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種牛の審査方法についての質問
- 種牛の審査方法について詳しく教えてください。
- 種牛の審査方法に関する用語や要点を教えてください。
- 種牛の審査において重要な栄養や減点ポイントについて教えてください。
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この世界は用語が独特なので、ネットで検索したくらいでは容易に判らないと思います。 まず、質問者さんが引用された審査基準は、今年の秋に長崎で開催される第10回全国和牛能力共進会という、ある特定の共進会(言い換えれば品評会)での審査基準です。この基準が普遍的というわけでは特にありません。 ところで「種牛」というのは「オス」のことですか?一応広義には繁殖に供する(つまり子を産ませる)目的で飼養する牛は、オスもメスも「種牛」と呼びますので確認までに。 種牛の何を調べていてこの審査基準に行き当たったのかよく判りませんが、場合によってはあまり良い資料とはならないことも考えられるので、その点に留意して読んでいただければと思います。 1.特に制限はありません。あまりに大きいor小さいものは2の基準によって"足切り"を受けるだけです。 日本飼養標準による標準発育値によれば、雄牛で23ヶ月齢なら平均632.7kg、下限と上限がそれぞれ532.9kg、732.5kgとなっています。この共進会では「若雄の部」の出品月齢は15~23ヶ月齢未満となっていますから、まず最大で700kgと少し、と考えて良いと思います。 2.このσは業界用語でも何でもなく、単に「標準偏差」という意味です。 母集団が正規分布していると仮定すると、±2σの範囲内に96%のデータが存在するはず、ということになりますね。 ですからこの「±2σを超えるものは、優等賞の中位以下とする」という文は、発育(これは体重だけでなくおそらく体高も審査対象になっていると思いますが)があまりに大きい、あるいは小さい牛は上位には入れない、という意味合いです。 3.栄養度ですが、これがこの世界独特の用語で判りづらいかと思います。この業界の中ですら、「栄養度指数」などの紛らわしい言葉があって訳が判らなくなるのですが・・・ 栄養度というのは、要するに「どれくらい太っているか」を数値にしただけ、のものです。 2(やせている)、3(やややせている)、4(やせ気味)、5(普通)、6(太り気味)、7(やや太っている)、8(太っている) つまり主観で「その牛が太っているかやせているか」を表現しているだけのものです。 4.つまり、太りすぎの牛は種牛としては適さない、という理由です。 5.この全国和牛能力共進会の賞がどのような区分になっているのかは知らないのですが、一般的には「優等賞」が最も高い賞で、「一等賞」、「二等賞」とランクが下がっていきます。それらの中でもさらに「優等賞一席」のようにいくつかのランク分けがされるのが普通です。 優等賞の中位以下、というのは、例えば優等賞が六席まであった場合は、優等賞四席以下にする、という意味です。もちろん一等賞や二等賞まで下げるのもあり、です。 まあそもそも、発育が±2σを超えるような極端な牛は、他に何かよほど優れた点がなければ賞の対象にはならないでしょうが・・・ 例えば、23ヶ月齢で350kgしかない牛が出てきた場合、これは間違いなく審査員に一瞥すらしてもらえません。というかそもそも出品すらされないでしょうが・・・したら語り草になってしまいます。 逆に23ヶ月齢で900kgもあるような牛が出てきた場合、「そもそもこれは本当に黒毛和種なのか?」という疑問が生じてしまうので、これも何も賞はもらえない可能性の方が高いでしょうね。 むろん、肥育牛であれば23ヶ月齢で900kgはあり得ないわけではないのですが、種牛ではちょっとあり得ない数字です。 放置してもそのような「普通ではない牛」が審査の結果、何らかの賞を得るということは普通あり得ない話なのですが、一応明文化しておく、という程度の意味合いの文章だと思いますよ。 6.審査されません。 7.決められていません。 というわけで、これはあくまで「品評会」の審査基準なので、種牛の何をお調べになっているのか判りませんが、あまり参考にはならないと思うのですが。
お礼
とてもわかりやすい説明をありがとうございます。