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トリメチレントリニトロアミンはいったいどのような
トリメチレントリニトロアミンはいったいどのような反応で爆発するのでしょうか? C4に使われているものですが、C4は火をつけても爆発しません。 そこで思ったのですが、ならどんな過程で爆発に至るのでしょうか。 信管を挿すと爆発するじゃなくて、もっと化学よりの、原子的な意味の質問です。 また、どれくらいの速度の爆風になるか教えて欲しいです。
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- cyba
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トリメチレントリニトロアミン(RDX)に限らず爆薬が爆発するとは、爆薬が爆轟することで、燃焼反応が音速を超えた状態を言います。音速を超えることから必然的に衝撃波が伴い、固体の場合その圧力は数万~数十万気圧に達します。つまり、とてつもない断熱圧縮が反応を推進しています。 RDXの場合、爆速は8km/s以上ですから超高速、超高圧下で反応していることになります。また、RDXの炎は3000℃に達します。この様な条件で細かな反応を追うことは無理で、爆発後のガスを分析してありそうなモデルを推測したり、計算化学によって検証されたりしています。 化学量論的には C3H6O6N6 -> 3 CO + 3 H2O + 3 N2 となりますが、 実際には、 HCN, NO, N2O, NO2, CO, CO2, H2O, H2CO など様々なガスが検出されています。 例えば、1000気圧、温度1500Kで反応が始まると、 1ナノ秒後には H2C-N-NO2、HONO、HCN、NO2、N2O、CH2O などが初期生成しているのではないかと計算されており、10ナノ秒後には最終生成物が得られるとなっています。1万気圧で5ナノ秒で、10万気圧で1ナノ秒で反応が終了するとシミュレート(定容)されています。 シミュレートで計算されている化学種は H2 H O O2 OH H2O HO2 H2O2 C CH CH2 CH2(S) CH3 CH4 CO CO2 HCO CH2O CH2OH CH3O CH3OH C2H C2H2 C2H3 C2H4 C2H5 C2H6 HCCO CH2CO HCCOH N NH NH2 NH3 NNH NO NO2 N2O HNO CN HCN H2CN HCNN HCNO HOCN HNCO NCO N2 HONO NO3 HNO3 HNC C2N2 NCN CNO H2CNH H2CNO H2CNNO2 H2CNNO AR RDX RDXR RDXRO HMX HMXR HMXRO CH3NO2 CH3ONO H2CNOH HNNO2 N3 CH2N2 などが考えられており、様々な中間体が考慮されています。 反応の初期は、酸化ではなく種々のラジカルなどに分解してしまう(主に吸熱反応) 次に、NO2やN2Oなどが周りを酸化(発熱反応)してN2、CO、H2Oとなるという2段です。 以上のように、信管は信管に付いた起爆薬を爆轟させて最初の衝撃波を作り出しています。この時に発生する衝撃波が二次爆薬(RDXなど)に断熱圧縮を起こさせ、爆轟状態に導きます。信管が付いていない二次爆薬であっても、十分な衝撃波が伝わってくる位置で他の爆薬を爆発させると誘爆してしまいます。