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本の印税について
海外のノンフィクションの本を出したいと思っています。 知り合いの紹介で、完成原稿をある小さな出版社に送りました。 その出版社の社長に、本を出しても良いといわれましたが、 初版印税なしといわれました。 重版したら、売れた分だけ、8%の印税を払うそうです。 私は無名な著者なので、しかたがないとは思うのですが、 その出版社から出すかどうか、迷っています。 今どき、小さな出版社は、印税が出ないのが普通なのでしょうか?
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参考までに。編集者からみた本のコスト構造を書いておきますね。 大手出版社の本の場合、 1/3 が、制作の費用。編集者や校正者の人件費や組版、印刷代、製本代、執筆者への支払いもこの中に入ります。 1/3 が、広告宣伝費。出荷等にかかる費用もココに入ります。営業の人件費などもですね。 1/3 が、流通費。いわゆる取次の取り分です。書店の利益分もここに入ります。 で、初刷までしか売れない本の場合、または、初版部数が少ない本の場合、相対的に制作の費用の割合が膨らみます。編集や校正の手間は、本の売れ数に関係なく定額かかりますし、印刷代も製版や刷版を作る部分は定額なので、部数が3000以下だと事実上定額です。ココの質を落とした簡易印刷が流行るのは、この部分が変動費になって、刷り部数が少ないと金額も低くなるからです。 増刷がかかると、その製作分は、印刷/製本の費用だけなので、ここがぐっと圧縮されます。 売りたいなら、広告宣伝費は削れませんよね。これ、街中で見かけるような広告よりも、取次や書店の方に宣伝する費用、手間のほうが重要だったりします。短期で売れない本は、ここをどう抑えるかがキーになります。 最後の流通費ですが、大手でも1/3ですんでいるところは稀で、これが、中小になるほど高くなり、普通で4割を超え、中には5割を超えるケースもあるようです。 この理由は単純で、書店への売掛金は取次が保証しているので、倒産リスクを含むのと、短期に大量に売れる本は、短期の在庫以外は在庫を持たなくて良いですが、少しずつ長く売る場合は、長期にわたって流通在庫を持つことになります。書店と取次を何往復もしてやっと売れる、というのも多いんですね。 書店に自分のコーナー、棚を持たない出版社は、コスト的にも厳しいんです。 で、印税8%は、出版社に取って、100%の中の8%ではなく、66%の中の8%なんです。また、小さな出版社に取っては、20~30%の中の8%なのかもしれません。 かなり厳しい値であることは間違いないんです。 定価と刷り部数から、編集者の台所事情というのは、すぐに分かります。計算して考えてみると良いかもしれません。 ラブひなというコミックをご存知でしょうか? ミリオンでは済まない大ヒット作品ですが、作家さん自らが面白いことをされているので、調べてみると面白いですよ。 絶版本というのは、版は完成しているので、編集、校正、組版のコストはもう掛かりません。著名作品なので、広告費も最低限ですみます。 そのうえで、電子書籍は、印刷、製本の費用がかからず、さらに、作家さん自らが販売サイトを立ち上げることで、取次などの流通経費をカットしました。 こうなると、本の価格は10分の1でも十分になります。 最後に、その出版社さんの意図は単純で、初刷時にかかる製作費(編集、校正、組版)の費用を、増刷時には削れるので、そこから印税を払おうという話だと思います。 普通、初刷だけでは大手でも製作費はマイナスになるので、かなり厳しい台所のやりくりを覚悟されてのことではないでしょうか。 私は大手の編集をやってますが、そこまでぎりぎりの計算をしないとダメな本なら、どんなに魅力があっても出せません。組織として許されないからです。 どんな気持ちでご質問者さんの作品を世に出そうと考えているのか聞いてみたい気がします。
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- potatorooms
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作品かあなた自身に売れる要素を見出せない場合、割とある話です。いまどきというわけでもないですよ。 中には印刷費の折半を求められる場合もあります。 一番大変な編集の費用などは相手持ちなんでしょう? 買い取り条件がないなら、条件としてはそんなに悪くないかと思います。
お礼
アドバイスありがとうございます。 買い取り条件などはないので、 そんなに悪いケースではないのですね。 大変参考になるご意見を、ありがとうございました。
お礼
大変詳しいご回答をありがとうございました。 また御礼が遅くなりまして、大変申しわけありませんでした。 出版社は今大変な事情なのですね、 私の本を出してくれるという出版社は内容を気に入ってくださっているので、出してくださるのだと思います。 大変ありがとうございました。