いわゆる過去形丁寧語(例:ご注文の方、以上でよろしかったでしょうか?)と同種ではないでしょうか?
「以上でよろしいでしょうか?」でも丁寧語ですが、「よろしい」と言う言葉は、許諾を求めるだけでは無く、相手に許諾を与える際にも用いられ、「偉そう」と感じる人などがいますので、過去形にすることで語感をやわらかくし、敬語感を増す効果がある様です。
過去形敬語では無いですが、「お電話を差し上げます」も謙譲語なので、敬語としては問題は有りませんが、おしつけがましい感じなどが有りますので、嫌う人も居ますしね。
言葉って言うのは、言葉として正しいか?と言う問題だけでは無く、その言葉の「語感」も考慮される様です。
ご質問の「する方が良い」も、例えば敬語化すると「(し)なさる方が良い」となりますが、更にこれを過去形で「(し)なさった方が良い」とした方が、更に敬語感が増すかと思います。
この様な過去形丁寧語表現は、「よろしかったでしょうか?」以前から用いられてますね。
「する」と言う直接的で強い動詞などでは、やはり過去形で婉曲な表現にすることで、語感がやわらぐ効果があるのではないかと思いますし、強制的・命令的では無く、やや提案に近い語感が生じるかと思います。
これらは「文法」と言うよりは「語感」の問題ですから、外国人への説明は難しいとは思います。
ただ、英語でも「Will(Can) you give me ~」を「Would(Could) you ~」と過去形にして、丁寧表現化する用法はありますよね。
直接的では無く婉曲的・間接的に表現することで、相手への敬意・配慮・遠慮などを高める効果があると言うのは、各種言語に共通の概念であると言って良いかと思います。
外国人の方には、WillとWouldの違いと説明したら、理解が得られる可能性はあるのではないでしょうか?
お礼
こんにちは。 そのような本があるのですね、面白そうです。 早速手にとってみたいと思います。 とてもシンプルな説明で少々驚きましたが、 恐らく外国人学習者に日本語のこの文法を教えるには、この程度の説明が妥当なのだろうと思い至りました。 なぜなら他の皆様のご回答は、私たち日本人には「あぁ、本当にその通り」「言われてみればなるほど」とすべて頷けるのですが この心の機微を外国人に説明すると、相手はその時点で理解はしても、 その差異を意識しながら使い分けなければならないとすると、やや複雑に受け取られるように思いました。 上級者にとっては日本語と日本人の心の理解が深まり、とても良いと思います。 皆さま、ご回答をどうもありがとうございました。 私自身も大変勉強になりました。