previous/old/former/past/prior/distant/remote/bygone は同じような意味合いで用います (同義語)。その中で previous がよく用いられます。「今話題にしているものより以前の (something belonging to an earlier time) 」という意味で、名詞の前に置かれます。反意語は、current, future など。
例文:
-----No previous experience is necessary for this job.
-----She is his daughter from a previous marriage.
-----We had met on two previous occasions.
early, earlier は (他にもいろいろの意味を持つので) previous と常に同じとは言えませんが、やはり previous の同義語です。previous はよく使われますが、確かに文語的でやや硬い感じがありますね。「先に述べた」という意味では earlier という言い方を良く用います。
硬い理由はうまく言えませんが、pre- (post- の反意) を頭に付けた造語というイメージからでしょうか。
字引屋さんの立場に立つと、なぜそういうことになるのか考えてみました。まるっきり見当違いかも知れませんが、次の二つの質問を比べて下さい。
(1) この前のはどうだった?
(2) 前期のはどうだった?
まあ、固い柔らかいは別として(1)は「まえ」という日本古来の言葉、(2)は「前期」という中国から輸入した漢語が使われています。
英語でも古英語のころからあって、上品なラテン語やフランス語の下積み生活を続けながらも生活力は極めて旺盛な「生粋の英語」と、外から入ったお品のよろしい「輸入品」とがあります。
生殖行為などでは、みんながハッとするのは日本古来の言葉や「生粋の英語」で、公共の場で使うと「まあ下品な」とか罰金刑に処せられますが、漢語やラテン語だと、新聞雑誌にも印刷され、お咎めがありません。
(3)early というのは「生粋の英語」で、earlier はその比較形です。語源は下記にもあります
Etymology: Middle English erly, from Old English æ?rlīce, from æ?r early, soon
Date: before 12th century
http://www.merriam-webster.com/dictionary/early
(4)previous というのはラテン語からの「輸入品」です。語源は下記にあります。
Etymology: Latin praevius leading the way, from prae- pre- + via way
Date: 1625
ttp://www.merriam-webster.com/dictionary/previous
このように比べると、お手元の辞書を書いた人の柔らかい「堅い」の区別は、earlier が昔からある英語であるに反し、 precious の方は他から比較的新しい「外来語」である、ということかも知れませんね。大雑把に言えば earlier は(1)のよう、previous は(2)のようとも言えます。
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例えば "Windows XP is an earlier version of Windows Vista."
とか "Windows XP is a previous version of Windows Vista."
とかいえます。このように、「時期が(より)早い、早期の」という
意味では共通です。ところで、日本語でも「早い」という和語と
「早期の」という漢語をくらべると、「早期の」が堅い感じですね。
これと同じで、もともと英語の(インドゲルマン系の)earlierの
方がやわらかく、もともとラテン語系のpreviousが堅く感じられます。