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ロシア語 「デャヴォル」で軟音記号を用いる理由
ロシア語には "дьявол" (d'javol) という単語がございます。 私の感覚としては、 я の前が軟子音・硬子音のどちらなのかを示すには дя / дъя で十分に弁別可能だと思います。 と申しますのは、 я は軟母音なのですから、 д の発音時点から軟子音 я の舌の位置に持っていく方が楽だからです。 Пётр (p'otr) の様に、軟母音の前に余分な記号が無ければ、通常は軟子音で読む筈です。 軟音記号がすごく邪魔に思えるのですが、何故軟音記号があるんですか? ご存知の方、どうかお知恵を拝借していただけないでしょうか。 よろしくお願いいたします。
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微妙ですが дья と дя では発音が違います。前者は「ヂヤ」後者は「ヂャ」発音記号では дья [d'ja], дя [d'a] です。дя が [dja] でないことに注意してください。 ъ が別名分音符と言われますが、ь も分音符として機能します。семья と семя の違いもアクセント位置だけでなく前者は [m'] と [ja] の間に切れ目があります。 ロシア語の軟母音字には二つの役割があり、単独では半子音 [j] を伴った母音(и だけは単独でも [i] と発音されます。強調されたとき [ji] となることもあるようです)、子音字の後ろに来るときは “子音を軟音化し自身は母音だけ” となります。дя が [dja] ではなく [d'a] というのはこのことです。дья において я の直前に子音字はありませんから я はそれ自身 [ja] の音を持ち、д は ь によって軟音化されています。一つの文字が場所によって二つの音価を持つというロシア語の綴りの不備な点です。 この綴りは семья 以外* では外来語で、原語の -ia- の部分がこのようになることがあります。 дьявол (diabolos**) брильянт (brilliant***) Вильямс (Williams) -ia- のところで i が独立した母音で i+a と2音節をなさず半母音の [j] に近くなっているときこれを写そうとすると ия と я の中間的な ья となるのも頷けます。 (* семья がこうなった由来は分かりませんが、ь は(ъ も)元はれっきとした母音字ですからもともとあった母音が弱まった結果かもしれません) (** 古典ギリシア語では ia は [ja] となりませんが時代が下ってくると [ja] になりました) (*** бриллиант というロシア語としてはやや不自な綴りもあります。特に иа の部分)
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- trgovec
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>日本人にとっては「デャ」の「y」の音が一拍長く発音された様な感覚なんだろうな、と感じましたが、こう考えてよろしいものでしょうか。 それでいいと思います。軟母音字の前にある ь は限りなく母音に近い音、言い換えると非常に短い「ィ」という感じがします。同様に подъём の дъ の ъ も非常に短い「ゥ」に聞こえます。
お礼
なるほど!了解しました。丁寧に何度も答えて下さってありがとうございます。ぺこぺこ。
- trgovec
- ベストアンサー率52% (2538/4879)
#1です。先の回答で ь+軟母音 が外来語に多く見られるような書き方をしましたが、воскресенье などに見られる中性名詞語尾 -нье、сыновья の不規則な複数形の語尾など本来語にもありますね。
お礼
発音自体違うということで、認識を改めます。ご回答ありがとうございます。
補足
日本人にとっては「デャ」の「y」の音が一拍長く発音された様な感覚なんだろうな、と感じましたが、こう考えてよろしいものでしょうか。