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塩害のメカニズムとは?
- 塩害は連作や乾燥地で発生する被害で、塩分濃度の上昇が原因です。
- 連作による塩害では、水をまき続けることで水中・地中の塩分が凝結し、地表付近の塩分濃度が上昇します。
- 乾燥地の塩害では、過剰な水分散布により地下深くに存在する塩分が水に溶け、塩水となり地表付近の塩分濃度が上昇します。
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丁寧な質問、誠実に回答します。 >その際、塩分も含め養分も水とともに上部に上がります。 この「塩分」がどこから生じるのかをお教えいただきたいのです。 →3つの経路で、土壌中に存在する塩分が関与します。母岩由来、灌漑水そして施肥です。 >長期にやらないとわからないのであれば 新聞紙に塩水をかけるのと違うのではありませんか? 本来ならば予め新聞紙に塩を染みこませないと 実際の現象とは違う実験をやることになりませんか? →新聞紙を1枚ではなく、数枚重なった状態で薄い塩水をかけ、炎天下に放置すれば、毛細管現象で一番表面の新聞紙に塩が浮き出てきます。説明不足の点はありますが、ほぼ母岩由来の土壌と乾季から起きる塩害を再現するものと考えます。 >「蒸散」は植物による(主に葉や茎からの)蒸発のことで正しいですか? 土の表面からの蒸発を指しているわけではないですね? 植物が無ければ土壌への塩分の蓄積は起こらないor極めて遅いのでしょうか? →その通りです。植物の存在が、塩害の発生を促進します。メソポタミアなど古代文明での都市放棄は耕作により塩害によるものと推察する研究者もいます。文明(culture)は耕作(culture)による塩害から衰退した場面もあるようです。 中東で農業指導しています。最高気温45℃相対湿度10%の夏には、乾季のため4ヶ月間降雨はなく、見渡す限りの沙漠では、そのことを想像することも容易です。 >また、私が質問に述べたwikipediaの文章には 施肥を想像させる記述は無いように思います。 施肥を行わなくても塩害が起こるということだと思うのですが →wikipediaの記述不足と考えます。施肥を行わなくても塩害が起こるのは、灌漑の存在ゆえかもしれません。アメリカ合衆国に20世紀大規模に発生した塩害による耕作放棄地は、灌漑、化学肥料の多量施用によるものです。 よく考えられている方と見受けられますが、wikipediaをはじめ、HPに書いてあることを検証しながら理解することをお勧めします。
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- fumi26
- ベストアンサー率82% (161/194)
追加の質問がないようですが、今までの回答で納得されたのでしょうか? Wikipedia「塩害」の解説と私の回答に違いがあることは承知しております。 試しに、塩害について解説されたWikipediaの記述で最後に関連した情報として、「塩類集積」があります。これを参照すれば、私の回答もご理解されると確信します。 情報過多の中で、自分の経験、知識から、有用な情報だけを選択し、体系的に理解する能力が、学識とか学問と言われるものであり、今後も膨大な情報を取得しても、有益でない情報、根拠のない情報は捨て去ることが必要です。当然ながら、書いてあることを疑うことも、非常に大切ですね。 約策通り、追加質問には応じますので、遠慮なくどうぞ。
- xs200
- ベストアンサー率47% (559/1173)
> 凝結: どこかにあった英文を誤訳したのではないでしょうか。 condensationですが凝結という意味と濃縮という意味があります。この場合は濃縮が正しいと思います。 > 地下深くに存在していた塩分が水に溶けて塩水になる: 雨にも川の水にも少量の塩分が含まれています。乾燥地では水はどんどん蒸発してしまい塩分が土中に蓄積されてしまいます。ここに灌漑すると作物が根から水を吸い上げるときに毛細管現象で塩分がいっしょに地表に吸い上げられて濃縮されてしまいます。 大規模農園の塩害の方は作物が消費しきれなかった肥料が塩分になって残ってしまうことを言っているのだと思います。
- fumi26
- ベストアンサー率82% (161/194)
大きな問題なので、判り易く説明しにくいのですが、類似のQ&Aも参考になるでしょう。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1142373331 回答の中で passereaux3さんが、面白いと思われます。 母岩の崩壊により含有されていた塩類が緩やかに地下水に含有される、灌漑水にも微量に塩類が含有されていると、指摘しています。 旧ソ連による塩害による大規模な農業破壊の例です。 添付資料 乾燥地では降雨量が少ないので、河川や地下水から採ってきた水を散布することで、かんがい農業を行ないます。この水をうまく排水すれば問題はありません。しかし、排水が十分にできない場合は、水が土の中に貯まります。この水に土の中にある塩分が溶けていきます。さらに、かんがいを行なうと、地表から土の中に浸透する水と塩分を貯めた土の中の水が毛細管現象でつながってしまいます。乾燥地では、強い日差しの下で蒸発散量が大きいため、水分の蒸発に伴い土中の塩分が毛細管現象で地表に持ち上げられ、表面に集まります。塩分が表土に堆積してしまうと農業は行なえなくなります。 広大な綿畑は、今、ただの荒れ地に変わりました。修復は21世紀中でも困難で、事業開始のすざまじいキャンペーンを覚えているだけに、科学の進歩とは何か教訓を受けております。 追加の回答ですが、 >土壌由来の塩は、例えばビーカーに土を採取し、水を加え、濾過・蒸発により得られるものですか? それとも鉱物の中に含まれていて、上記方法では簡単には取れず、長年かかってようやく析出するものなのでしょうか。 →土壌中の塩類の定量分析は、単に加水し、ろ過しての重量測定分析では誤差の範囲内で計測不可です。EC測定器など専用の分析計であれば可能です。 母岩の崩壊により土、粘土に変わることにより塩類は溶け出ます。当然相当な年月が必要です。 >仰るスライドは分かる人には分かるのでしょうが 何を言いたいのか全然わかりません。 →塩害の発生が世界各地で起こっていること、化学肥料の多用、不適切な灌漑、山林の伐採そして気候の変化で塩害は年々顕著となっている。対応には、塩類が蓄積しても生育できる作物のメカニズムを分析した。その機序を遺伝子工学により対応することを提案する。 専門的すぎるかもしれませんが、大学からの研究提案で、相当な説得力を持つとおもいます。 >また、塩水をかければ濃縮されることは理解できますが 水しかかけてないのになぜ塩が出てくるのかがよくわからないのです。 →小学校の理科実験で「毛細管現象」がありましたね。思い出して下さい。 乾燥した土壌でも植物が生育できるのはこの「毛細管現象」によるものです。この作用で、土粒子の間を少量ですが水が表面に浮き出てきます。その際、塩分も含め養分も水とともに上部に上がります。 塩害の発生機序としては、乾燥地で蒸散が激しい地域で、この「毛細管現象」が繰り返し生じ、蒸散が激しい場合、地表に塩類が蓄積されます。「乾燥地あるいは乾季」、「作物栽培」、「化学肥料の施用」そして「灌漑」、これらの条件が揃うことで「塩害」は発生しやすくなります。「乾燥地あるいは乾季」、「作物栽培」、この2つは土壌からの水分蒸散増加を意味し、あとの「化学肥料の施用」そして「灌漑」は、土壌以外からの塩類増加を意味します。 具体的には、植物の蒸散作用が激しい日中、根の周囲には塩類濃度が高まり、ひどい場合には根による吸水ができなくなり葉は萎れます。蒸散作用が低くなる夜間には葉は回復します。http://www.eonet.ne.jp/~green-up/h012.html これの繰り返しで、土壌深部から表層に塩類は集積し、やがては塩害により耕作できなくなります。 こんなところですが、追加の質問あれば、私の体験も含め、継続して、可能な限りお答えします。身近な塩害では、家庭菜園で化学肥料を追肥する場合、素人はついつい根の周囲にたくさん与え、作物を枯らします。
補足
回答ありがとうございます。 学校の理科の授業での用語と農学用語には差異があるかもしれませんので 確認も含めて補足質問させていただきます。 毛細管現象はわかります。 >その際、塩分も含め養分も水とともに上部に上がります。 この「塩分」がどこから生じるのかをお教えいただきたいのです。 長期にやらないとわからないのであれば 新聞紙に塩水をかけるのと違うのではありませんか? 本来ならば予め新聞紙に塩を染みこませないと 実際の現象とは違う実験をやることになりませんか? 確認ですが 「蒸散」は植物による(主に葉や茎からの)蒸発のことで正しいですか? 土の表面からの蒸発を指しているわけではないですね? 植物が無ければ土壌への塩分の蓄積は起こらないor極めて遅いのでしょうか? また、私が質問に述べたwikipediaの文章には 施肥を想像させる記述は無いように思います。 施肥を行わなくても塩害が起こるということだと思うのですが…。
- fumi26
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追加回答 (1)塩害の塩は、土壌由来と化学肥料由来に大別されます。土壌由来は、海水が塩辛い、死海では体が浮く事でお判りでしょう。海水が塩辛いのは、永年の雨が土壌から塩を溶かし、蒸発により塩は濃縮、蒸発した水は雨となる現象を繰り返したためです。 化学肥料由来の塩は、施肥に対し植物による吸収、利用が少なければ塩は土壌中に蓄積します。これ由来の塩害は散水、灌漑により、一時的には回避できますが、やがて塩害により耕作放棄となります。 (2)添付のスライド、8枚目に簡単に説明されております。雨季に雨は土壌の塩を溶かし、乾季に毛管現象により溶けた塩水が地表に上がり、水分蒸発により地表に集積します。永年の自然作用でこの塩の集積は起こりますが、沙漠化に伴う雨量の減少、気温上昇により塩害は顕著になります。 乾燥地でも、雨は集中して特定の季節に降ります。水のない川がたくさん乾燥地にあること、ご確認ください。 (3)凝結は農学だけでなく、幅広い分野で使われており、凝固(condensation)だけでなく凝結(coagulation)の意味でも使用され.coagulationとは液体中に分散している微粒子が集合して大きな粒子を作る現象を示します。英語の和訳の際に適当な言葉がなくて、混合しているようです。 再度、炎天下に新聞紙を何枚も重ね、薄い塩水をかけてご確認されることを、お勧めします。幼稚な灌漑農業、無理のある施設農業、そして気候の変化(あえて温暖化と言いません)から、地球上の塩害は拡大しております。遅まきながら、人類も対策を考える時期を迎えております。
補足
度々の回答ありがとうございます。 土壌由来の塩について、もう少し詳しくお教えください。 土壌由来の塩は、例えばビーカーに土を採取し、水を加え、濾過・蒸発により得られるものですか? それとも鉱物の中に含まれていて、上記方法では簡単には取れず、長年かかってようやく析出するものなのでしょうか。 仰るスライドは分かる人には分かるのでしょうが 何を言いたいのか全然わかりません。 >再度、炎天下に新聞紙を何枚も重ね、薄い塩水をかけてご確認されることを、お勧めします。 集合住宅に住んでいるため、実験は難しいと思います。 また、塩水をかければ濃縮されることは理解できますが 水しかかけてないのになぜ塩が出てくるのかがよくわからないのです。
- fumi26
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まずこの場合の塩とは、塩化ナトリウムだけでなく水溶性成分の総称とお考えください。化学肥料の成分、特にカリも塩害を起こしやすい塩とされています。 雨季と乾季を持つ地帯は、沙漠であろうとなかろうと、化学肥料の施用が過ぎ、適切な灌漑を怠ればこの「塩害」による耕作放棄地が発生します。あのアメリカでも塩害による耕作地が発生しております。 常に水が豊富な日本では、今回の津波以外には塩害は起きにくいと考えられますが、トマト、茄子など施設園芸では、連作を続けるため、定期的に冠水作業と排水で、蓄積した塩類の除去が行われております。過剰な塩・肥料成分を除くためです。 原因は、雨季と乾季の存在、化学肥料への依存、山林の伐採による水供給力の減少です。高温環境を生じる大陸性気候であれば格別に起きやすいわけです。 添付したスライドでは、遺伝子組み換えが沙漠化防止になぜ必要か解説もされております。比較的分かりやすい説明です。 なお、凝結は、塩水を新聞紙に広げ、晴天下に数日放置すれば、水分が蒸発した分、新聞紙の表面に塩分が残ることが認められます。この新聞紙を土壌と置き換えて想像すれば、毛細管現象から地下から塩が表面に浮き上がり、乾季に集積して残る状態が再現されているわけです。 食糧価格は年々上昇し、すでに各国は食糧確保の方針を強く出しております。耕地面積が限定している日本は、塩害に対する技術援助う、経済援助をとおし、将来の食糧確保の方策を見つけたいものです。
補足
回答ありがとうございます。 私は原因より機構を知りたいのです。 雨が降って蒸発するだけでは元に戻るだけだと思うのですが いつ塩を溶かし込むのでしょうか。 その塩はどこにあったものなのでしょうか? また、凝結はWikipediaには2つしか意味が無いのですが 農学においてはこれ以外の「凝結」の意味が存在するのですか? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%9D%E7%B5%90
お礼
遅くなり申し訳ありませんでした。 現在において施肥は当然のことと思いますが メソポタミア文明において施肥の有無が明記されておらず (母岩を思いつかなかったので)灌漑水起源だけだとちょっと信じられなかったのです。 ありがとうございました。