・3次元ベクトル計算(外積程度)を使います.
・複素数(オイラーの公式の簡単な微積分)を使います.
・厳密に解ける理想化された条件で解きます.
運動方程式はローレンツ力を使って
m{(dv_x/dt)i+(dv_y/dt)j+(dv_z/dt)k}=-e(v_xi+v_yj+v_zk)×Bj
ここにi,j,kはそれぞれx,y,z軸方向の基本ベクトルで,v_αはα軸方向の速度成分です.
i×j=k, j×j=0, k×j=-i
より
m{(dv_x/dt)i+(dv_y/dt)j+(dv_z/dt)k}=eBv_zi-eBv_xk
成分に分けると
(1)x成分:dv_x/dt=(eB/m)v_z
(2)y成分:dv_y/dt=0
(3)z成分:dv_z/dt=-(eB/m)v_x
これを初期条件
(x(0),y(0),z(0))=(0,0,0)
(v_x(0),v_y(0),v_z(0))=(v_0sinθ,v_0cosθ,0)
で解きます.
まず,(2)より
v_y=v_0cosθ∴y=v_0tcosθ
(1),(3)を効率よく解くために複素関数
w(t)=v_x(t)+iv_z(t)
と定数
a=eB/m
を定義します.ここのiは虚数単位です.(1),(3)は次の方程式にまとめられます.
dw/dt=dv_x/dt+idv_z/dt
=av_z+i(-av_x)
=-ia(v_x+iv_z)
dw/dt=-iaw
これは簡単に解けて
w(t)=w(0)e^{-iat}
ここで
w(0)=v_x(0)+iv_z(0)=v_0sinθ
より
x(t)+iz(t)=v_0sinθ{e^{-iat}-1}/(-ia)
=v_0sinθ{cos(at)-1-isin(at)}/(-ia)
=v_0sinθsin(at)/a+iv_0sinθ{cos(at)-1}/a
すなわち
x(t)={mv_0sinθ/(eB)}sin(eBt/m)
z(t)={mv_0sinθ/(eB)}{cos(eBt/m)-1}
y軸はx=z=0であるので
(☆)sin(eBt/m)=0かつcos(eBt/m)=1
のときy軸上の座標
(★)y(t)=v_0tcosθ
に到達します.☆のt≧0における解は
e^{ieBt/m}=cos(eBt/m)+isin(eBt/m)=1
∴eBt/m=2nπ(n=0,1,2,…)
これを満たすtをt_nと書くと
t_n=2nπm/(eB)
★より
y(t{n+1})-y(t_n)
=v_0cosθ(t{n+1}-t_n)
=v_0cosθ{2πm/(eB)}(n+1-n)
=v_0cosθ{2πm/(eB)}
=2πmv_0cosθ/(eB)(答)
お礼
すみません、補足質問の方を補足させていただきます e^{-iat}/dとなっている場所がありますがe^{-iat}です 失礼しました
補足
すみません、分からないところが多々あります 「(2)より v_y=v_0cosθ」 v_y=v_y(0)=v_0cosθとなったとは思うのですがv_y(0)が出てくる理由がわかりません 「dw/dt=-iaw これは簡単に解けて w(t)=w(0)e^{-iat}」 e^{-iat}/dだけでdw/dt=-iawを満たすのにw(0)がついてくるのは何故ですか? 「x(t)+iz(t)=v_0sinθ{e^{-iat}-1}/(-ia)」 w(t)=v_x(t)+iv_z(t)=v_0sinθe^{-iat} 両辺をtで積分すると x(t)+iz(t)=v_0sinθe^{-iat}/-iaだと思うのですが何故引く1が追加されてるのでしょうか? 恐らく微積分の基本が抜けてるのですがせっかく投稿していただいたので理解したいと思い質問させていただきます 回答お願いします