僕は芸術と哲学は本質的に相いれないような気がします。
○ 人はは多少なりとも「理性・感性・悟性」を備えています。この3つの性質の大小で各人の特長が決まっているといっていいでしょう。
理性は勉強すればある程度身につきます。これは人間にとって特に有利なものですね。一方、感性は持って生まれたものがほとんどで後天的なものは少ないですね。感性は人間よりむしろ動物のほうが優れていますね。匂い、視覚、聴覚などは人間の及ぶところではないですね。おそらく動物が絵を描くことができれば驚くべきものができあがるでしょうね。
人間にも動物にもあまりない能力が「悟性」ですね。「悟性」は「理性・感性」を越えたところにある「直感」のようなものですが、これを取得するには長い長い「理性・感性」の努力と経験の年月が必要なのですね。それを経験知として論じるのが本来の哲学なのですね。
このようにお話しすると、哲学が「理性・感性」つまり、学問で言うところの一般学問のみならず「芸術」も含んでいるとことがわかるでしょ。
「芸術」は「感性」の粋ですが、目的は悟性の取得なのです。言い換えれば、哲学無き「芸術」が「動物の感性」に勝ることはないということでもあるのですね。・・そういうことなのです。