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心理学 性格
心理学を学んでいる方へ。 ジャーナリスト山本美香さんがなぜ あのような危険な場所まで行き 仕事をするのか疑問です。 その理由を心理学的に 客観的に知りたいです。 できれば、山本美香さんの人格も含め考察した回答を希望します。
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・山本美香さんのご冥福を祈り、哀悼の意を表します。 最初にお断りしたいのですが、「単なる心理学の視点」では、 山本さんの真価は語れないことを肝に銘じてください。 心理学は「科学」です。科学で人物の総合評価はできません。 ただ、その一面のみ、光を当てて、その人物像を輝かせるだけです。 ・あなたがどのくらい深く山本さんのことをご存知なのかはわかりませんが、 自分を導いてくれたのは「佐藤和孝」さん、彼がいなければ今の自分はなかったと言い 信頼と尊敬を寄せていました。 「引き込まれるようにまっすぐな、本物のジャーなりスリの目を持った人」と評価されていました。 あなたが「疑問です」と書かれている「危険な場所に行っての仕事」の意識は、 最近の山本さんには無かったように思います。「緊張のしっぱなし状態」ではなかったようです。 ジャーナリストになる背景には、お父様の影響もあったことでしょう。 社会を見つめる目、「視点」のようなものを、お父様から学んでいたと思うのです。 親しかった佐藤さんとの出会いでその「視点」がさらに広がりを見せ、戦争の地で 多くの悲惨さを見つめる中でより純化されていったように思います。 「ボーン上田国際賞・特別賞」を受賞されたときも、自分は何もしていない、 佐藤さんを手伝っただけと、ひかえめで、一歩も二歩も下がる人、 「自分はたいしたことはしていない」と謙遜する人でした。 ・最初にお断りしたように、心理学ではすぐれた人物の全体像は評価でしません。 ましてや、現在心理学を学んでいる学徒には、山本さんの背景さえ、論じ切れないでしょう。 他人の私が、ひとつの視点からの言えるとするならば、「悲惨さと死」を前にした、という 共通点からの論述です。 想像してください。戦場という死と隣り合わせの現実の中で、ひとり力んだところでなにが できるでしょう。ただおろおろするだけ、逃げ惑うだけで、現実を変えるどころか何ひとつ 出来ないのです。外見上は平和な国にいて、勝手な考えを論じているのではありません。 目の前の死が現実という中で、何も出来ない自分、恐ろしくて、逃げ出したくて、 どうしようもない事実を突きつけられるのです。 普通の人は負け犬のように帰国します。でも、山本さんは、そこで自分ができることを 見出したのです。一貫して変わらなかったのは「こどもに対する視点」でした。 山本さんのジャーナリストとしての目と取り組む姿勢は、戦場で「死」に出会い、 逃げ出さずに自分のなすべきことを見出し、自分の生きる場所をそこに定めることで 磨かれ、揺れをとめ、高められました。それが「核」となって彼女を支えたのです。 ・「いつも平常心で」と口にする人によく出会います。でも、後ろから犬にほえられ、 驚きのあまり、赤信号の交差点に走り出していました。「平常心」はその背後に 「不動心」がなければ、持てません。「好奇心」も、背後に「探究心」がなければ、 単なるヒマつぶしとなって年とともに消えていきます。 「学校の勉強なんて社会に出たら何の役にもたたなかった」という人は、自分が 役に立てられなかっただけです。その人の言葉や行動の背後には、必ず存在するのが 「核」。山本さんは、それを戦場という現実の中で身につけたのでした。 「自分はたいしたことをしていない、自分のしていることは そんなにすごいことではない」という言葉は、戦争という現実の中で生きてきた人だから 言えてる言葉です。これが「核」としてあったから、一般人から見て「危険であぶない仕事」に 出かけていけたのでしょう。いつか、自分も戦場で死ぬだろうという意識を持ちながら。 ・ただただアンチエイジングに精を出し、寿命を引き伸ばすことに懸命な生き方ではなく、 「自分の死に場所」を戦場に見ていたとも、考えられます。 いえ、生きる場所、自分のできることがここにあると理解した人。ただ、それが、 たまたま「戦場」だった・・・のでしょう。 そこで我を忘れて働いていたのではなく、日本の友に優しく声をかけ、友の幸せを 自分のことのように喜ぶ人であったと聞いています。心が正しく目覚めていた人。 それが私の山本美香さんというすぐれた魂の評価です。 ・たいしたことは書けませんでしたが、「核」を見出したことをご記憶ください。 それを同様に見出すならば、山本さんの生き方の真価が見えてきます。 その「核」を知らないために、本当に勝手なことを書き込んでいる人がいます。 せめて、あなたは、そうされないことを祈ります。 あなたご自身が、その「核」に触れ、ご自分の人生を強く生きてくださることを 祈っています。 あなたの明日にステキなことがありますように。