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IS-LM-BP分析・外生的に資本流入その2
前回の問題(IS-LM-BP分析・外生的に資本流入)で、矛盾を感じてしまった理 由として、私は、国際収支と為替市場を同じものとして考えていたように思います。 しかし、この両者は違うのでしょうか?
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以前のレスで説明したとおり両者は別のものです。 http://okwave.jp/qa/q6463686.html 為替市場は国内外のお金が出入りするパイプであり、国際収支は国内外のお金が出入りした結果です。 為替市場が風呂場の蛇口とするのであるならば、国際収支はバスタブにたまったお湯の量です。 ただ以前のレスでは少しミスをしていました。 >そして国際収支はそのまま日本の対外債権・対外債務になります。 >国際収支が黒字ならば、つまり入ってきたお金の方が多いということですから、多い分は外国への貸し(債権)になります。 ↑の記述は国際収支ではなく経常収支でした。 国際収支は国内外のお金の出入りの全てですから、経常収支+資本収支となります。 ここに差額が出ることは本来ありえません。 なぜならば経常収支で黒字である場合、外国の国々はその代金を払うためにどこからか円を調達しなければいけないからです。 その場合日本から円を借りてきて調達すればその分経常収支は赤字(資本流出)になります。 その結果差し引き0になります。 (日本の民間が海外にお金を貸すことを海外投資といいその結果生まれた貸したお金の一定期間の総額を資本収支といい、日本政府が海外にお金を貸すことを為替介入といいその結果生まれた貸したお金の一定期間の総額を外貨準備高といいます。) そのような動きがない場合、円を欲しがる人は多いのに円を渡す人がいないということになりますから、為替市場で円が割高になります。 そして円が値上がりをすることで円の需要が抑えられ供給が増えるので、収支が釣り合うようになります。 この場合も最終的にはやはり差し引き0になります。 日本の場合は長年多額の経常収支を積み上げてきましたので、その分日本人は海外に多くの債権を持っています。 ですので、全ての要素を加味した上でその1でいったように外生的に資本が流入した場合を分析すると以下のような結果になります。 為替・輸入・国民所得・金利などが様々に変動した結果、最終的にはIS-LM-BPは一点に均衡する。 恐らく為替相場がやや円高になり、金利はやや下がり、輸出はやや減り、国民所得は減るか増えるかして、最終的には三点は一点で交わるようになります。 つまり、為替市場は国内外のお金が出入りするためのパイプです。 為替相場(為替レート)は国内外の出入りを均衡させるための調整弁です。 国内外の金の出入りは様々な要素によって定まります。 国内の生産力(輸出力)・国内の消費力(輸入力)・信用力・国内外の金利など、円と外貨の需給水準はこれらから算出されますが、その需給を等しくするのが通貨の価格である為替レートです。 その結果国内外の通貨の需給は完全に等しくなり、国際収支は+-0になる(国内外の通貨の出入りする量、売られる量と買われる量は完全に一致する)のです。 詳しく正確な話はここら辺を参考にしてください。 http://sakura.canvas.ne.jp/spr/h-minami/note-kokusaisyuusi.htm
お礼
いつも、懇切丁寧かつ論理明快な回答をありがとうございます。 以前にもお聞きしていたのですね。 前回の問題を考えますと、シフト要因をどのように考えるかということに、誤りがったようです。 私は、BP曲線のシフトは交換レートの変化によるものと勝手に思い込んでおりましたので、矛盾してしまいましたが、外生的に資本流入があった場合には供給の変化により、BP曲線はシフトし、結果、交換レートは変化し、これが因となって純輸出に影響を与えて、BP曲線を逆シフトするわけで、矛盾していないのですね。 また、IS-LMーBP分析等において、戸惑ってしまいますのは、原因と結果、また反応スピードや反応幅を見誤ってしまい、シフトの順番を誤ってしまうこと等です。