こんにちは。4/28のご質問ではお礼のお返事を有難うございました。
ご質問:
<「残す」と「余す」の違いは何ですか?>
大きな違いは、「継続性があるかないか」です。
1.「残す」:
基本は「残るようにする」という意味の他動詞です。これが、以下のような意味に分かれます。
(1)あとにとどめる
例:
「足跡を残す」
(2)後世に伝える
例:
「功績を残す」
(3)余りを出す、余裕を作る
例:
「お金を残す」
(4)相撲で相手の攻撃をこらえて凌ぐ
例:
「残す」→「残した」→「残った」
2.「余す」:
基本は「余るようにする」という意味の他動詞です。ここから、「残す」「残っている」という意味でも使えます。
3.両語の違い:
(1)上記から、「残す」には「あとにとどめる」(継続的)、「後世に伝える」(永続的)、「余裕を作る」(持続的)といった、動作・状態が「続く」イメージで使われます。
(2)一方、「余す」は「余分なものを作る」ことです。「余分なもの」=「特に必要ないもの」という認識から、永続的に残す必要はありません。
(3)「余り」に「なごり」といった意味合いもありますが、それも一時的なものです。
例:
「余韻」「余情」
これらも、鐘をついた時、あとにひびきが残ることから、詩歌などの言外の情趣について用いられることもあります。ただ、どちらも「一時的」に残るもので、恒常的に継続のニュアンスはありません。
(4)中国の漢文に由来する用法では、
「余殃」:祖先の悪行のせいで子孫にまで及ぶ災い
「余慶」:祖先の善行のお陰で子孫にまで及ぶ幸福
など、持続的なニュアンスのある熟語もありますが、「余」という漢字の視覚イメージから、「偶然できた残り物」そして「いずれは消え去るもの」という一時的なイメージはぬぐえません。
以上ご参考までに。
お礼
回答ありがとうございます。私では考え付かなかったことばかりでした。今回もとても参考になりました!