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都市史・住宅史について

ご覧いただきありがとうございます。 さて、本題ですが世界・日本の都市史、住宅史で規模などが類似しており比較しやすい都市史と住宅史はどこかありますでしょうか? 回答お待ちしております。

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  • TANUHACHI
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回答No.2

 大きく出ましたね、「社会構造史の比較考察」とは。まるでヴェーバーやマルクスを凌駕せんとばかりの勢いですな。僕が少しばかり携わっている学部生や院生達ですら、この様に無謀なテーマを設定することは先ずありません。余りにもターゲットが広すぎて論拠とする史料をどう集めればよいか、分析視角をどの様に設定すればより実像に近いスケッチを描くことができるかとの深刻な問題ばかりが山積しています。  では具体的にどうすればよいのかとの話になりますが、質問者様の目的意識や問題意識が語られていない以上、先ずは研究史から手掛かりを探すしかないでしょうね。さしあたっては質問者様が設定している?と思われるテーマに関連する研究論文をお読みになることから始めます。  中世社会を社会構成組織の視点から理解しようとする時、たとえば日本の中世社会ならば、そこには「坂」の問題があります。80年代半ば以後、「坂」は「空間としての境目」であると同時に「身分秩序を隔てる境目」としての機能を有していたことも既に知られているところです(『境界の中世 象徴の中世』等に収められている黒田日出男氏の一連の論稿をはじめ、網野善彦氏が着目する「縁」の問題やそれに基づく中世の卑賤身分と職業の関連など)。  もし質問者様がそうした部分とは関係なく「都市構造の問題」をお知りになりたいのであれば、古代ならば「都城制」、中世後期から近世ならば「寺内町」「門前町」「城下町」「自治都市」などの括りもあります。  以上のキーワードから思い浮かぶ研究者の名前だけでも、上田正昭・直木孝次郎・岸俊雄・吉田孝・早川庄八といった古代史分野の専門家と豊田武・永原慶二・黒田俊雄・石井進・網野善彦・佐々木銀弥・脇田晴子・峰岸純夫・笠松宏至・勝股鎮夫・清水克行など中世史分野の研究者の名が出てきます。他にも法制史家の石井紫郎などの考察もあります。  このうち比較的研究がし尽くされている部分は中世史の領域で、ご希望の「比較対照」ならばヨーロッパ中世の封建制との比較との問題に属するかと考えられます。がしかし、この問題を扱うならば、その前提である日本の中世社会の構造的特質をどの様に規定するかとの大問題が横たわっていて個人の一生を通じても結論に辿り着く可能性は皆無といっても過言ではありません。非人と呼ばれる階層の民がなぜ寺社の庇護の下で手工業や商業による権益を手にすることができたのか。それを庇護する寺社(閉鎖的特権空間としてのアジール)と世俗の法秩序との関係は?。実質の身分階層と法意識下の身分階層の乖離をどう説明するか等々これ一つをとっても一筋縄では解明できない問題があり、これらに一定の結論を出さない限りは「封建制」を説明することも困難となります。  けれどもここで「発想の逆転」をするならば、一つの事象たとえば「卑賤観念と身分秩序の関係」からも「封建制」が持つ一つの側面を描写することも可能ともなりえますが、研究発表を意図するならばそれは至難の業ともいえます。  中世都市としての京都の意味をターゲットとするならば、さしあたっては黒田紘一郎氏の『中世都市京都の研究』(校倉書房)川嶋将生氏の『「洛中洛外」の社会史』(思文閣出版)瀬田勝哉氏の『洛中洛外の群像』(平凡社)及び寺内町研究会編『寺内町の研究』(法蔵館)を手掛かりとし、その後にアイゼンシュタット氏『日本 比較文明論的考察』(岩波書店)をお読みになられることをお薦めします。  また「都市史」を扱う研究団体としては寺内町研究会・都市史研究会などの団体もあります。

その他の回答 (1)

  • TANUHACHI
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回答No.1

 都市史と安易に仰られてもお答えのしようがありません。 僕は日本の中世史を専門領域とする者ですが、「都市史」を考察対象とする時には商業史からの試みも可能であれば、社会構造史からのアプローチや法制史からのそれも可能です。  こうした分野史からの括りと同時に時系列としての括りならば、それは同時に日本の中世社会と西洋の中世の比較史的研究などの考察方法など多様な分析視角もあることから上記の指摘となります。今少しの補足がなされれば、手助けすることも可能かと存じます。

tekkinkazoku
質問者

補足

回答いただきありがとうございます。 都市史についてですが、社会構造史の比較考察を行って行きたいと考えております。