例えば、民法では、昔から「通説」といえば、我妻榮博士の見解です。全ての分野ではありませんが、多くの分野で我妻榮博士の考え方が「基本」となっていました。つまり、通説とは、かなりの程度において普遍性ある仮説のことをいいます。
しかし、通説も、時代の変化とともに解釈が変遷するに従い、それ相応の手直しが施されます。だから、仮説なのです。しかしながら、通説と呼ばれるほどの学説は、50年くらいは続きます。
他方、「有力説」とは、通説に対する反論あるいは疑問として提示された考え方のうち、一般的にその普遍性を認知されていないものの、通説を批判する点にかなり説得力のある理由付けが施された学説のことをいいます。ですから、少数でも、有力説となり、そのうち、多数説になるものもあります。現在通説化している「民法第94条2項の類推適用説」は、その典型例です。
補足
結局、参照の補足部分についての答えが出てないままになっているようなのですが。