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神舟5号の燃料
こんばんは。 中国の神舟5号がミッションを成功させました。 打ち上げの写真を見ると、水蒸気いっぱいのH2Aあたりとはだいぶ情景が異なり、化石燃料系かな、と思いました。 中国のロケットの燃料、欧米の昨今のロケットの燃料は、それぞれ何なのでしょうか、そしてそれらのメリット、デメリットはいかがなものでしょうか?
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そういえばえらく黒煙が出ていましたが少なくとも一段目のブースターは固体燃料ですね。メインエンジンは従来の長征ロケットと同じだとすればジメチルヒドラジンを燃料とした物のようです。 ロケットの燃料には固体と液体があります。液体燃料を使用したロケットエンジンはパワーがあり、燃焼の停止と再点火が出来る利点がありますが、エンジンや燃料・酸化剤タンクの構造が複雑になる欠点があります。固体燃料ロケットはパワーも比較的あって構造が非常に単純かつ小型ですが、一度点火したら止められません。 液体燃料の一種であるジメチルヒドラジンは強力な還元剤で、反応性が強く、酸化剤と呼ばれる薬品と混合すると火をつけなくても爆発的に化学反応を起こします。酸化剤は硝酸や四酸化窒素などが使用され、これも危険な薬品です。 この燃料を燃やしたときには発生したガスは有毒で、日本のロケット打ち上げでは使用されていません。欧米でも現在はあまり使用されていないはずです。アメリカのタイタンE型は使っていましたが、このロケットが今でも打ち上げに使用されているかどうかは不明です。 保管に際して加圧が必要でないので保管や持ち運びが簡単で、エンジンや発射装置が小型化できるので弾道ミサイルの燃料としてよく使用されていました。アポロ計画でも宇宙船の燃料として用いられました。 予断ですが、この燃料や酸化剤は金属等を非常に強く腐食しますので漏れると大惨事になります。ミサイルから漏れた燃料と化学反応でおきた有毒ガスが原因で旧ソビエトの原子力潜水艦で何回か乗員が死ぬ事故がおきています。 現在液体燃料ロケットの中で主流は、燃料として水素やアルコール、灯油を使用し、酸化剤に液体酸素を使用するものです。水素や酸素はタンクに閉じ込める際に高圧にして液化されますが、これは保管を難しくしています。 固体燃料の成分はヒミツのようです。私は知りません。
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- ElectricGamo
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神舟を打ち上げた長征ロケットは、非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素を推進剤としています。メリットとしては、ある程度性能が出ることと、保存性がいいことです。デメリットは極めて有毒であることです。そのため、これから開発されていく長征ロケットでは、採用されなくなるようです。 欧米の昨今のロケットでは、液体酸素と液体水素、液体酸素とケロシン(灯油)の組み合わせが一般的です。少ない燃料で多くのペイロードを打ち上げる指標となる比推力は、液体酸素と液体水素の組み合わせがいいのですが、液体酸素や液体水素は、いずれも極低温に冷却しなくてはいけないため、燃料を入れるための打ち上げの準備作業が必要ですし、推進剤タンクの断熱も必要です。また、液体水素は密度が小さい(ピンポン球と同じぐらいです)ために、推進剤を入れるタンクが大きくなるデメリットがあります。ケロシンですと、比推力は劣るのですが、密度がある程度あるのと、常温で保存が出来るのでタンクがコンパクトになります。ロケットの打ち上げでは、しばらくは空気抵抗を受けるので、機体がコンパクトであることが重要です。 こうした空気抵抗のある領域を一気に抜け出るためにブースターをつけます。これらのブースターは、すぐに切り離してしまうので、力が出て構造が簡単な固体ロケットが使われることが多いです。 例えば、H2Aロケットだと、液酸液水を用いたLE-7A の推力が真空中で約110ton、ブースター2本で 460ton ぐらいあります。実は打ち上げ時の推力は、ほとんどをブースターが発生しています。
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御回答ありがとうございました。 各方式のメリット/デメリットがわかりました。 日本では打ち上げ場の環境の問題もあるのでやはり液体酸素+液体水素なのでしょうね。 勉強になりました。
- asuca
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日本のHIIロケットは固形燃料と液体燃料の組み合わせですので液体燃料のみの神舟5号とは発射の様子は違うはずです。
お礼
御回答ありがとうございました。
お礼
御回答ありがとうございました。 ジメチルヒドラジンですか。 比較的古いタイプの燃料、ということのようですね。 また、水素や灯油、(+酸素)は知っていましたが、アルコールもあるのですね。 勉強になりました。