積分される
2π√(r^2-x^2)dx
のdxの部分が違います.dxはx軸に平行な線分です.そうではなくて,円x^2+y^2=r^2のx~x+dxの部分にある部分dsでなくてはなりません.P(x,√(r^2-x^2))における接線の傾き
(√(r^2-x^2))'=-x/√(r^2-x^2)
から,Pから円に沿ってx軸方向にdx動くとy方向には
dy=(√(r^2-x^2))'dx={-x/√(r^2-x^2)}dx
変化すると考えてよく,
ds^2=dx^2+dy^2
=dx^2+[{-x/√(r^2-x^2)}dx]^2
=dx^2{1+x^2/(r^2-x^2)}
=dx^2r^2/(r^2-x^2)
∴ds=dxr/√(r^2-x^2)
これは|x|が小さい時はほぼdxになりますが,|x|が大きくなるとdxより長くなります.これは球の表面が曲がっているからです.
修正された式で計算すると,
∫_{-r}^r2π√(r^2-x^2)ds
=∫_{-r}^r2π√(r^2-x^2)dxr/√(r^2-x^2)
=∫_{-r}^r2πdxr=2πr∫_{-r}^rdx
=2πr(r+r)=4πr^2
と正しい値がでてきます.
体積の場合は薄い円板π{√(r^2-x^2)}^2dxを積分しますが,球体の表面が曲がっていることの効果は面積π{√(r^2-x^2)}^2の部分に繰りこまれているので,dxは円板の幅となるだけです.ここでdsを使ったら正しい体積は求まりません.