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チトクロームについて教えて下さい。
基本的なことですが、チトクロームって、植物体内(生物体内?)で、そのような役割をしているのでしょうか。電子伝達系に関与していることは、なんとなくわかるのですが。その発現量が増えたり、減ったりすると、どういうことが生物で起こる可能性があるのでしょうか。 お教え下さい、お願いします。 また、チトクロムCとかのあとの1とか5とかの小さい数字は何を表しているのでしょうか。
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citrusjuiceさん、こんにちは。 >ある遺伝子を植物に入れて、発現タンパク質の増減を解析をしてみたところ、チトクロムc5とチトクロムfに相同性があるタンパク質(おのおの別個のタンパク質です)にデータベースでヒットしました。 「植物」とありますが、高等な植物でしょうか?チトクロムC5はバクテリアのチトクロムと記憶しているので、相同性のあるタンパクが植物にあるとは驚きです。ですからチトクロムc5と相同性のあるタンパク質のほうはわからないです。申し訳ありません。 チトクロムfと相同性があるタンパクというのはチトクロムc6関連(高等植物でしたらAtc6関連?)ではないですか?チトクロムf、c6とも光合成経路に関与しているチトクロムですから、光合成効率の変化が生じると予想できます。 少し気になることがあるのでお聞きしたいのですが、遺伝子導入を行った植物の遺伝子の増減を見るときに対照は何をとっていますか?一般に言えることではないですが、チトクロムはストレスにより増減することがあります。もし、「遺伝子導入群」vs「非導入群」での比較の場合、導入遺伝子の発現自体が植物のストレスに成っていてそのストレスの影響を見ている場合もありますのでお気をつけ下さい。 なにか疑問点があったら補足欄に書き込んでください。時間があればレスします。
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- robita
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citrusjuiceさん、こんにちは。 チトクロム研究の歴史はけっこう古いのでチトクロムの名前に関しては歴史的な経緯を知らなければ理解できないのです。 今現在のタンパク研究は遺伝子からの理解ができますが、60年前のタンパク研究はいろいろな生体試料から精製を行ってタンパク質の特性を記述することで行われていました。その当時からのお話です。 一応、チトクロムの説明を行っておきます。 [チトクロムの定義] ヘムタンパク質でヘム鉄が Fe2+←→Fe3+ + e- の可逆反応を通して電子伝達を行うものをチトクロムといいます。 同じヘムタンパクでもヘモグロビンはFe2+の状態のままで反応を行いますし、カタラーゼはFe3+の状態のままで反応を行いますのでチトクロムの反応とは異なります。 dainodainekoさんの回答はチトクロムP450の話ですが、チトクロムP450で行われる反応は「結果として」モノオキシゲナーゼ反応ですのでcitrusjuiceさんの知りたい電子伝達系のチトクロームとは若干異なります。(あと、dainodainekoさんの回答は薬学部の方なのか、P450一般というよりむしろ肝ミクロソーム「薬物代謝」P450の話ですよね。) [分類・名前の由来] 昔の研究は上でも書きましたが、タンパク質の特性を理解するという観点で行われてきました。チトクロムは色がついているので特性の計測として特に光吸収スペクトルが多用されました。 チトクロムの還元型では特徴的な3つの光吸収帯が存在します。長波長領域からalpha、beta、gamma吸収帯と名前がつけられています。 分類に当たってはalpha吸収帯に着目し、長波長領域にあるものから順にチトクロムa,b,cと分けられました。(ケーリン、ハートレーによる) その後、シトクロムが次々と発見されてきて、alpha吸収帯とそのほかの吸光特性からチトクロムa3とかb5、c1・・・・・などなど名前がつけられていきました。ですから、質問にありますような >また、チトクロムCとかのあとの1とか5とかの小さい数字は何を表しているのでしょうか。 は、チトクロム研究初期のチトクロムの吸光特性による分類をあらわしているのです。 その後、さまざまなチトクロムの存在が知られてきたのでヘムの化学構造からA,B,C,D,O型という分類がなされています。 A:ヘムa B,O:プロトヘム C:ヘムc D:ヘムd (citrusjuiceさんは植物関係の人のようですから付け加えさせてもらうと光合成に関与するチトクロムfはC型です。) 名前に関しては経緯がこみいっているので説明しづらいのです。わかりにくい説明で申し訳ない。 >その発現量が増えたり、減ったりすると、どういうことが生物で起こる可能性があるのでしょうか。 これはチトクロムと名前がついていても関わっている反応経路が違うので一概にはいえません。どのチトクロムがしりたいのでしょうか? なにか疑問点があったら補足欄に書き込んでください。時間があればレスします。
- dainodaineko
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NO,1の者です。 すいません。ワードから貼付したら文字化けを起こしてしまったようです。P450(Fe³+)→P450(Fe3+)、P450(Fe²+)→P450(Fe2+)、O₂ーP450(Fe²+)-RHがO2-(Fe2+)-RHと正しくはなります。あとチトクロムP450は、毒性の強いエポキシド体をジヒドロジオール体に代謝する一方、より毒性の強いジヒドロジオールエポキシドの前駆体を生成し、発癌を示したりします。
- dainodaineko
- ベストアンサー率29% (13/44)
〈構造〉・・・シトクロームに局在する膜結合性のヘムタンパク質であり、P450控訴は補欠分子族として1個のプロトヘムを持つ、約500個のアミノ酸から成る分子量約50000のヘムタンパク質で、活性中心はヘム鉄であり、鉄の6つの配位座のうち、1~4配位座にはテトラピロール環の窒素が、第5配位座にはP450アポタンパクのシステイン由来のS基が配位し、第6配位座にはアポタンパク由来の酸素が可逆的にゆるく配位している構造をとっていると考えられている。 〈性質〉・・(1)ヘムタンパク質で還元型が一酸化炭素と結合して450nm付近に極大吸を示す。 (2)主としてミクロソームに局在し、電子伝達系の末端酵素として多くの薬物代謝に関与している。基本的には、NADPHと分子状産すを利用して一原子酸素添加反応を触媒する。 (3)広く生物界に存在し、動物では肝臓に最も多く存在するが、肝臓以外の臓器にも存在する。 (4)分子多様性があり、多くのサブファミリー酵素が存在する。 (5)多くの脂溶性薬物を基質とし、その基質特異性は低い。 (6)薬物や化学物質により、特殊なP450酵素が誘導されたり、活性が阻害されたりする。 (7)遺伝的に多型を示すP450酵素が存在し、活性低下や消失を示す固体が存在する。 〈P450の関与する酸化〉・・・基本的な反応機構はNADPH-P450還元酵素を介して還元され、P450によって活性化された分子状酸素による酸化反応。まず、基質となる薬物は酸化型P450(Fe³+)に結合してP450(Fe³+)-RH複合体を形成する。次いで、複合体はNADPH-P450還元酵素から1個目の電子を受け取り、P450ヘム鉄が還元されP450(Fe²+)-RHとなる。酸化反応の場合、還元されたP450ヘム鉄の第6配位座に分子状酸素が配位して、O₂ーP450(Fe²+)-RH複合体となった後、2個目の電子の導入により、分子状酸素が活性化され、分子状酸素O-O結合が開裂する。2個目の酸素原子のうち1個が薬物に導入され、他の1個は還元され水となって遊離し、元の酸化型P450へ復帰する。反応はこのサイクルを繰り返して進行する。 〈P450関与の還元〉・・・p450酵素は嫌気的条件下で還元反応を触媒する。肝ミクロソームや精製酵素を用いたin vitroの系でニトロ基のアミンへの還元、アゾ基の還元的な開裂、台級アミンN-オキシド第3級アミンへの還元、抗てんかん薬ゾニサミドの還元的代謝などが示されている。 読みにくくてすいません。今までの分は前期の試験で私がワードでまとめたものから貼り付けたものなので・・・ ちなみにP450はチトクロムP450のことです。 チトクロムの1とか5とかは分子種を表していたんだと思います。
お礼
dainodainekoさん、ありがとうございます。 参考にさせて頂きます。
補足
robitaさん、ありがとうございます。 ご推察の通り、植物関係に携わっています。 非常に参考になりました。 ある遺伝子を植物に入れて、発現タンパク質の増減を解析をしてみたところ、チトクロムc5とチトクロムfに相同性があるタンパク質(おのおの別個のタンパク質です)にデータベースでヒットしました。 しかし、植物体的には外観は同じですし、いったいこれはどういうことが生じている可能性があるのだろうかと思い、調べてみたのですが、なにぶん、専門分野以外でして、お尋ねしてみた次第です。 もし、これらのタンパク質について発現の変化により、どのような現象が生じる(可能性がある)か、ご意見頂ければ幸いに存じます。