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WLF法とアレニウス則の関係

WLF法とアレニウス則の関係 粘弾性問題でよく耳にする両者に何か関係がありますか。 マスターカーブを作成するとき、両者にズレが生じたとき、どちらを採ればよいですか。

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  • drmuraberg
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回答No.2

WLFの式にはC1とC2という定数が有ります。 この2つを調整して最も重なりが良い値をこの系のC1、C2と して採用する必要があります。 似た系のC1,C2値からスタートし試行錯誤する。 または、PCでプログラムを組んで探して見たら如何でしょうか。 その場合、測定データを数値化する必要があります。 どうしてもアレニウス則より適合性が悪い場合、 一言WLF法では適合が悪かったと断っておけば良いでしょう。 WLF法の適用を検討せずアレニウス則でのマスターカーブの 作成は信用度が落ちるからです。

yuppong
質問者

お礼

ありがとうございます。 WLF法でC1,C2も振って、なんとかしてあわせてみようと思います。 しかし、いま扱っているのはガラス転移点100℃くらいの樹脂(ABS+PC)です。DMA試験の測定温度はガラス転移点よりも低いです。カーブさえ繋がれば、基準温度が-20℃などガラス転移点を大きく下回っても大丈夫でしょうか。

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その他の回答 (1)

  • drmuraberg
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回答No.1

マスターカーブを作成するとき、両者にズレが生じたときはWLF法を 採ってください。 アレニウス則は経験に基づく大雑把な見積もり法です。WLF法は 高分子材料により適合した方法として提案され採用されています。 その違いは次のように説明できます。 高分子材料のクリープや応力緩和の現象は粘性流動に基づいています。 それで粘度にアレニウスの式を適用します。 温度Tでの粘度をη、見掛けの活性化エネルギをEとすると η= ηo*exp(-E/RT)     R 気体定数 基準温度Trでの粘度ηrの間には ηr= ηo*exp(-E/RTr) 温度TとTrでの粘度を較べるために比を取ると η/ηr= exp(-E/RT)/exp(-E/RTr) = exp{-E/R*(1/T – 1/Tr)} 両辺の常用対数を取ると log(η/ηr)= -(E/2.303R)*(1/T – 1/Tr) この式よりも高分子物質に広く適用できる式として Williams, Landel, Ferryに よりシフトファクターaT(Tは下付小文字)に付いて提案された式が log(aT) = log(ηTrρr/(ηrTρ)) = - C1( T - Tr)/(C2 + T -Tr) C1,C2は系により定まる定数、ρ、ρrは温度T,Trでの密度です。 TとTrの差がそれほど大きくない場合は、Trρr≑Tρですから log(aT) = log(η/ηr) = - C1( T - Tr)/(C2 + T -Tr) となり、 アレニウス則はシフトファクターを近似的に表したものであることが判ります。 WLFの式ではプロットは1/Tに対して直線にならず、これはアレニウス則の 見掛けの活性化エネルギEが温度に依存するためと解釈されます。 WLFの式に付いては自由体積理論等による検討が有り、WLFの式と 全く同じ形の式が導出されています。つまり理論的な裏付けも有る式です。 長時間データを短期間に採るためには、温度の異なる高温槽を多数並べて クリープや応力緩和を同時測定します。機器的には自動記録の容易な 応力緩和が最も楽です。 実験データを待ちながら基礎を勉強してください。まだ10年有ります。

yuppong
質問者

お礼

ありがとうございます。 ところで、ガラス転移点が100℃くらいのプラスチックのDMA試験を行い、カーブをつなぎたいのですが、WLF法は利用可能でしょうか? 実はうまく繋がりませんでした。 log(aT)= -(E/2.303R)*(1/T – 1/Tr)のほうが、まだ良いようです。

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