまいますね。恋の駆け引きを楽しむということもあったと思いますが かなりシビアな世界に生きていたといえますね。 social institution =社会制度ですね。 結婚の価値観は時代とともに必然的に変化しますね。 ********************************* 1920年代のパリは Les années folles(crazy years)と呼ばれていましたね。 フランスに渡った獅子文六(岩田豊雄)は、豊かな文化をたくさん吸収して 日本の演劇に新しい息吹を起こしましたね。 Waley が源氏を翻訳し始めたのは 1920年代の初めでしたね。 ジョージ・オーウェル(1903-1950)についてあまり知らなかったのですが、 『1984年』という小説が有名みたいですね。 1930年代というのは1920年代とはがらっと違ってしまったようですね。 暗い戦争の時代に突き進んでいく時代だったのでしょうか。 劇団というと座員の分裂や脱退というのはついてまわるような気がします。 でも「文学座」はそういう危機があっても決してなくなってしまうことはなかったのですから、 岩田豊雄の信念を受け継ぐ志のある座員がちゃんといたのだと思います。 これから何世紀も続くといいですね! (ところで岩田豊雄はフランスで演劇と一緒に劇団運営についても学んだのでしょうか?!) aristocratic=貴族的な? 源氏物語は訳していていつも感じるのは現代にも通じる内容だということです。 これは西洋の人たちも感じていることではないでしょうか? 北見治一の『回想の文学座』、読んでみます。 (月曜日にまた投稿します)

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