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金利の上昇と債券
息子との会話でこんな話がでました。 『金利が上がれば債券を買いたい人が増えるから債券価格が上がる』 一見、理にかなっている気もしましたが、常識では 「金利上昇=債券価格下落」ですよね。 ですから息子の考えは間違っていると思うのですが、自分でもよく理解していないので うまく間違いを指摘することができません。 なんて説明してあげるのがよいでしょうか?
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長いですがよろしければご覧ください。 >『金利が上がれば債券を買いたい人が増えるから債券価格が上がる』 >息子の考えは間違っていると思うのですが… tsuruharuさんも息子さんも「間違ってはいない」ので、疑問に思われるのも不思議ではありません。 「金利」と「債券価格」は、「鶏が先か?卵が先か?」の話と似ていて、どちらも「原因」と「結果」になりうる関係になっています。 また、「山の頂上にいる人」と「麓にいる人」がいたとして、「頂上にいる人は高いところにいる」と「麓にいる人は低いところにいる」は、まったく違う表現ですが、同じ事を言っています。 なんだか「禅問答」みたいですが、感覚的には似ていると思います。 ----- 息子さんの言った『金利が上がれば債券を買いたい人が増えるから債券価格が上がる』 の状況から少し時間を遡ると、 「(既発)債券価格が下がる」→「金利(利回り)が上がる」 あるいは、 「金利(利回り)が上がる」→「(既発)債券価格が下がる」 ということが起こっていたことになります。 ですから、「債券と金利の関係をよく知らない人」が、「金利(利回り)」に惹かれて「債券を買う」という行動に出てもおかしくありません。 むしろ、「タンス預金」をしているような人は、「金利が付かないのでお金の価値が目減りしてしまう」のですから、「金利の付くものを買うべき」でもあります。 そして、「債券を買う人」が増えると、「需要と供給」の原理に従って、「債券価格は上がり」、「金利(利回り)」は下がることになります。 ここで、息子さんの考え方にそって、 『金利が下がれば債券を売りたい人が増えるから債券価格が下がる』 と考えてみます。 先ほど、「金利(利回り)に惹かれて債券を買う」という行動に出た人が、(よく分からず)今度は、「金利(利回り)の低下に失望して債券を売った」とします。 やはり、「需要と供給」により、「債券を売る人が増えると」、「債券価格は下がり」、「金利(利回り)」は上がることになります。 このようにシーソーのように動くのが、自然な需給に任せた状態です。 「自然な需給」に手を加えるのが、日銀が行う「売りオペ」「買いオペ」と呼ばれる、「意図的な需給調整(公開市場操作)」です。 具体的には、 ・日銀が、「市場に債券を売る=通貨を市場から吸い上げる」→「通貨の流通量が減少する」→「金利が上がる=債券価格が下る」、もっと簡単に、「債券を売るので、債券価格が下がる」も間違いではありません。 ・日銀が、「市場から債券を買う=通貨を市場に放出する」→「通貨の流通量が増える」→「金利が下がる」、もっと簡単に、「債券を買うので、債券価格が上がる」も間違いではありません。 というようなことを行います。 『買いオペ』 http://www.ifinance.ne.jp/glossary/market/mar184.html 「買いオペ」は、通貨の価値を低下させるので、「インフレ(物価の上昇)」の要因になるとされています。 ----- いかがでしょうか? かえって分かりにくくなってしまったでしょうか? いずれにしましても、人は「理屈」ではなく、「値ごろ感」などの「直感・感情」で行動しがちで、それが最終的には市場の需給を変えていきます。 ですから、息子さんの直感は、決して「間違い」ではなく、「債券と金利」の関係の一面をとらえた「真実」なのですが、あくまでも「一面」にしか過ぎないので、「間違っている」ように感じるわけです。
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- simotani
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これは両方とも合っているからややこしいです。 債券価格は需要と供給で決まる為「欲しい人が増えたら価格は上昇」します。 本来金利が上がるとは資金需要が増えていく事を意味します。債券を安く売り急いででも現金を必要とするならば金利は上がります。 ですから景気好転→債券から株式への資金移動→債券価格下落→金利上昇となるのが理想的です。 が、金利上昇で預金→債券へのシフトが入るかどうかは別問題。預金には預金保険が付いていますし、普通の円預金では中途解約自由となります。債券は市場価格で売却して換金します。ですから、この先更に金利が上がるなら債券を買わないで変動金利商品を購入すべきとも言えます。
- Crusadess
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息子さんの一寸した勘違いです。金利と債券価額は逆の動きです。 例えば、息子さんが固定金利10%で10,000円を3年間、人に貸したとしましょう。1年後に利息1,000円、2年後にまた利息1,000円、3年後には利息と元本で11,000円が入ってきますね。ここで割引現在価値を計算をしましょう。将来のお金を、今の価値に直す計算です。金利が10%なので、1.1で割るんです。こんな計算です。1年なら1乗。2年なら2乗。、、、 (1) 最初の1,000円 → 1,000/1.1 = 909 (2) 次の1,000円 → 1,000/1.1の2乗 = 826 (3) 最後の11,000円 → 11,000/1.1の3乗 = 8265 三つを合計すると909+826+8265=10,000です。息子さんが10%で金を貸して、世間の金利も10%なら、息子さんが保有する債券は10,000です。 次に、世間の金利が20%に上がったと考えましょう。世間では20%なのに、息子さんは10%で固定されていました。 (1) 最初の1,000円 → 1,000/1.2= 833 (2) 次の1,000円 → 1,000/1.2の2乗 = 694 (3) 最後の11,000 → 11,000/1.2の3乗 = 6366 三つを合計すると833+694+6366=7,893円です。世間の金利が10%の頃は10,000だったのに、20%に上がったら7,893円になりました。金利が上がると、債券価額は下がるのです。 息子さんはの勘違いは、上がる金利が「自分の金利」だと思ってるのでしょう。自分が20%に上がり世間が10%のままなら、自分の債券価額は上昇します。しかし自分は10%のままで世間が20%に上がると、自分の債券価額は下がります。
- fujic-1990
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今おまえは、年利1%の債券(100万円)を1枚持っているとするよ。 ところが、昨日金利が10倍も上がって、いま銀行へ定期預金をすると、年利10%の利息をくれるようになったそうだ。 おまえは、年利が1%しか付かない債券を「100万円よりも高い値段」で「もっと数多く買いたい」と思うかね?、それとも、持っている債券を売って銀行へ定期預金して10%の利息をもらいたいと思うかね? (売って銀行に定期したいと答えると思いますので)じゃあ売りたい人が増えるよね。売りたい人が増えれば債券価格は下がるよね。 お子さんの間違いは、「金利が上がる=債券の利息が上がる」と誤解していることです。 債券の利息はふつう一定で、周囲の金利が上がっても変動しません(金利が下がっても変動しません)。
お礼
なるほど。 分かったような分からないような感じですが 息子の考えも決して間違いではないのですね。 ありがとうございました。