酸クロ反応におけるTEAについて
先日、酸クロリドを用いてエステル化反応を行おうとして、
HClのクエンチャーとしてTEAを使用した際、白煙(HCl)を激しく発生させて
溶液が黒色に変化してしまいました。
アルコールとTEAを共存させた系を酸クロを入れず、
TEAのみを酸クロに直接入れたのですが、これはマズイ事みたいですね・・
(今回は、酸クロのある系にアルコールを滴下する方法で行いました)
TEAを酸クロに直接入れると問題があると身を以って体験したのですが、
実際の所、TEAと酸クロはどのような反応が起こっているのでしょうか。
どなたかご存知の方は、ご教授願います。
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行った手順としては、
(1)原料のカルボン酸に、塩化チオニルを反応させて酸クロを合成した。
(2)減圧留去により、過剰量の塩化チオニルを取り除いた
(アスピレーターで引いて、液チでトラップしただけなので、
塩化チオニルが多少は残っているとは思います)。
(3)合成した酸クロに、TEAを滴下した。
(ここで、白煙を発生させて、溶液が黒色となりました)
いずれも、同じフラスコ内で行いました(ワンポット合成)
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アルコールを入れる前にTEAを入れておかないと発生するHClを
クエンチできないので、先に入れておこうと考えていました。
またTEAは、三級アミンである為、酸クロリドと反応はしないので、
先に入れても問題はないだろうと考えていました。
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TEA塩が出来るのであれば、白色の固体が出来ると思いますし、
三級アミンなので、結合の仕様がないと思うのですが・・・
(カルボニルと結合した四級アミンなんて聞いた事ありませんし・・)
TEAが酸クロのカルボニルを求核攻撃した時に出来る中間体で
止まってしまっているということでしょうか?
(一応、アルコールを黒色溶液に入れたのですが、変化がありません。
とすると、四面体中間体で止まっているとは考え難いと思います)
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そもそも、TEAが酸クロと反応するのであれば、
クエンチャーとしてTEAを入れる事は、酸クロを潰している事に
他ならないのではないかとも考えてきました。
今までは、アルコールとTEAが共存下であると、
(1)まず求核性の高いTEAがカルボニルを攻撃して中間体を作る。
(2)そして、中間体をアルコールが攻撃してエステルが生成。
発生したHClは遊離したTEAで捕捉されて塩を形成。
という機構で進み、TEAが酸クロを潰してはいないと考えていたのですが、
今回のケースから見ると、TEAが酸クロを潰していることになります。
つまり、TEAはクエンチャーとして働く一方、酸クロを潰してもいると
考えられるのですが、実際は潰しているのでしょうか・・・
お礼
解答ありがとうございました。 基本的には、アルコールと反応すると考えておきます。