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結合エネルギ-から生成熱を求める式について
結合エネルギ-から生成熱を求める際に、「生成物の結合エネルギ-の和-反応物の結合エネルギ-の和」と説明されているのですが、そのまま計算すると、生成熱がマイナスになってしまいます。しかし、答えは+の熱量になっています。これは、どう解釈したらよろしいのでしょうか? たとえば、アンモニアの場合、1/2・N2+3/2・H2=NH3+x kJ ですが、これがx kJ=(NH3の結合エネルギ-)-(1/2・N2の結合エネルギ-+3/2・H2の結合エネルギ-)となっています。 x kJを左辺に移動すると、-(x kJ)になると思うのですが、いかかでしょうか?
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「結合エネルギー」と「生成熱」がどのように定義されているかに注意が必要です。 今手元に教科書が有りません。 多分教科書にあるものと同じだろうというサイトを探しました。 http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/oka/2008/08ko-034.html# これで見ると次のようになっています。 (あなたの持っている教科書に書いてあるものと比べてみて下さい。) 結合エネルギー:共有結合を切るとき必要なエネルギー 結合1molあたりの値で示す 生成熱 :物質1molがその成分元素の単体から生成するときの反応熱 違いは分かりますか。 A⇒B という変化(反応)が起こった時、この変化の結果出てくる熱が「反応熱」です。 熱が出てくれば反応熱は「正」になります。 H2+(1/2)O2=H2O+QkJ と書けばQ>0です。 これはH2の「燃焼熱」と考えてもH2Oの「生成熱」と考えても同じです。 熱が出てくるのですから発熱反応です。等号を使って書いてあるのはそれぞれの物質の持っているエネルギーを比較しているということです。それぞれの物質1molのエネルギーをE(H2)、E(O2)、E(H2O)と書くと意味がはっきりします。 E(H2)+(1/2)E(O2)=E(H2O)+QkJ エネルギー図はこの関係を表しています。 H2Oのエネルギーの方が低いのです。 発熱反応では生じた物質のエネルギーがいつも低くなっています。 結合エネルギーは結合を切るのに「必要な」エネルギーです。 変化を起こすために必要なエネルギーと変化の結果出てくるエネルギーとは違いますね。 結合エネルギーが正(q>0)であるというのは結合を切るためにはエネルギーが必要であるということですから切れた後の状態のエネルギーの準位の方が高いです。 E(H2)=2E(H)-qkJ になります。 「反応熱が正である」という場合と「結合エネルギーが正である」という場合、熱化学方程式の中での符号は逆になっています。
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- NiPdPt
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熱化学方程式の表記と、「生成物の結合エネルギ-の和-反応物の結合エネルギ-の和」の説明を同一視して計算することはできません。それが符号の違いの原因です。 言い換えれば、熱化学方程式は「N2の結合エネルギー+H2の結合エネルギー=アンモニアの結合エネルギー+反応熱」と言う意味ではありません。熱化学方程式におけるN2というのはN2の結合エネルギーではなく、むしろその内部エネルギーとでも言うものです。結合が強いほど安定であり、それは内部エネルギーが低いことを意味します。なので符号が逆になるのは当然です。
お礼
そうですか。熱化学方程式と結合エネルギ-の式を、つい同じように理解していましたが、結合エネルギーの場合は、「エネルギ-的」な考えで理解しなければいけないわけですね。ありがとうございました。参考になりました。
お礼
なるほど、反応物の結合エネルギ-はマイナス、生成物が結合する際は発熱するのでプラスになるわけですね。つまり、生成熱=-反応物の結合エネルギ-の和+生成物の結合エネルギ-の和、ということですね。大変わかりやすい解説をどうもありがとうございました。何とか、理解することができました。