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X線回折装置についてです。

X線回折装置で試料がステンレス鋼のとき、X線管球にはCrが使われます。 理由はCrの放射するX線の波長が長いからだと聞いたのですが、どうして波長が長いとステンレス鋼の管球に適しているのですか? 結晶面間隔が関係しているのでしょうか・・・

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回答No.1

ステンレス鋼の場合Cr管球を使用するのは、鉄を含む材料には一般に使用するCu管球が適さないためです。 CuのK線のエネルギーが鉄のK吸収端エネルギーよりわずかに高いため光電効果が著しく、鉄のK線(蛍光X線)を強く発生させます。 シンチレーションカウンターではCuKαとFeKαとを弁別できないため、回折プロファイルはバックグランドが非常に高くなります。 このため微弱なピークは埋もれてしまって検出できないなどの不具合が発生することがあります。 このためCu管球は適しません。 鉄を含む材料の測定には、Feの吸収端エネルギーより低いエネルギー(波長の長い)Cr管球が使用されます。 これが最大の理由です。 Crのほかに Co, Feなどの管球が使用されることがあります。 Cr管球は残留応力を測定するのに使用することがあります。残留応力の測定ではできるだけ高角に出現するピークを測定対象とするため、波長の長いCr管球が適しています。 この理由でCr管球を使用することもあります。 最近は検出器の前に結晶モノクロメータを配置してCuKα線のみを検出する回折装置が一般化しています。 この場合は、材料に気を使うことなくCu管球が使用できます。

asa1025
質問者

お礼

ありがとうございました。 様々な疑問が一斉に解けました。 しかしエネルギーの低いCrのX線をぶつけて、より高い吸収端エネルギーを持つFeのX線は発生しないと思ったのですが、FeのX線を検出せずとも材料の同定ができるということでしょうか? 重ねての質問すいません。

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