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国境をまたぐ大送電網構想
『国境をまたぐ大送電網構想』という記事が7月1日の朝日新聞に載りました。EU,イギリス、北アフリカ、中東で電気を融通しあうための大送電網を構築しようというものです。これが技術的に可能であるのなら、日本、韓国、モンゴル、ロシア、中国あたりでも同様な大送電網構想が出てきてもよさそうな気がします。技術的に可能なのでしょうか。 送電はどうするのかという問題なのですが、学校では遠方に送るのは直流より交流の方がロスが少ないと教えます。しかし、ここでは直流送電のようです。超電導なのでしょうか。電気分解を利用して水を分解して水素を取り出して、それを運搬する方法は非効率なのでしょうか。
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電力カテのほうが適切な質問ですね。 技術的に可能か、といわれればたぶん可能でしょう。 日本と大陸間に送電線を海底に引く必要があるためケーブルの耐性やルートの選定などの問題は山積ですが、それ以上に政治的な問題のほうが圧倒的に難関かもしれません。 また、長距離間を大電流流すには交流よりも直流のほうがロスが少なくなります。 電線間ならびに電線-大地間にはコンデンサが形成されてしまいます。短い距離なら大したことは無いのですが、数十km~数千kmにもなるとかなり大きな容量となり、交流を流すとこのコンデンサに流れる分電流が増えてしまいます。(コンデンサは直流を通さないため直流ではこの問題は発生しない) 余分に電流が流れるとその分送電線の発熱が大きくなりロスが大きくなります。 そのため長距離の大電力送電では直流を用いたほうが有利になります。 (実際、北海道-本州間の電力融通のための送電は直流で行われています) 通常の送電が交流で行われているのは、エンドユーザーに近いところでは電圧が高いと危険なため電圧を落とす必要があるのですが、この電圧変換の設備が直流と交流では圧倒的に交流のほうが安く、さらに故障もしにくい設備になるためコスト的に有利だからです。 幹線部分だけ大電圧直流にしてユーザに近いところでは交流で送電するのが一番無駄が無い送電方法だとは思います。 水を電気分解して水素を運搬する方法は次の2点で問題があります。 1.電気→水素→電気の各工程でロスが発生してしまう。 2.水素の運搬に設備とコストがかかる。 3.可燃性のガスである水素の取扱が危険を伴う。
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- tance
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電力を海外から引っ張る話しは数10年前から時々出ています。 今まで出てきた問題点の他に、交流特有の問題があります。 それは「定在波」が生じることです。長いケーブルとか架線に 60Hzの交流を加えると、約1200km先で電圧が出ないところが 生じます。どこに電圧の節が来るかは負荷にも拠るので なかなか難しい問題です。 定在波は通常はもっと高周波で問題にされます。それは周波数が 高いと、より短い距離で生じるからです。100MHzでは75cm(腹、節間距離) くらいになります。定在波を日常で見ることはほとんどないのですが、 タイヤのバーストの原因にもなるので聞いたことがあるかもしれません。 (ゴムの伸び縮みの周波数とタイヤ外周距離の関係で起きる) でも、やっぱり決定的な問題は、直流でも交流でも同じで、政治的 問題でしょう。電気を止めるぞと言われたらどうします? 国民の消費する水をかなりの量、外国から買っている国もあるので お手本にはできるのかもしれませんが。
お礼
有り難うございました。定在波は勉強してみます。
- hilen
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大陸をつなぐ海底ケーブルがあるくらいですから国をまたぐ送電は可能だと思います。 直流は電圧降下や電力損失が少ないので長距離送電には向いていると思われます。交流と直流のメリット・デメリットはウィキペディア等を参照していただければわかるかと思います。超伝導を利用するとおそらくそちらの方にお金やエネルギー使用が行ってしまって効率化は見込めないと思います。 水素は結構危険なのではないでしょうか?万一どこかで運搬用のパイプ等に損傷が入れば漏えいが大きくなり、最悪の状態では一か所でも酸素との反応で爆発すればパイプを伝って全ての水素が反応をしてしまう可能性もあります。 あくまで私の勝手な考えですが。
お礼
大変役に立つ情報です。有り難うございます。
補足
丁寧な説明を有り難うございました。政治的な問題であれば、ヨーロッパでもあるでしょうが、それでもやろうと思っているのではないでしょうか。アジアはお互いを信用してないのでしょうか。 今、日本中で電力不足の問題が発生しており、しかも今後不安定な自然エネルギーを大規模に活用しようという動きがあるわけです。それなら、北海道から九州・四国まで直流で結び、融通し合ったらどうでしょう。直流で結べば関東・関西の周波数の違いは問題にならないと思いますが。 それから洋上風力発電の構想があります。日本の周辺の海に風車を並べれば、日本の全エネルギーは余裕で供給できるという話しを聞いたことがあります。そういった構想では、遠い沖合でつくった電気は、電気分解して水素にしたり、二酸化炭素をくっつけてメタンにしたりして、タンカーで運ぶとしていました。電線を使い直流で運ぶのも可能性としてはありますか。