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ケインズ政策の乗数効果は下がってる!?
ケインズ政策の乗数効果が近年、低減していると言われるのは、なぜでしょうか?
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乗数効果は、簡単に言えば、政府が1億円支出したときにGDPがどれだけ増えるか、という指標です。 政府の支出は、大きく言えば、社会保障費のような移転所得と、公共事業のような政府最終消費に分けられます。 現在日本政府(中央政府と地方政府両方)の支出の最も大きな部分を占めるのは、この移転所得の部分です。例えば年金や生活保護費や子ども手当などです。 一般に言って、社会保障費をはじめとする移転所得は乗数効果が小さいことが知られています。 例えば、年金を10万円貰っても8万円位しか使いません。このことは、高齢者の一人当たり金融資産が増え続けていることからも確認できます。 一方で公共事業の場合には、給料や材料費など、或いは利益は会社を大きくするための使われたり配当となる、などの結果、時期的なズレはあるにしろ10万円の政府消費は10万円の消費に繋がります。 したがって、公共事業費を削減して社会保障費に回して、政府支出を基に乗数効果を考えれば、必ず乗数効果は下がります。 また、一般的な枠組みからいえば、政府の乗数効果は、輸出入を無視すれば 乗数=初項÷(1-限界消費性向) で表わすことができます。初項は大抵は限界消費性向を取ることが多いです。限界消費性向というのは、1万円給料が増えたらどのくらい消費を増やすか、という割合です。例えば1万円増えて8千円消費すれば0.8となります。 したがって、限界消費性向が下がれば乗数は下がります。 近年の限界消費性向は大体75%前後で推移していますが、リーマンショック後、下がり続けています。これは、景気悪化による先行きの不透明化により、所得を使わない層が増えていることが原因です。 もう一つ、乗数効果が波及しない原因として、借金等の返済に資金が使われてしまい、結局は消費には回らない、ということもあります。例えば、銀行の貸出残高は、前年同月末比で23年8月まで減り続けています。 それから、#3の方は、乗数効果の理解がおかしい。財政政策上の問題を金融政策として考えているようです。
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- nacam
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ケインズ経済学というもの、特に「有効需要の法則」というものが全くの空論だっただけのことです。 初めから「ケインズ政策の乗数効果」など存在していなかったのです。 政府が財政を出動させて景気対策を行っても、資金需要は発生しません。 なぜか? それは政府が借金をして資金需要を食い尽くしているからです。 100億円の経済投資を行い、資金を市場に流しても、政府は100億円の国債を発行しているため、100億円を国債という形で固定化してしまっているのです。 100億円を市場に流し、流動性を高めている一方、国債と言う形で100億円を固定化してしまっているのですから、乗数効果など現れるはずがありません。 借入金による財政投融資により効果が出るのは、最初の1回のみです。 それがケインズ経済学が空論であるという意味です。
- tanuki4u
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http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201201-201203/presentation/20120220fujii_economicgrowth.pdf 京都大学大学院都市社会工学専攻 教授 藤井聡 この方の言を踏襲するならば「カンフル剤を打ってないのに、カンフル剤が効かないなんてのは、意味が無いではないか」という説になります。
- mekuriya
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乗数効果はなぜ小さいのか|記事|政策研究・提言 - 東京財団 - 東京財団 - THE TOKYO FOUNDATION http://www.tkfd.or.jp/research/project/sub1.php?id=322
お礼
大変わかりやすいサイトですね!ありがとうございます!政府支出の効率低下と、マンデル・フレミングモデルの帰結ですか…マンデル・フレミングモデルについては他でも色々調べて私なりに多少理解はしていたのですが…しかしややこしい問題ですね。一気に乗数効果を改善する方法など簡単に見つけられそうもないような…見つけている人もいるのでしょうか?その辺も話も今後探求してみたいです。ありがとうございました!
お礼
なるほど、同じ政府支出でも公共事業より社会保障の法が乗数効果は小さい、ですか…社会保障の重点が大きくなっている今、難しい問題ですね。借金などの返済に使われることが多い、というのもいかにもありそうな話ですね。大変参考になりました、ありがとうございました!