こう原線維ってご存知でしょうか。英語ではcollagen fibersといいますが、この線維を構成している物質がまさにコラーゲンなのです。
こう原線維は人体の結合組織の細胞間質の最も重要な要素です。腱や靭帯はこの繊維の集束に他なりませんが、骨や軟骨にも大量に含まれています。
こう原線維の特性は絶大な引っ張り強さにあります。実際、腱は10~20kg/mm2の引っ張りに耐えることが可能ですし、しかも引き伸ばされる率(伸び)は一割以内です。生体内ではこう原線維は局所にかかる張力(運動、液圧、成長などによる)に応じて産生され、配置されることが分かっています。
余談ですが、こう原線維の形成を抑制するものとして、コルチゾンという物質が知られています。また、ビタミンCは線維形成に必要な因子で、その欠乏(壊血病)では傷の跡に肉芽組織ができにくいので傷が完治しにくいといわれています。肉芽組織とは傷跡に盛り上がってくる赤い組織で、その主体はこう原線維(コラーゲン)です。これが過剰に形成されるとケロイドとなって出てくるのです。
コラーゲンは臨床的にも応用価値の高い物質でしょう。
くわしくは、組織学の参考書を参照されるとよいでしょう。
お礼
ご丁寧にありがとうございます。体にとってコラーゲンはとても重要なんですね。参考書の方ににもあったって見ます。