私は文法勉強あんましやらない人間ですが、一応トライしてみます。
itとthat(とthis)は、文法的分類としてはitが人称代名詞、thatが指示代名詞として、別のカテゴリーになっています。使い方としても、「指示」という言葉が示すように、「何かを指し示す」ようなニュアンスがあり、itにはそれが原則としてありません。
使い方も、差異が明確な場合があります。
○ That photo is good.「その写真はいいね」
× It photo is good. → これは言えない。he, sheと同じ類ということで人称代名詞
どうも、thatは定冠詞theと共通する面があり、itにはそれがないということのようです。まあ、これはあまり重要ではないのでしょうけど。
しかし、It's a pen. も That's a pen. も成り立ちます。penさえ、ある程度離れた距離なら、事実上、同じでしょうね(近ければthatが、兄弟分の指示代名詞thisになるだけ)。
さらにしかし「それが正しい」は、That's right. は言っても、It's right. は見かけないようです。
また応答では、Is this a pen? に対しては、Yes. it's a pen. は言いますが、Yes, that's a pen. は、おそらく普通は言わない感じです(thisとthatで、状況として距離感は合ってるんですけど)。
感覚的な物言いで申し訳ないんですけど、以上のことはthatが主語のときに強くでてくる、ある感じに基づくように思っています。それは、身振り手振りを加えるならば、itは何もしないで言うけど、thatは指さして言う感じです。指示、という言葉通りですね。
控えめなitと、押しの強いthatという感じです。
That's right. も、「それ」が意図したいこととしてまず出てきますから、指示したい気持ちがあるはずです。itでは、なんとなく状況を指してしまいかねません。逆に、単に同意するだけの、Yes, it's a pen. で、itをthatに変えると、単に同意している以上の何かを感じます。もし、No, that's a pen! はあり得なくないかんじです。「違うよ、それってペンだよ」と指摘する感じも必要なこともあるでしょうから。
もちろん、区別できないこともある、とっちでもいいということも、よくあります。
会話では強勢次第ですけど、書き言葉で文脈なく、
"I'm relieved to hear that."
"I'm relieved to heat it."
だと、私個人的には、あまり差異を感じません。英語、特に英会話では、大事なことほど先に出て来ることが多く、話はI'm relievedを伝えて、おもむろに何についてか言っています。ですので、最後尾のthat, itに差異を感じにくいのだろうと思います。
経験上は、thatがitでも変な顔はされないはずです。むしろ、thatを使うと、そこに強勢を置いて、「そこについては」安心したと、限定的になり得ると感じます。もちろん、強勢を置かなければ、itとの差異は単に表現の綾程度で気にしないと。
文脈次第ではあるし、会話なら強勢まで加わるし、説明しにくいので感覚的に終始しました。「それじゃ、分からん」と言われるのは、充分あり得るとも覚悟して、それでも、できるだけ感じるところを説明に近づけるようにしてみました。
お礼
詳細なご考察と回答ありがとうございます。 ご説明を読んでいてふと思ったのですが、この that は関係代名詞的な扱いなのではないかと 感じました。そうすると it ではなく that であることが腑に落ちます。つまり、it は物質的 なものや指差しできるような何かを示し、that は意味や内容などより抽象的な内容を表すのに 適しているのではないかという感じでしょうか。もちろん、ご指摘のように文脈でも変わるの でしょうね。 たいへん参考になりました。