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破産手続における債権の取り扱い
どなたか、この文章を素人でも分かるように解説していただけないでしょうか。 ひとつひとつの言葉が難しくて、調べたのですが難解で諦めました。 http://homepage2.nifty.com/NUGW-ishikawa/soudan/tosan/hasan.html このHPの「2.破産手続における債権の取り扱い」の1. に書かれている文章です。 よろしくお願い致します。
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困った文章ですね。いくつかの違う話が一緒くたに詰め込まれています。 まず,別除権という言葉ですが,これは,破産者に対する債権が,破産者の財産にその債権を被担保債権とする担保権(主として抵当権又は根抵当権)を有している場合の,その担保権のことをいいます。破産宣告によって,破産債権は破産手続によらない限り,すなわち破産管財人から配当を受けるという方法によらないかぎり取り立てることができないのですが,別除権付破産債権については,別除権の実行に限って破産手続によらずに行使できる,すなわち破産管財人の意向にかかわらず,債権者の方で勝手に競売の申立てをすることができるということです。 次に,破産者が自分の不動産等に他人に対する債権を担保する抵当権を設定していた場合(すなわち物上保証人である場合)には,これは,被担保債権自体が破産債権ではありませんので,債権者は,自由に(破産管財人の意向にかかわらず)抵当権の実行(すなわち競売の申立て)ができます。 第1文は,この2つの意味を有しています。別除権に限っているような標題とは,内容がずれています(より広い問題を取り扱っている。)。 第2文に,「なお」でつながるのは,国語としておかしい文章です。これは,第1文とは関係のない話です。 民法の原則では,債権譲渡の対抗要件は,通知又は承諾であり,これを第三者(破産管財人も第三者といわれています。)に対抗するには,その通知又は承諾に確定日付がなければならないとされていました。債権譲渡特例法は,そのような対抗要件の他に,債権譲渡登記という方法によっても対抗要件を備えることを認めたものです。 例えば,もともとは破産者の所有であったが,破産宣告の前に他人に譲渡された不動産が,破産宣告によって破産管財人の支配下にはいるかどうかは,登記名義が他人に移っているかどうかによって決まります。破産宣告よりも一瞬でも前に,所有権移転登記がされていれば,その不動産は,破産管財人の支配下には入らないということになるわけです。 これと同じように,債権についても,対抗要件を備えるのが,破産宣告の前か後かで,その債権が破産管財人の支配下にはいるかどうかが決まるということになります。第2文は,債権譲渡の場合には,債権譲渡登記という方法で債権譲渡の対抗要件を備えているものがありますよ,ということを述べたものです。その意味で,第1文とは意味のつながりはありません。 第3文ですが,これは,破産法にいう「否認権」について述べたものです。否認権は,破産債権者の公平をはかるために,破産管財人に説くに認められた権利です。例えば,破産状態になった後で,ある特定の債権者の債権だけを支払って,後の債権者には支払わなかったため,その特定の債権者だけが得をしたという場合には,破産管財人は,その特定の債権者からお金を取り返して,そのお金を他の債権者のための配当に回すことが得きる,ということです。これは,お金の支払いだけではなく,例えば,不動産を売却したのが破産宣告よりも随分前なのに,登記をしないまま放置し,破産宣告の直前に慌てて登記をしたというような場合には,やはりこれも債権者の平等に反することだとして,その登記を否認することができるのです。これと同じことが,債権譲渡登記にもあるということを述べたものが,第3文です。 これも,第2文とは直接の意味上のつながりのある文章ではありません。
お礼
質問させていただいた内容に関しては、よく解りました。 詳しく、そして解り易くご説明いただき感謝します。 ありがとうございました。
補足
>破産宣告よりも一瞬でも前に,所有権移転登記が >されていれば,その不動産は,破産管財人の >支配下には入らないということになるわけです。 もし、財産のすべてが根抵当権設定された不動産だけで、 強制執行によって、競売にかけられ不動産が抵当権者へ移転登記されたら、その後に破産宣告しても分配する財産がない。 ということになるのですか? 財団債権にも支払う現金が無い。ということになるのですか?