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体論に出てくる根体とは
森田康夫「代数概論」p183に根体というのがあります。他の文献では殆ど見かけませんが、必要なものでしょうか。また、その下の命題1.6の証明で剰余環が体になる所までは分かったのですが、定義により明らかというところがよく分かりません(根体が存在することの証明です)。ググっても根体自体説明があまり出てきませんでした。何れかでもよいのでお答えいただければ大変助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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No1です。補足します。 >根体という字面からK上の多項式の根を付け加えて作るように思っていたのですが、 まさにおっしゃるとおりです。 >多項式環の剰余環が出てくるのはまだちょっとすっきりしないところがあります。。 例えば、複素数体Cは、実数体上の多項式環R[x]の既約多項式 x^2 + 1 が生成するイデアルで割ってできる環 R[x]/(x^2 + 1)(この場合は体になる)と同一視できるということを考えれば、剰余環が出てくる事がそんなに突拍子もないことではないと考えることができると思います。
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- metzner
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こんにちは。 まず根体の定義は、 K を体とし、 K[x] を K係数多項式環とし、f(x)\in K[x] を既約多項式とする。 この時、体 M が f(x) の根体であるとは、 (1) M > K ( >は含むの意味です) (2) あるθが存在して、M = K(θ) ( M は K にθを付加してできる体である) (3) f(x) = c*Irr(θ,K,x), c\in K です。よって M = K[x]/(f(x)) として上の定義を確かめればいいわけです。 (1)は、0次多項式はKとみなせるので、明らかです。 (2)は、θ として θ = [x]\in M = K[x]/(f(x)) とすると、f(θ)=f([x])=[f(x)]=[0] であるので、f(x)の根であることが分かります。 また K(θ) = K[x]/(f(x)) であることも容易に分かります。 (3)は、 Φ: K[x] -> M = K[x]/(f(x)) を g(x) \in K[x] に対して、g(θ)= g([x]) =[g(x)] で定めた時、 kerΦ = {g(x)\in K[x]: g(θ)=[g(x)]=[0]} = {g(x) \in K[x]: g(x) \in (f(x))}=(f(x)) であるから明らかに分かります。 すなわち、 Irr(θ,K,x)=f(x)をその最高次数の係数で割ったもの となります。
お礼
単項イデアルだから定数倍が付く感じですね。納得しました。詳しい説明を付けて下さりありがとうございます。 根体という字面からK上の多項式の根を付け加えて作るように思っていたのですが、多項式環の剰余環が出てくるのはまだちょっとすっきりしないところがあります。。
お礼
なるほど!疑問が文字通りに氷解しました!言われてみればその通りですね。 また勉強が進められます。ありがとうございました。