- ベストアンサー
草や虫をエネルギー源にしている動物は、あんな栄養がなさそうなご飯を、ど
草や虫をエネルギー源にしている動物は、あんな栄養がなさそうなご飯を、どのようにして活動エネルギーにしているのでしょう。 馬や牛などあの体格にして草しか食べないのが驚きです。 極端に言えば我々人間も、草や虫を大量に摂取すれば生存は可能なのでしょうか。 それとも元々のエネルギー変換の構造が違うのでしょうか。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
牛や山羊等の反芻動物は、胃が4つに分かれていて、第1胃の中に生息している微生物が、植物の細胞壁を構成しているセルロースを分解して、酢酸、酪酸、プロピオン酸等の低級脂肪酸や糖類に変換しています。 これらの脂肪酸や糖類は、胃壁から吸収されて、反芻動物が生きていくためのエネルギーとして利用されます。 又、この微生物は、脂肪酸や糖類をエネルギー源として、反芻動物が飲み込んだ唾液や植物の中に僅かに含まれている尿素の窒素分を利用して、アミノ酸を合成し、自らの体を作るタンパク質の材料としています。 そして、微生物の一部は、分解された植物と共に次の胃や腸へ送られて、第4胃や腸で消化され、反芻動物のアミノ酸源として利用されます。 【参考URL】 胃の構造と消化のしくみ http://kobe.cool.ne.jp/yakumo4hclub/index056.html これに対して、馬は盲腸や大腸に微生物を生息させています。 腸は胃と比べて食べたものを溜めて置けませんから、微生物がセルロースを分解する事が出来る時間が短くなり、反芻動物と比べて植物を充分に消化する事が出来ません。 又、盲腸やそれ以降の腸では、タンパク質を消化する事が出来ませんから、馬は微生物が合成したタンパク質を利用する事が出来ず、食べた植物に最初から含まれているアミノ酸しか利用出来ません。 【参考URL】 競走馬の心技体 馬博士楠瀬良の“競走馬のこころ” Vol.17 http://www.equinst.go.jp/JP/arakaruto/keibabook/090111shin17.html 因みに、兎は馬と同様に、盲腸に生息する微生物で植物のセルロースを分解しますが、自分が排泄した糞をもう一度食べる事で、微生物が作ったタンパク質を利用する事が出来ます。 >極端に言えば我々人間も、草や虫を大量に摂取すれば生存は可能なのでしょうか。 充分可能です。 エネルギー消費の激しい小鳥やコウモリの中には、虫しか食べない種類がいる事からも御解りの様に、虫は栄養価の高い餌です。 美味しくない種類や毒のある種類が少なく無い事と、充分な量を確保するためには労力を要する、等の難点はありますが、人間の食料にもなり得ます。 例えば長野県の名物には、川の石の裏に生息する「ザザムシ」や絹糸を採った後の「蚕の蛹」が食材として販売されています。 但し、私が食べた経験では、蚕の蛹を何匹も食べようとしても、味の問題から途中で気持ちが悪くなり、食べ続ける事が出来ませんでした。(ザザムシや蝗の佃煮は調味料の味しかしません) それから、草に関しては、少ないながら、炭水化物や脂肪酸を含んでいますし、それより更に少ないものの、タンパク質もあります。 勿論、ビタミンやミネラルもあります。 食べる時に歯で磨り潰せば細胞が潰れて、中身(の一部)が消化可能になりますから、必ずしも細胞壁のセルロースを消化しなくても良いと思います。 実際、人間に近縁な動物であり、セルロースを消化する事が出来ないゴリラは、草や葉を食べて生きる草食動物(虫を食べる事もある様です)です。 チンパンジーなどはたまに別種の猿の肉を食べていますが、自然のゴリラは肉を食べません(肉を消化する事自体は可能な筈です)。 それから、奇人変人の類の話で、どこまで本当なのかは判りませんが、外国(欧米)にはその辺に生えている草を食べて生きている人のニュースを読んだ事があります。
その他の回答 (1)
- dogday
- ベストアンサー率29% (2313/7949)
ヒトが完全草食になると200億人の食料供給ができるという説(恐らくベジタリアン信者だと思います)を聞いたことがあります。 ですが、ヒトは植物の細胞壁を破壊できる消化機構を持っていません。 ですので、たくさん食べようが栄養をとれません。 薬物で細胞壁を分解した状態の青汁のような栄養液だったら栄養摂取はできるかもしれませんが、きっと植物のようにじっと動かない生活を要求されると思います。 虫は、かなり栄養価が高い食べ物で、そして完全栄養食で虫だけ食べていれば大抵の動物は生きていけます。エビやカニに親戚ですから。 カニクイザルみたいにカニクイを名乗る動物って15種以上もいるそうです。カニクイイヌとかカニクイアライグマなんて冗談のような学名の動物がいます。 ヒトがあまり虫を食べないのは、大きさが小さいので沢山収穫しなければならないのと、同じ虫だけを集める事が困難なので、珍味として以外レシピが作りにくいのです。 これってライオン料理が存在しないのと一緒です。捕まえにくい動物は常食できないので文化ができません。 だから定期的に大量発生するイナゴなんかは日本にも佃煮がありますし、沖縄にはセミ料理もあります。
お礼
>「ヒトが完全草食になると200億人の食料供給ができるという説。」面白いですね。でもあまり動かない生活を余儀なくされるのは嫌ですね(^^;) 人の植物の消化は厳しいにしても、食べ方や工夫で微量ながらも栄養摂取は可能ということですね。 虫が完全栄養食だとは知りませんでした。鳥や小動物が虫を何故食べるかという、私の往年の疑問が解けてすっきりしております。 ご回答ありがとうございました。
お礼
素晴らしい回答感謝しております。具体例も踏まえながらのご説明だったので、理解も容易でした。 人間も他の動物と同じものを食べて生存は可能だと知り驚きました。 面白い?経験もされておられるようで勉強になりました。