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種牛は 自分の娘に交配させるのでしょうか?
種牛は 自分の娘に交配させるのでしょうか? 先日の「肉牛の血統にメスは関係ない・・」では沢山有り難うございました その続 として別立てで教えて欲しいのですが ブランド牛の飼育では「種牛は自分の娘に交配させる」ことが多々ありそうですね 5頭しかいないというエース級の種牛ではそこから生まれたメスもエース級でしょうから この結果のマイナス面、奇形とか病気因子とかはあり得るのでしょうか? このような牛の近親交配の弊害も食べられるだけの商品で終わるので問題ないでしょうが これを食べずに世代を重ねるとどうなり、さらに 仮に人間に想定するとどのようなことがかんがえられますか?
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No.4です。補足させていただきます。 > 上部の数行からは、近親交配に配慮しているので危惧はない 配慮していると言っても、やはり自然交配よりも血のつながりが近い者同士で交配しているので リスクはそれなりにあります。 > 中段の数行からは、自然交配に比べて約50倍の負因子を発現 固定されているのは「○○倍」ではなく、むしろ「8分の1」のほうです。 どんなに珍しい劣性遺伝子でも、親から子に遺伝する確率は約2分の1に固定されているということです。 > 後尾※の部分からは、簡単にまとめることはダメということでしょうか 厳密に言うとそうなのですが、発生初期・胎児期は生涯のうちで 最も多くの遺伝子が働く時期なので、近親交配の影響を最も受けやすい時期だと言えます。 なので「近親交配すると、胎児に影響が出やすい」とまとめても構わないかと。 あと、「危険な劣性遺伝子はかなり排除されてきています」と書きましたが、 現代育種学でも悪影響を及ぼす遺伝子をすべて排除できず、むしろ蓄積している部分もあります。 優性・劣性遺伝子以外の、別な遺伝子分類として、 「質的遺伝子」「量的遺伝子」(新しい単語を出してすみません)があります。 「質的遺伝子」は、毛の色や角のあるなし等、形質の「質」を決定する因子であり、 その遺伝子一つのあるなしが、スイッチのオンオフのように表に出るので、 特定しやすい遺伝子でもあります。 「量的遺伝子」は、身長や体重など「量」を決定する因子です。 複数の遺伝子(~数千)が協調して働き、一つ一つがわずかな量の多寡を決定します。 一つが欠けても形質に大きな影響はでず、さらにその形質は環境の影響も受けるので、 解析して特定するのが非常に難しい遺伝子です。 (全ての遺伝子が必ずどちらかに分類できるというわけではありません) (特定の量的形質が別の質的形質を決定することもあるので…) 大事なことは、質的遺伝子の排除・導入は容易で、 逆に量的遺伝子の排除・導入は困難だということです。 現状として、都合の悪い質的遺伝子は排除されてきましたが、 逆に、都合の悪い量的遺伝子が近親交配により蓄積していっています。 その結果として、再妊娠可能回数などに顕著な影響が出ています。 これらを解決するのが現代育種学の最重要課題の一つだと言えます。。
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- C-elegans
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No.4です。誤字がありましたので訂正です。 199/200→199/400
- C-elegans
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近親交配のデメリットは現場も認識しているので、 親子関係という近すぎる血縁関係間の交配は避けていると思います。 全くないとは言い切れませんが。 近親交配のデメリットとは何なのか知るためには、 まず「優性遺伝子」と「劣性遺伝子」の概念を知らないといけません。 良く世間で誤解されていることですが、この「優性/劣性」というのは、 「生存に有利/不利」を意味するものではありません。 2倍体生物は父由来母由来の遺伝子をそれぞれ1つずつ受け継いでおり、 2個で1つの形質(体の形、色等のこと)を発現します。 この2個1セットの遺伝子座に、両親からそれぞれ別々の遺伝子を受け継いだ場合、 一方に優先する方を「優性遺伝子」優先される方を「劣性遺伝子」と定義します。 生物学に馴染みのない方だと、何のことかさっぱりですが、 身近な例でいえば血液型がそうです。 人間の血液型のうち、A,Bが優性遺伝子、0が劣性遺伝子です。 両親からそれぞれ、A型、O型遺伝子を受け継いだ場合、 子の遺伝子型は「AO」つまり「A型血液型」になるわけです。 劣性のO型遺伝子がO型血液型として発現するためには、 遺伝子型は「OO」、つまりもう一方の方親からもO型遺伝子を受け継ぐ必要があります。 「優性/劣性」と「生存に有利/不利」とは本質的に関係ないのですが、 生存に不利な条件を発現する遺伝子(以降「負因子」と呼称)の多くは劣性遺伝子です。 何故かと言うと、優性の負因子は「必ず」個体生存に不利な形質を発現するので、 自然にその集団内の遺伝子プールから淘汰・排除されるからです。 一方で、劣性の負因子は優性の正因子(生存に有利な遺伝子)とセットになることで 個体生存の妨げにならず、遺伝子プール内で一定の割合で存続することができます。 さて、近親交配の何が問題なのかというと、まさにこの「劣性の負因子」が問題なのです。 例えば、特定の集団内において、特定劣性負因子(X)を持つ個体が100頭に1頭だと仮定します。 (X)を持つ個体(A)が、集団内のランダムな個体(B)と自然交配すれば、 その子(C)にその負因子が発現する確率は、 AからXを受け継ぐ確率×BがXを持っている確率×BからXを受け継ぐ確率 =1/2×1/100×1/2 =400分の1 となります。 またその子(C)が負因子を発現せずに保持している確率は Aから受け継ぐ×Bから受け継がない+Aから受け継がない×Bから受け継ぐ 1/2×99/100+1/2×1/100×1/2 =199/200 =約2分の1 となります。 もし、AとCが近親交配すると(計算略)その子が負因子(X)を発現する確率は、 自然交配に比べて約50倍、つまり8分の1程度に上昇するわけです。 遺伝子の受け渡しとは数字が1~数万まであるババ抜きみたいなものです。 いくつかの数字はそろってしまうと死んでしまいます。 両親は子に、それぞれ手持ちカードの半分をコピーして渡すわけなので、 親と子(そして親戚)は同じ数字を持っている確率が高く、 近親交配すると「そろってはいけない数字」がそろう確率が高いのです。 (一応「劣性の正因子」も数多くあるので、近親交配した方がいい部分もあります) ※ 近親交配のマイナス面を具体的にこれだと断言することはできません。 生存に不利な遺伝子(劣性遺伝子)とは、 基本的に生存に必要な遺伝子が多少壊れた遺伝子であり、 そのパターンは天文学的数字になります。 それぞれのパターンごとに異なる結果があり、 いくつかの遺伝子が協調して、また別の結果を生み出します。 奇形や病気はその結果のごく一部に過ぎません。 ※ DNA検査技術以前にも育種によって遺伝子の人為的淘汰が為されてきているので、 家畜において、危険な劣性遺伝子はかなり排除されてきています。 また危険因子を発現せずに保持しているだけの個体でも、 その因子を持っているかどうかは簡単に推測できるので、 交配させないことで次世代への遺伝子伝播を防ぐことができます。 人間の場合は「断種」等が非人道的という批判もあるので、 人為的淘汰が難しい側面があります。 「遺伝子病」などでググると詳しいことが分かります。
お礼
まだ全部を理解するに至っていませんが 失礼を承知で自分なりに納得とすると 上部の数行からは、近親交配に配慮しているので危惧はない 中段の数行からは、自然交配に比べて約50倍の負因子を発現 後尾※の部分からは、簡単にまとめることはダメということでしょうか 今後の勉強につながりました、ありがとうございました 更に疑問を出すには、別立てしないと出来ないのでしょうかね? ありがとうございました
- potachie
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ヒトは種としてまだまだ安定していません。そのため、奇形率がものすごく高いんです。 それに対して偶蹄目の牛をはじめとして、多くのほ乳類は種として既に安定しています。 例えば、サラブレットはオス血統を遡るとたった3頭の祖先にしかたどり着きません。(他の系統は途絶えたとされています) ヒトの感覚で、先輩の種である他のほ乳類を考えること自体が間違いなのかもしれません。
お礼
種の安定ということ とても勉強になりました 有り難うございました
- TarChang
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こんにちは。 当然ありうる事だと思います。 個人的な意見ですが、先の質問で書いた様に サシが異常に多い肉が、優性遺伝か劣性遺伝かが 分かっていないんですよ。 人間の都合で優勢にしているだけ。 それに、肉牛としての出荷年齢は3~6歳です。 2歳頃にはオス牛は去勢もされます。 牛の寿命は20年以上と言われていますので 何かが起きる前の出荷って事が十分考えられます。 人間に対してってのは、2月頃ツタンカーメンに対する 最新学説(?)が発表されたのはご存知でしょうか? 足やマラリアに加え、「もともと丈夫ではなかった」の 原因が度重なる近親結婚に有ったと結論付けています。 なんか凄い書き様にも取れますが“どちらかと言うと豚派”な私ですが “牛肉”も食べてます。 お間違いの無い様に・・・ ココで小言を・・・ 新しい質問をされる前に、回答の付いている前回の質問に お礼くらい入れるべきだと思います。 *締め切れとは言いません。
お礼
失礼しました お礼が先でした 前にお礼を入れると閉め切られたことがあって とても勉強になりました
はじめまして、よろしくお願い致します。 >この結果のマイナス面、奇形とか病気因子とかはあり得るのでしょうか? わたしは、ありえると思います。 実際に、鈴虫を飼っていたことがありますがたまに違うことろの鈴虫を入れてあげないと 全滅する場合があります。 奇形などあったら、はじかれて成牛までなれません。 ご参考まで。
お礼
鈴虫の例 とても勉強になりました
お礼
下の論文、まだ全部を理解するに至っていませんが 失礼を承知で自分なりに納得とすると 上部の数行からは、近親交配に配慮しているので危惧はない 中段の数行からは、自然交配に比べて約50倍の負因子を発現 後尾※の部分からは、簡単にまとめることはダメということでしょうか 今後の勉強につながりました、ありがとうございました 更に疑問を出すには、別立てしないと出来ないのでしょうかね? ありがとうございました