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日本語表記のルール、「句読点」について

日本語表記について、正式とされるルールがあると思うのですが、「句読点」の「読点」について疑問があります。 ずっと、「、」「。」が正式と疑わずに使ってきましたが、一部の書籍や教科書では、読点を 「、」ではなく、「,」(カンマ)表記をしています。 正式な日本語表記のルールはどちらになるのでしょうか? もし、これについてを解説したサイトや、なぜ「、」「,」の2種類あるかの由来などが わかれば、さらに嬉しいです。 よろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • yanhua
  • ベストアンサー率72% (508/701)
回答No.5

句読点の使い方に規制はありません。 明治以来句読点の用法(案)や、憲法を記述するに当たってのそれらの用法、官公庁文書での用法などが提案されたり、定められたりしましたが、日本語全体に及ぶ拘束はありません。 従ってご質問への回答は:「句読点の用法について、日本語表記の法的な規則はありません」。 ■句読点用法規則について経緯と概要です。 ・1906年(明治39年)文部省大臣官房調査課が文語体文用に定めた「句読法」(案)。 ・~省略~ ・1946年(昭和21年)3月に、前記句読法を口語文用に作り変える形で、当時の文部省教科書局調査課国語調査室が発表した「くぎり符号の使ひ方(句読法)」(案)。特に横書きでは「テンの代わりにコンマを用ひる」と定められた。 →これらは(案)のままであり法的根拠はない。 1950年(昭和25)文部省『国語の書き表わし方』が出ていますが、上記2案に準拠しています。 従って、各分野での慣例の集積が今日の実態です。 ・ 1952年(昭和27年)4月4日に内閣が各省庁の次官宛に「公用文作成の要領」を発した。しかし建前と実態は避けられず、省庁による独自性など...、が続いている。この通達は官公庁向けであり、日本語文書全般には及ばない。 ⇒「公用文作成の要領」 で全体の流れが分かります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E7%94%A8%E6%96%87%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%81%AE%E8%A6%81%E9%A0%98 関連文書も記載されているので、必要により再検索をどうぞ。 ■句読点の拘束がないということは、自分で使い分けよということです。文章の分野や目的によっても異なりますが、以下ご参考です。 (1)科学技術文書:意味が誤解なく伝わることが第一。 (2)官公庁に出す文書:相手の言うとおりに書くしかない。 (3)小説:書き手の思いのままに書く(情緒を伝えたいか、正確な理解を期すかetc.)。 (4)ビジネス文書:誤解を招かず且つ業界の慣例に準じる。 (5)冠婚葬祭・儀礼的文章:一般に句読点を使わない。文例に準じる。  [おまけ]  儀礼的文章で句読点を使わない理由...   句読点を使うと、   “あいつは文章の区切りも判らない人物”   ⇒“読み手の学問の程度を疑っている”の意味になるため、     古典的文章では句読点を使いませんでした。   昔は文章の読み書きをできるのは一部の階級に限   られていたせいでしょう。儀礼の世界は保守的ですから、   そのような習慣が今に引き継がれているようです。 (6)私文書:思うままに書いてよい。 分野別の文章作法書や文例集、さらに文章スタイルの異なる小説家、教科書などに倣って書き分けてみるのも良いと思います。 注:読みやすさのためには“一息で読めるかの確認”が有効です。   点を打つ場所に迷うときなどはこれが効きます。 お勧め: ■井上ひさし著『私家版 日本語文法』で、著者はこの課題について触れています。  108頁 句点と読点(まるとてん)  115頁 句読点なんか知らないよ  122頁 区切り符号への不義理   を是非お勧めします。 国語学者やジャーナリストの態度や、小説家の立場、さらに例文を挙げ、句読点の実情にも触れています。 ■渡部善隆「横書き句読点の謎」 ご一読下さい。 http://yebisu.cc.kyushu-u.ac.jp/~watanabe/RESERCH/MANUSCRIPT/OTHERS/YOKO/ten.pdf

sasha_88
質問者

お礼

懇切丁寧でわかりやすい解説をありがとうございます。感激しました! 時系列による経緯、関連サイト、書籍紹介、参考情報等々盛りだくさんなのに、読みやすくまとめれていて、疑問が氷解していきました。 アメリカ英語での表記ルールを覚える機会があったのですが、日本語表記のルールについて外国人に聞かれたら何て答えたらいいんだろう?と疑問を抱いたままでした。 決まったルールがない、というのは意外でしたが、「日本」の読み方が正式に決まっていないとか、こういう類の事例は結構あるみたいですね。 歴史的に、キッチリ分けられないんですかね・・・。 ご紹介いただいた本は絶対に読もうと思います!本当にありがとうございました!!

その他の回答 (6)

  • Ishiwara
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回答No.7

もちろん「横書き」に限定した話ですよね。 我が家に来る文書には、実は3種類あります。 (1)税務署から来るのは「,」「。」 (2)市役所から来るのは「、」「。」 (3)某学会から来るのは「,」「.」 かなり以前「国」が定めたルールでは(1)でした。それで税務署は国のルールによっています。 ところが、以前から自治省、郵政省などでは、独自に決めた(2)を使っていたため、一部の官庁と、自治体の多くで、今でも(2)を使っています。 罰則を作って強制するほどのものではないので、お互いに知らん顔で従来どおりにやっているわけです。 学会の中には、視野の狭い人がたくさんいて、数式などを多く使うから「英語式」がいい、という説明を聞いたことがあります。 ほかに「45度説」というのがあります。横書きの文を区切るとき(特に読点では)、区切る筆の方向が45度よりタテになっていたほうが読みやすい(だから(3)がいい)、というものです。これなどは「噴飯もの」でしょうが。 テクニカルライターの仲間で、真剣に議論したことはあります。ずっと昔のことですが。 私は、ずっと(2)です。一度も文句を言われたことはありません。

sasha_88
質問者

お礼

詳細な分析と解説を有難うございます。とても興味深く読みました。 国のルールというのも、「指標」「参考」という程度のものなのでしょうね。 「45度説」というのは・・・笑えました。こういう煙に巻くようなことを言う人って、どこにもいますよね。 テクニカルライター仲間での議論の行方も結構気になりました。 参考になる情報を有難うございました。

  • yanhua
  • ベストアンサー率72% (508/701)
回答No.6

きちんと説明しても無反応な人が多い中で、丁寧な返礼を戴き恐縮です。 補足です: ・欧米人や中国人から「句読点の規則もないのか、日本語は」と言われたら、 「そこまで規制されないと母語で文章も書けないのか、あなたたちは」で切り返しです。 日本人は江戸時代から庶民教育が行き届いて民度が高いので、困ることはない。相互理解を確保しつつ、個性的な使い分けが成り立っているのです・・・程度のことは言ってもあながち嘘ではありません。 ・ちなみに、中国語では、記号の用法は厳格に定められています。  使用する記号の種類、用途を見ると英語の規則を借用しています。 中華人民共和国国家標準 GB/T 15834-1995 標点符号用法【标点符号用法】  http://shiromoji.net/chinesepunc.html   強制規格ではなく任意規格。 *日本語は曖昧だと言われ、そのように思い込んでいる気配がありますが、句読点以前に、日本語は明確に事物、事象を記述できる優れた言語です。自信をもちましょう。

sasha_88
質問者

お礼

再び、丁寧な解説を有難うございます。大変ためになりました。 中国語には厳格な決まりがあるとは知りませんでしたし、「、」を使うことも知りませんでした。 文章は「,」と「。」、ピンインでは英語と同じルールかな?程度に漠然と思っていました。 世の中には「絶対」というものがないなかで「唯一神」を信じる一元論的思考のキリスト教信者やイスラム教信者が人数としては多い中、八百万の神や森羅万象を信条としてきた日本人では、物の捉え方が違いますからね。お互いにその違いを尊重したいものです。 以前からの漠然として疑問をきっかけに、幅広く派生的な情報まで提供していただき、ありがとうございました。とても役に立ち、また楽しめました。

noname#157574
noname#157574
回答No.4

【縦組の場合】、。 【横組の場合】 1.普通は縦組と同じ 、。 2.教科書など学術性の高い書籍は,。 3.理工系・数学系・語学系の専門書籍は,.

sasha_88
質問者

お礼

箇条書きでわかりやすくご回答いただき、ありがとうございました。 なるほど~、そういうことだったのですね。スッキリしました!

  • garamond
  • ベストアンサー率53% (1119/2111)
回答No.3

公用文では、横書きの場合、「,」「。」です。 「,」「.」は主に理系の文献などに使われます。 私は長らく出版関係の仕事をしていて、横書き「,」「。」がしみついていたため、パソコンが普及した結果、「、」「。」が多く使われるようになったのを目にして、違和感を覚えたものです。 設定を変えるのも面倒ですし、今は慣れました。

sasha_88
質問者

お礼

わかりやすいご回答をありがとうございました。 なるほど、PCでカンマを全角で打つのは面倒くさそうですね。 (普通には打てませんよね?) 大変ためになりました!

  • wild_kit
  • ベストアンサー率32% (581/1804)
回答No.2

参考URLが詳しいので,お読みください。

参考URL:
http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/UC408.HTML
sasha_88
質問者

お礼

参考サイトのご紹介、ありがとうございました。 これはいい!とても参考になりました。本当にありがとうございました!

  • mukaiyama
  • ベストアンサー率47% (10402/21783)
回答No.1

>一部の書籍や教科書では、読点を「、」ではなく、「,」(カンマ)表記をしています… 公用文で横書きであれば、カンマにピリオドが正解です。 縦書きならもちろんテンにマルです。 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/sanko/koyobun/pdf/yoryo_ver02.pdf 公有分以外のビジネス文書や個人の手紙や詩歌などには、特に定めはありません。 新聞や雑誌などでは、それぞれの出版社等が独自の基準を定めていることがあります。 日本語について詳しくは、主務官庁である文化庁の『国語政策・日本語教育』をどうぞ。 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/index.html (リニューアル中みたいですけど)

sasha_88
質問者

お礼

早々に、ご丁寧な回答をありがとうございました。 解説もサイトも大変参考になりました。 わかりやすくまとめていただき、ありがとうございました。

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