>男が三原色と無彩色の4つの感覚器しかないのに比べて、女はもう一色多いそうです。
今さらの回答になるかもしれませんが、これは嘘です。男女ともに3種類の錐体(色受容)と1種類の桿体(明暗受容)とを持ちます。3種類の錐体とは、短波長(青に見える)、中波長(緑に見える)、長波長(赤に見える)です。たまに4種類の錐体を持つ人がいるそうですが、女性のほうに多いのかどうかはわかりません。逆に、錐体の数が少ないのが、色弱・色盲といわれています。色盲の遺伝子はX染色体上にあるので、色盲は男性に多いです。
3原色に対応するために錐体が3種類あるのではなく、錐体が3種類あるので、原色が3つであるということです。なので、錐体が4種類ある人や鳥類(錐体を4種類持つ)にとっては、原色は4つとなります。鳥類からすると、ほとんどの人間は色盲ということになりますね。
なお、錐体が2種類しかないからといって、即座にある色が見えなくなるわけではありません。先ほど「3種類の錐体とは、短波長(青に見える)、中波長(緑に見える)、長波長(赤に見える)です」と書きましたが、厳密には間違いです。短波長を受けとる錐体が受けとる光の強さをshortのSとします。同じように、中波長はmiddleのM、長波長はlongのLとします。頭のなかで、MとLとを比べます。Mのほうが大きければ緑寄り、Lのほうが大きければ赤寄りと判断されます。一方、SとM+Lとを比べます。Sのほうが大きければ青寄り、M+Lのほうが大きければ黄色寄りとなります。たとえば、M<L、S>M+Lの場合、赤寄りであって青寄りということなので、紫が見えることになります。網膜の段階では3色過程(錐体の種類数です)であるのに対して、頭のなかでは4色過程(M=緑、L=赤、S=青、M+L=黄)が基本となります(もちろん、上で書いた一部の人や鳥類の持つ4種類の錐体と、頭のなかの4色過程とは関係ありません。)。
色彩感覚は女性のほうが優れています。これはなぜかというと、人間の認知機能が狩猟採集時代に適応していたという仮説に基づくなら、採集の仕事を任されることの多かった女性には、果実やキノコを見分けるのに色彩感覚が必要だったからと考えられます。逆に、狩猟を任されることの多かった男性は、動体視力、静止視力などの視空間把握能力に長けています。また、女性は男性に比べて、物体の形に関係なく色が同じものを選ぶ実験で点数が良いです。これも採集に有利だと考えられているようです。