音は子供でも認識できる物理現象ですから、これを小学生に教えないのは非常にまずいことだと思います。明らかな物理学軽視であることに激しく同意します。
空気中の音は空気の振動で伝わり、目に見えない抽象的なものではありましょうが、糸電話を使えば、視覚的とまでは言えませんが、振動によって遠くに伝搬するものであり、糸をつないだ振動板を指などで押さえると、振動が妨げられて音が小さくなり、水で糸を濡らすと音が伝わりやすくなるといった現象は、児童でも理解できるものであると考えます。より発展的な内容として、マイクやスピーカなどの、「電気音響変換器」の原理については、コイルの動作のわかる中学生なら興味を示してくれると思いますが、音にエネルギーがあって、振動板を動かせることが基礎知識としてなければ、疑問が生じてしまうでしょう。
もっといけないのは、日本はこれからもモノ作りでやっていかなければいけないのに、それに必要な物理や電気の知識を涵養する妨げになってしまうことですね。音叉を使った共鳴現象が理解できないレベルでは、電気回路の共振現象も理解できないでしょう。半導体工学などで必要な物性物理学では、音子(フォノン)の性質が理解できないとどうにもなりません。音は早めにやってもらわないと困るのです。
私は小学生にいきなり英語を教えるよりも、英語教育の準備段階として、「外来語」を教えるのが良いのではと思っております(「テレビ」は「テレ+ビジョン」のように、その構造を含めて教える。英単語に接頭辞+語根+接尾辞などの構造があることを、この段階でさりげなく教えるのです。これは、英単語を記憶するのに役立つと考えられるからです)。それならば国語の範囲で教えることも可能ですし、現在の小学教育の現場の混乱や困惑をある程度軽減できると思うからです。英語教育に力を入れすぎて国語力が落ち、他の教科のテストの問題文が理解できなくなるという、本末転倒な現象もあるとも聞きますから、英語を教えるぐらいなら理科や社会をもっとやるべきですね。土曜半ドン復活ももちろんアリです。
お礼
小学生にとっては,振り子の規則性や物体の衝突といった力学より,音の大きさ・高さの規則性や光の屈折といった波動の方が理解しやすいと思います。