二項定理が、(A + B)^n = Σ[k=0…n](nCk)(A^k)(B^(n-k)) であることは
知ってたほうがよいでしょう。貴方に「二項定理の問題」を解く必要があるならね。
その上で、(nCk)(A^k)(B^(n-k)) の中で目的の項と同次なものを探して、
係数を合計すればいい。
(1)
(2x^2 - 3)^6 = Σ[k=0…6] (6Ck) (2x^2)^k (-3)^(6-k)
= Σ[k=0…6] {(6Ck) 2^k (-3)^(6-k)} x^(2k)
の項で x^6 と同次なのは、k = 3 のものだけです。
その係数は、(6C3) 2^3 (-3)^3 = -4320.
二項定理の拡張に、多項定理というものがあります。
(A + B + C)^n = Σ {n!/(i!j!k!)} A^i B^j C^k
Σ は、i + j + k = n となる非負整数 i,j,k に渡る総和です。
( )^n の中身が四項以上になっても、同様。
覚えてしまえば、二項定理も (n - k) が出てこないこちらの形式の方が
むしろ簡明に思えます。
(2)
(x + 2y - z)^5 = Σ {5!/(i!j!k!)} x^i (2y)^j (-z)^k
= Σ {{5!/(i!j!k!)} 2^j (-1)^k} x^i y^j z^k
の項で (x^2)(y^2)z と同次なのは、(i,j,k) = (2,2,1) のものだけです。
その係数は、{5!/(2!2!1!)} 2^2 (-1)^1 = -120.
今回の例は、どちらも Σ の項の中で目的の次数のものが一つだけ
でしたが、そうでない例も見てみましょう。
(3)
(x^2 + x + 1)^5 の展開式で x^5 の係数
考えて見てください。
お礼
丁寧な解説をありがとうございました!