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力学の問題
物理の力学の問題について教えて下さい。自分は力学が苦手で解き方がイマイチ分からず、かなり苦戦してます。助けて下さい。 水平でなめらかな床と,床に垂直で互いに平行な2つの壁がある。この床の上で,大きさの無視できる小球1と小球2の運動を考える。図は床と壁に垂直な断面を表し,2つの小球はこの断面内で運動するものとする。2つの壁の間の距離L,小球1と2の質量をそれぞれm,2mとする。はじめ,小球2は左の壁から距離aの位置で静止しており,小球1は左から小球2に向かって速度v>0で等速度運動していた。その後,小球1と2は衝突をくり返した。小球1と2の間,小球と壁の間の反発係数(はね返り係数)は1とする。 (1)小球1と2が1度目の衝突をした直後の速度をそれぞれv1,v2とする。運動量保存の法則よりv1,v2,vの間には□□の関係が成り立つ。また,2つの小球の間の反発係数が1であるから,v1,v2,vの間には□□の関係がある。これらをv1,v2について解くとv1=□□,v2=□□と求められる。 (2)小球どうしが1度目の衝突をした後,2つの小球はともに壁ではね返って左の壁から距離bの位置で2度目の衝突をした。bはa,Lを用いて□□と表される。小球どうしが2度目の衝突をさた直後,小球1と2の速度はそれぞれ□□,□□である。 (3)このとき,a=bであれば,小球どうしの3度目の衝突は1度目の衝突と同じ位置,同じ速度で起こり,2つの小球は周期的な運動を行う。その周期はL,vを用いて□□と表される。a≠bであっても,2つの小球は周期的な運動を行う。この場合,2つの小球は小球どうしの□□度目の衝突で初めて1度目と同じ位置,同じ速度で衝突する。よって,周期はL,vを用いて□□と表される。 PS 力学の文が長くて、どの数字が必要なのか分かりません。コツが有れば教えて下さい。
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- gtmrk
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県民の日で仕事がお休みなので、 ちょっと気合いを入れて解説してみます。 なかなか骨のある問題ですね。 かなり長いですが、頑張って追ってみて下さい。 ######## まずは衝突の前後でこの系の運動量保存の式を立てましょう。 速度は全て右向きを正として考えます。 (1) m*v + 2m*0 = m*v1 + 2m*v2 ⇔ v = v1 + 2(v2) です。また、小球1, 2の反発係数が 1 ですから、 (2) -(v1 - v2)/(v - 0) = 1 ⇔ v = v2 - v1 (1)(2)を連立方程式として解けば、v1, v2 が求まります。 v は定数として考えて下さい。すると、 (3) v1 = -v/3 (4) v2 = 2v/3 と求まるはずです。ここで注意して欲しいのは v1 の符号です。 速度は全て右向きと仮定していますから、 負ということは v1 は『左向き』ということです。 さて、ここからは添付の絵を見ながら考えて下さい。 【ぶつかった瞬間を時刻 t = 0】 としましょう。 また、小球1が左の壁で跳ね返ってから 【再びぶつかる時刻を t = t2】【その位置を b】としましょう。 すると t2 は、 (5) t2 = (a+b) / |v1| となります。これは絵を見て納得して下さい。 (符号を厳密に考慮するよりそっちの方が楽です。) 壁での跳ね返りは、速度の向き(符号)が変わるだけです。 壁との反発係数も 1 ですので。 同様に、小球2が右の壁で跳ね返ってから再び衝突する時刻は (6) t2 = {(L-a) + (L-b)} / |v2| と表せます。2回目の衝突は小球1, 2で当然同時ですから、 時刻は同じ t2 です。よって、(5)(6)を連立して (7) (a+b) / |v1| = {(L-a) + (L-b)} / |v2| ⇔ 3(a+b) / v = 3{(L-a) + (L-b)} / 2v ⇔ b = 2L/3 - a のように b が決まります。 位置 b で衝突した直後の小球1, 2の速度 v1', v2'は、 最初と同様に運動量保存および反発係数の式から計算します。 壁との衝突が起きた後なので、 速度が逆符号になっていることに注意しましょう。 (8) m*(-v1) + 2m*(-v2) = m*v1' + 2m*v2' ⇔ -v = v1' + 2(v2') (9) -(v1' - v2')/(-v1 + v2) = 1 ⇔ v = v2' - v1' これらの連立方程式の解として、 (10) v1' = -v, v2' = 0 が得られ、一番最初の速度に戻ってしまうことがわかります。 小球1 の速度が逆ですが、壁で跳ね返ってくれば元通りですよね。 さてさて、お気づきの通り、位置 b が a と同じ位置ならば、 状況は完全に元通りになるでしょう。 (7)式を用いて、 (11) a = b = 2L/3 - a ⇔ a = L/3 となりますから、a がちょうど L の 1/3 の位置なら 全く同じに繰り返す状況を作り出せることがわかりました。 ではその【周期性】を考えてみます。 ● はじめ、小球2は静止している。 ● 1回目の衝突後、小球2は動く。 ● 2回目の衝突後、小球2は静止する。 ● 3回目の衝突後、小球2は動く。 ● 4回目の… ということで、その周期とは、 どうやら1回目の衝突から3回目の衝突までの時間のようです。 2回目の衝突までの時間はすでに得ています。 そう、t2 ですね。 では、3回目の衝突の時刻 t3 を求めましょう。 これは簡単で、再び絵を見てもらえばわかるとおり、 (12) t3 = t2 + 2b / |v| = 3(a+b) / v + 2b / v = (3a + 5b) / v です。ただし(5)式を使いました。 今、(11)式より a = b = L/3 ですから、t3 は結局 (13) t3 = (8/3)(L/v) = T となります。これがこの運動の周期です。 速度 v が2つに分かれて距離 L の空間を1往復(2L)し、 その後 2L/3 走るわけですから、 考えてみれば当然なわけです。 では、a≠b のときはどうでしょうか? 2回目にぶつかる位置を b2 と置くと、(7)式から当然 (14) b2 = 2L/3 - a とおけます。では b3 は? そう、小球2 が止まっているわけですから、 再び同じ位置で衝突するはずです。すなわち、 (15) b3 = b2 です。この衝突で小球1, 2は1回目の衝突後の速度に戻ります。 よって、4回目の衝突位置は、(14)式の a を b2 (= b3) に置き換えて (16) b4 = 2L/3 - b2 です。以上より、n 回目にぶつかる位置 b_n は、nを自然数として (17) b_2(n+1) = 2L/3 - b_2n (2(n+1), 2n は b の添字) (18) b_2n+1 = b_2n という漸化式で表されることがわかりました。 漸化式(17)は (19) b_2(n+1) - L/3 = -(b_2n - L/3) と変形できるので、(b_2n - L/3) という数列が 公比を -1 とする等比数列と見なすことで解くことが出来ます。 すなわち (20) b_2n = (a - L/3) * (-1)^n + L/3 (n は自然数) です。ようやく衝突位置 b の一般式が求まりましたね。^^; この式から、最初の位置に戻るのが何回目の衝突後かわかります。 b_2n = a とすればよいですから、 (21) a = (a - L/3) * (-1)^n + L/3 ⇔ 1 = (-1)^n ⇔ n = 2, 4, 6, … この n は、b4, b8, b12, … にそれぞれ対応していますから、 はじめて最初の位置に戻るのは『4回目』の衝突後です。 しかし、運動の周期性を考えると、 4回目の衝突のとき、小球2は動いています。 1回目の衝突のとき、小球2は止まっていましたから、 1回目と位置も速度も全く同じになるのは『5回目』です。 漸化式(18)から、b5 = b4ですから、 位置も確かに4回目と同じなので、それで OK です。 というわけで、5回目の衝突が起こる時刻 t5 が どうやらこの運動の周期のようです。 これを求めましょう。 (12)および(20)式より、 (22) t3 = (3a + 5b2) / v = 10L/3v - 2a/v です。t5 はここからさらに、 初期位置 b2、終位置 b4 とした時間を足せばよいので、 (23) t5 = t3 + (3b2 + 5b4) / v = 10L/3v - 2a/v + 2L/v + 2a/v = (16/3)(L/v) = 2T となります。 初期位置 a に依らず(13)式のちょうど2倍になりました。 走る距離が2倍なのですから、納得の結果でしょう。 非常に長くなってしまいましたが、 この問題をしっかり解こうと思ったらこんな感じでしょう。 ただしこの問題、ちょっと設定が甘い気もします。 もし初期位置 a が 2L/3 よりも大きいと、 問題の意図するような周期運動にはきっとなりません。 小球1が壁にぶつかる前に小球2に追いつかれてしまうからです。 この解説ではそれには目をつぶることにしました。 ######## 最後に。 私は一応物理の教育にもほんの少しだけ携わっている者ですが、 その経験上言えることは、 『絵を描かない子は出来るようにならない』 ということです。特に高校物理の力学などそれが顕著だと思います。 大切なのはイメージです。 落書きでよいですから、とにかくまず絵を描いてみて、 問題を読み進めつつその絵を汚し、 ちょっとずつ状況をつかんでいくことが大切です。