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PCR装置 技術の特徴
PCR装置。DNAに対して、 設定した温度や時間を管理するそうですが、どのへんがこの装置の技術のすごいとことなのですか?また、どこで、何によく使われるのですか 専門外でよく分からないのですが、教えてください。
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No.2の回答に補足して。 (1)の変成温度を94℃、(2)のアニール温度を55℃、(3)の伸長温度を72℃と仮に設定します。 そういう設定でPCR反応をする場合、極端な話、PCR装置がなくても94℃、55℃、72℃に設定したウォーターバス(恒温槽)を3つ用意して、ストップウォッチで時間を計りながら3つのウォーターバスに次々と検体(もちろん酵素も)が入ったチューブを浸けていけば、PCRを行うことはできます。 もちろんそんなことは誰もやりませんが、昔の遺伝子工学黎明期には、それに近い"PCR装置"はありました。 つまり、No.2の回答にもあるとおり、PCR反応、つまり「目的の遺伝子断片を増幅させる」のは、装置ではなく酵素がやっていることなのです。 つまり、ほんとうにすごいのは、装置ではなく酵素などのケミストリーです。 もちろん装置もすごいのですが、それは「極めて高精度のプログラム恒温装置」だということです。 例に挙げたプログラムだと、 94℃ , 30秒 55℃ , 30秒 72℃ , 30秒 これを35サイクル というようなプログラムを組みます。このそれぞれの温度の精度も重要です。特に55℃のアニール温度はプライマーの配列によって細かく設定を変えるのですが、どんなに設定しても装置が正確にその温度にしてくれないと増幅しなかったり目的以外のDNAが増幅してしまったりします。 また、この「温度」ですが、ブロックの温度が正確に55℃になってもあまり意味がありません。肝心なのはチューブ内の検体が55℃になることです。 というわけで、PCR装置には、チューブ内温度が何度になるかを演算して求める機能があり、我々が何も考えずに「55℃」という設定をすれば、ちゃんとチューブ内温度を55℃にしてくれています。 (と信じているのですが、チューブ内にセンサーを入れて測定してみるとがっかりすることも多々あります) もうひとつ。 例えば55℃から72℃に温度を上げるとき、また94℃から55℃に温度を下げるときですが、この昇温、降温に時間がかかってしまえば、全体の反応時間にも大きな影響を与えますが、それより中途半端な温度域にある時間が長くなると「余計な反応」が起きてしまいます。 ですから、できるだけ高速に昇温、降温する機械が良いわけです。 というわけで、PCR装置は「極めて高性能のプログラム恒温装置」なわけです。 PCRという技術は、現代の遺伝子工学のほとんど全ての場面で使われる技術なので、このPCR装置(サーマルサイクラーというのが通常使われる名称です)は、ほとんど全ての生物系の研究機関や検査機関で使われています。
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- Hayate03
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PCRでは、 (1) 高温でDNAの2本鎖を1本鎖に変性させる。 (2) 温度を下げて、1本鎖DNAにプライマーと呼ばれる 短鎖のDNAと塩基対を形成させる。 (3) DNA合成酵素で、プライマーを起点にDNAを複製する。 この(1)~(3)を繰り返して、目的のDNAを増幅します。 この技術のすごいところは、装置ではなく、(3)で使うDNA 合成酵素に、耐熱性の細菌由来の酵素を使ったところです。 普通の酵素だと(1)の高温処理で変性して活性を失ってしまい ますが、耐熱性の酵素なら、活性を保ったまま、(1)~(3)の サイクルを重ねる事が出来る訳です。 もちろん装置自体に投入されている技術も軽視して良い訳で はありませんが、PCR技術の肝は、耐熱性のDNA合成酵素を この反応に使うというアイデア自体です。
- tyoukaifusuma2
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すごいところ:ごく微量のDNAを、短時間で大量に増幅できる。 どこで:大学の研究室や警察などの捜査機関など。 何に:研究室でDNAを研究したいときに、同じDNAが大量に必要です。 ふつうに考えると、細胞の核から地味に1つ1つ抜き取る作業が必要になります。 しかしPCR装置があれば、少しのDNAを最初に抜き取れれば、後は自動で 大量に増幅してくれるんです!
補足
ありがとうございます。機器、そのもののエンジニアリング的に優れている点は、何かわかりますでしょうか?どんな技術があるからこの機器が出来たか?という点を知りたいのですが。もし分かれば。