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極低温環境の不思議についての質問です。
絶対零度に漸近するにつれて電気抵抗値が小さくなるのは何故の事なんでしょうか? ヘリウムの超流動の原理をも含めた説明を紹介して頂けると、嬉しいですから、何卒宜しく御願い申し上げます。
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超流動は純粋な量子力学的現象なので、古典的的な力学・流体力学の範囲で説明するのは大変難しいです。ですので、まず、明確に区別しておくべきことを述べておきます。 ヘリウムの超流動といっても、いくつかの種類があります。 まず、同位体の 4He と 3He の液体はは両方とも、超流動になり得ます。 バルク空間(大きな容器の中央付近などを想像してください)では ・液体4Heは約1~2Kでボーズ凝縮(の一種)を起こして超流動になります。 ・液体3Heは約1~2mK でクーパー対がボーズ凝縮を起こして超流動になります。 いずれも、温度の幅は純粋に圧力の違いによります。 両者の様式の違いは、原子のもつスピンのちがい(統計性のちがい)によります。 3He 原子の統計性は電子と同じです。また、中性子も同じ統計性をもちますので、密度が高ければ(中性子星などでは)中性子のクーパー対が凝縮して超流動になると信じられています。 いっぽう、もう一つの同位体 6He は統計性こそ 4He とおなじですが、まだ超流動になっていないとおもいます。予想される温度よりもずっとずっと低い温度で実現している可能性はありますが。 バルクではなく、原子1個分という極めて薄い薄膜の場合はもっと話が複雑で多様になります。だからこそ研究に値するのですが! さてここで、統計性の違いとは、フェルミ統計かボーズ統計か、という違いで、それぞれを構成する粒子をフェルミ粒子(電子・中性子・3He)、ボーズ粒子(4He, 6He)とよんでいます。ただし、フェルミ粒子は2つでクーパー対を組んでボーズ粒子になることができます。これが、電子の超電導と3He の超流動と関係しています。 さて、超流動の第一議的定義は「(ズレ)粘性の消失」です。けっして、ボーズ凝縮は必要十分条件でありません。粘性とは、液体のなかで物体がうごくとき、どれだけの運動量を液体に与えることができるか、というのを定量化したものです。超流動では、運動量を液体に与えることなく、物体が動けるのです。そのために重要なのは、凝縮ではなく、粒子間の相互作用だと考えられています。6He では超流動が見つかっていない、というのは相互作用が違ううせいなんじゃないかと思っています。 これ以上の説明は、まず凝縮体中の素励起という概念を学ばなければなりません。しかし、いまこの場所で説明するのはちょっと・・・
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- nta
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バンド理論という電気伝導の理論を知っていますか。 電気抵抗が発生するメカニズムはいろいろありますが、金属結晶などの伝導帯(バンド)を持つ物質の場合に主に結晶を構成する原子が熱(温度)によって振動していることが電荷(主に電子ですが)の移動を妨げ電気抵抗となります。液体ヘリウムの4k程度の極低温になればこの原子の振動が小さくなるために電気抵抗が小さくなります。これは抵抗が小さくなるというだけですが、一方で極低温になると本当に抵抗値が0になってしまうという超伝導現象があります。超伝導はBCS理論という理論で説明できますが、量子力学を少しでも知っていなければ理解しにくい内容です。この超伝導に同じ位置づけの現象として、ヘリウム超流動があります。 どなたか解説してくださる方にお譲りいたします。
お礼
有り難う御座います。返事が遅くなり、申し訳が御座いません。 私の予想内容よりも遥かに複雑ですね。 因みに追加で質問をさせて下さい。 『加熱によって電子が激しく運動させられると、 基本的には、抵抗値が高まるのでしょうが、 サーミスタが逆の働きをしているのは何故の事なのでしょうか?』 宜しければ、御教授を御願い致します。
お礼
有り難う御座います。 酷く知識を不足させている私の現状では、十分です。