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動的粘弾性の測定について
動的粘弾性の初心者です。どなたか教えていただければ幸いです。 変形モ-ドを変えてゴム試料のAとBを測定したのですが 損失正接(tanδ)のピ-ク値が引張りではAが1.83、Bが2.19に対して 捻りによる測定ではAが1.85、Bが1.83の結果でした。 変形モ-ドは違いますが同じ応力を与えて、発生する歪みを測定しているのに このような現象が発生する原因がわからず困っています。よろしくお願いします。
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回答へのお礼を拝見して、以下の様にまとめられるかと思います。 試料Aがアクリルニトリル(AN)含有量の多い極高NBR、試料BがCRである。 試料A内部ではANによる分子間相互作用が強く、より堅い物として振る舞うために、 tanδa < tanδbが期待され、引っ張り試験ではこの傾向が確認されている。 しかし、捩り試験ではtanδa ≒ tanδb となりこの傾向は認められない。 他の試料に付いてはtanδa < tanδbの傾向は引っ張りと捩れの両方の試験で 確認されている。 したがって、今回の質問という事に成った。 tanδに影響を及ぼす因子の一つは温度Tで、簡単なゴム弾性論ではE,G~Tの 関係が有りますが、これもEとGに同じように効きますので排除されます。 微少変形の線形粘弾性論の範囲では式をいくらいじくり回しても堂々巡りで解釈は 付かないということになります。 残る可能性は、試料A内の海―島の様なANが作る構造が、見掛けのポアソン比γを 変えているのではないでしょうか。 見掛けのγは試料体積一定でも変わる可能性は有ります。下記URLを参考に 内部構造との関連を考えてみてください。 http://okwave.jp/qa/q6307818.html 特殊な構造にだけ見られるおもしろい観測結果なのかも知れません。 昔SBRの緩和現象を研究していました。ゴム固体の粘弾性よりも速い分子運動が 対象でした。したがって、適切な回答ができないのはご容赦ください。
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- komameneko229
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考えられる要因として、同じ材料でも (1)そもそも縦弾性係数(引っ張り、縦方向)と横弾性係数(せん断、捻り、横方向)が違う (2)弾性係数が周波数に依存する ということがあります。 (1)※静的荷重での話ですが。 金属材料では、引っ張りの方がせん断よりも2~3倍強いなんてことがざらにあります。 二種類のゴムで、たまたまAが引っ張りと捻りの強さが同じになってしまったのでは。 1の回答者さんが述べているように、E=2G(1+ν) (E:縦弾性係数、G:横弾性係数、ν=-横ひずみ/縦ひずみ:ポアソン比)という関係式がありますので、これで検討してみると良いかもしれません。 ゴムでは大体ν=0.5です。 (2)レオロジーや非ニュートン流体について調べると良いかもしれません。 一般的に動的粘弾性はMaxwellモデルを仮定して考えています。バネとダンパが直列につながったモデルです。 このモデルでは、動的粘弾性測定では応力ではなく変位を入力します。 線形粘弾性領域(変位と力が比例する領域、つまりバネが伸びきらない領域)を示す程度の大きさのひずみを加えます。 ひずみ=ひずみ振幅×sinωtという正弦波のひずみを加え、 応力=応力振幅×sin(ωt+δ)という応答を得ます。 どういう条件かは詳しく存じませんが、ひずみ入力でやってみると何かわかるかもしれません。 また、ゴムや粘弾性体などの材料は、周波数により弾性係数が変化します。 変形モードが違うと言うことは、その影響を受けている可能性があります。 tanδも、周波数によって変わります。 あまりゴム系には詳しくないため見当違いな回答でしたら申し訳ありません。
お礼
ご丁寧にご連絡頂き誠に有難うございます 測定周波数、昇温速度、変形モ-ドにより同一サンプルで tanδピ-ク温度や高さが変わるのは確認したことがありますが はじめの自動静荷重がかけれるか、出力の正弦波が正常か確認して 測定しているのですが今回のようなサンプルAとBの相関が変わるのは 初めての経験で、どちらの値を信じていいのか悩んで質問させて頂きました。 drmuraberg様、komameneko229様から教えて頂いた事を糧にさせて頂いて 調査続けてみます。有難う御座いました。
- drmuraberg
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資料A,B共にゴムと言うことで、両者共に無定形で等方性、引っ張り変形も捩れ 変形も周期的で変形の振幅も小さいとすれば、線形粘弾性の領域では tanδa ≒ tanδb となるはずです。 まずチェックするべき点は、観察された違いが試料A,Bの差による本質的な ものか否かです。 tanδの議論では、その位置の周波数ωや温度Tによるシフトがまず注目されます。 これは近似的にtanδ~ωτ (マックスウエルモデル、τ= η/E または η/G) で ピークの位置が周波数依存性と粘度の温度依存性で敏感に変わるからです。 一方、tanδ= E’/E” (= G’/G”) ですから、分子分母のいずれか一方が10% 変化すれば、tanδ値は約20%違ってきます(E’+E”を一定と見れば)。 お使いの測定装置は自動的にtanδ値を算出する装置と思いますが、算出ソフトが tanδピーク値を示すのかtanδ面積値を示すのかも、意味のある差なのかの 解釈のポイントとなるかと思います。 以上の2点をチェック後に再試験を行い、差が再確認されたなら、試料A,Bの 内部構造に引っ張りと捩れに対する応答の差が出る原因が有るとして考察する 必要があると思います。 考察の際には、試料の異方性や応答の差の他に E = 2G( 1 + γ) の関係式で ポアソン比γが同じと見なせるかも検討してください。
お礼
ご丁寧に教えて頂き誠に有難うございました 下名の質問内容が不足していました ゴムの試料AとBは極高NBRとCRですのでtanδが違うと思うのですが 引っ張りでは差が確認出来ているのに捩れでは再試験を実施しても 差が確認出来ず困っています。
お礼
ご丁寧にご連絡頂き誠に有難うございます 言葉足らずの質問で誠に申し訳御座いませんでした。 ゴムの試料AとBは極高NBRとCRです。 極高NBRは引っ張りでもねじれでも tanδピ-ク値は同じでした。 しかしながらCRの場合はtanδピ-ク値は引っ張りより ねじれの方が低い値を示し結果的に 引っ張りではtanδピ-ク値がNBR<CRに対して ねじれではtanδピ-ク値がNBR≒CRの結果となっています。 極高NBRは引っ張りでもねじれでもtanδピ-ク値が同じなのに CRの場合は違うのか?原因がわからず質問させて頂きました。 今回、教えて頂きましたE=2G(1+ν)のEを引っ張りで測定致しました E'を使いGを求め、ねじれの測定値G'と比較してみましたが 極高NBRはG≒測定値G'でした。またCRもG≒測定値G'でした。