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仏教について興味があり勉強していてる者ですが、ちょっとお伺いしたいこと
仏教について興味があり勉強していてる者ですが、ちょっとお伺いしたいことがあります。真言宗の引導作法の中で、聖霊と精霊という二つの言葉があります。 どちらとも「しょうりょう」と読むと思うのですが、この二つの意味の使い分けについてご存じの方は教えてくださいませんでしょうか? あるいは、二つとも同じ意味なのでしょうか? よろしくお願いいたします。
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『定本 柳田國男集』筑摩書房は全36巻、積み上げると人間の背ほどになる大部な全集です。何処の図書館にも置いてある、基本的な本です。その別巻第五は総700頁近くもある索引だけの本です。もし本気で興味がお在りなら、近所の図書館で、先ずその別巻第五の「しょうりょう」をお引きになって、それを基に、『定本 柳田國男集』のどの巻を借りるかを決めて下さい。このテーマを論じている巻は一杯在りますが、その中でも、第十巻に納められている『先祖の話』は、日本人の生死観を論じた古典中の古典の一つです。その辺りから入って行くのが良いと思います。 また、同じ民俗学者でも、奇才中の奇才南方熊楠が書いた、土宜法竜僧侶とのロンドン時代の書簡の遣り取りも、参考になります。『南方マンダラ』河出文庫に納められています。法竜は後に高野山真言宗管長になられた高僧で、十才年上の法竜に向かって南方は「仁者、宗教のことをしりたしという。これ仁者仏に信厚ければ到底能わざるかもしれぬ」と喝破しております。今風に言うと「お主、宗教のことを知りたいのか。しかし、お主は坊さんだから到底無理かもしれぬ」と言っている訳です。仏教に興味がある方には参考になる本です。 蛇足になりますが、こう言う名著の類いを読む時は、決して解説や解題から読まずに、いきなり本人の文章を読むべきです。殆どの場合、その元の文章を書いた人は、それに関する解説を書いた人よりも桁違いに優れた人ですから、解説や解題はどうしても陳腐になってしまいます。一先ず、本人の書いた物を読んで、ときどき頭休めのために解説や解題を読む積りになるべきです。確かヒルティの『幸福論』に書いてあった話だと思いますが、ヒルティがある婦人とデカルトについての話に興に乗ったときでした。散々会話をした後で、彼はその婦人に「ところでデカルトのどの書物が一番印象に残ったか」と聞いたら、彼女は実は一冊もデカルト本人の書いた本を読んだことがなく、彼女の会話の内容は全てデカルトに関する解説書からの受け売りだったので、がっかりしたと言う内容でした。どんなに解説書を読んだ所で何の役にも立たないことは、多分ご存知だと思います。
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- cyototu
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聖霊や精霊と言う概念は確かに漢語として音読みをしておりますが、これは仏教が伝来する以前日本古来からあった考え方に漢語を当てたようです。それ故、日本人にはすぐ馴染む所があって、真言宗などでも、それをことさらに重要視するのだと思います。このことに関して、日本民族学の巨人柳田國男が徹底的に論じております。『定本 柳田國男集』別巻第五、総索引の「しょうりょう:精霊 [聖霊]」の項を見ても、大変なベージを割いてこの問題を論じております。仏教と言う外来文化ばかりでなく、日本人として日本独自の物の考え方も学ぶ意味で、この言葉に関して柳田國男を筆頭とした日本民俗学者の文献も当たってみて下さい。 仏教に興味があるということですので、「佛」という言葉に、ブツという音読みばかりではなく、ホトケという訓読みもあることに既にお気付くきだと思います。訓読みが在るということは、この概念は仏教伝来よりも以前に日本に存在していたということですね。多分その意味も既にお分かりだろうとは思いますが、その辺りも考えながら、「しょうりょう」の意味する所も理解してみると面白いかもしれません。
お礼
どうもご丁寧に回答してくださいまして、誠にありがとうございます。早速『定本 柳田國男集』別巻第五を購入して熟読します。 また、わからないことがありましたら質問するかもしれませんので、そのときは、よろしくお願いします。 質問する前になるべく自分で調べようかと思います。どうしてもわからないときは、皆様のお知恵を拝借いたしますので、重ねてよろしくお願い申し上げます。
お礼
再びご丁寧な意見を頂きありがとうございます。 実は、別巻の1から5巻まで「勉強堂書店」という所で発注しました。届きましたら索引を引き「定本 柳田國男集」のどの巻を読むか決めたいと思います。また、おすすめの第10巻に納められているという「先祖の話」は、是非読んでみたいと思います。 それと熊楠関係の本は、中沢新一さんの「森のバロック」と「南方熊楠コレクション解題」や鶴見和子さんの本は以前に読まさせていただきました。土宜法竜猊下の「木母堂全集」も読んだ記憶があります。 ただ南方熊楠氏と土宜法竜猊下のロンドン.パリの往復書簡はまだ読んでいませんので読んでみたいと思います。 解説を最初に読むべからずというご意見には賛成です。 私も実は、以前解説本のみを読んでわかったふりをしていた一人です。表面上の意味のみをなぞっただけで深さを知りませんでした。ナーガルジュナの「空の哲学」を本人が感得した境地を追体験せず言葉の上っ面だけをなぞるような行為でした。反省しております。 「如実知自心」の基本を踏まえて現象世界の奥に潜む「アマラ識」の向こう側をのぞきたいものです。 いろいろと参考になりました。どうもありがとうございました。