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重複訴訟の先行型と後行型を区別する学説について
重複訴訟の先行型と後行型を区別して、相殺の主張に対して142条の類推適用を考えるという説があります。 この説の説明部分で「請求が先行する場合は、別に考えることができる。この場合に重複訴訟 の禁止の定めが類推されるならば、相殺の抗弁を提出するには、先行した請求を取下げるしかない。しかし、取り下げには相手方の同意が必要である。となれば、相殺の担保的機能が奪われるおそれがある。」というところの、「しかし…相殺の担保的機能が奪われるおそれがある。」の部分が理解できません。この学説に精通している方がいらっしゃいました。詳しく解説していただけませんでしょうか。
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相殺の「担保的機能」という言葉は、民法のテキスト(債権総論)を読むとでできます。債務者が無資力の場合、強制執行をしたって、債権を回収することはできません。(無い袖は振れぬ)しかし、相殺をすれば、事実上、債権を回収したのと同じになります。これが相殺の担保的機能です。 重複訴訟の先行型と後行型を区別すべきだという説は、前訴の相手方が取下に同意しない場合、仮に前訴の請求が認容されたとしても、相手方の無資力により強制執行が失敗に終わった場合、相手方からとりはぐれたあげく、後訴では、相殺の抗弁が却下された結果、相手方の請求が認容されて自分が強制執行を受けることになりかねないので、相殺の担保的機能が奪われるおそれがあるということです。
お礼
なるほど。よく理解できました。