ダーウィンの進化論はラマルクの進化論とは違います
ダーウィンの進化論は、進化の主役は自然にあり、それを「自然選択」といって、これはデカルトに始まる機械論的世界観によるものですので、目的がありません、偶然により進化します。
それに対してラマルクの進化論は彼の「動物哲学」で述べられているもので、キリンの首が長いのは、高いところのエサを食べようとして意志し、首を伸ばそうとして首が長くなったと言いました。
それを「獲得形質の遺伝」と言っています。
ところが、どなたか、首を伸ばして高いところのエサを食べるのをダーウィンの進化論と同一視して論じる人がいます。
でも、ダーウィンはそんなことは言っていません。
自然が選択して、たまたま首の長いキリンが生まれて、それが環境に適応した結果、首の長いキリンが種を増やした、と言っているだけです。
19世紀の末、英国のハーバート・スペンサーは「社会進化論」で、自然界には生存競争があり、その生存競争によって種は「淘汰」される、そして「淘汰」を生きぬいたものだけが生き残る、と言いましたが、それもダーウィンの進化論とは違うものでした。
19世紀の英国による世界制覇を合理化・正当化するためと、当時の英国の「進歩思想」、歴史は進歩発展するという思想に基づくもので、ダーウィンの進化論とは似てもつかないものでした。
ダーウィンは自然界に「生存競争」があるなんて言っていませんでした。
だから「自然淘汰」と訳していますが、正式には「自然選択」です。
それに「進化」と言っていますが、どちらかといえば「変化」です。
「進化」というと、進歩発展を連想しますが、ダーウィンは環境の変化に応じて、種も変化すると言っているだけです。
自然が進化のイニシアチヴを握っている、という意味で。
確認質問です。
間違っていますか?
お礼
御教示ありがとうございます。種の起源 上下二巻、なんとか読破してみます。