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太陽電池セルの量子効率から短絡電流を求める方法

太陽電池セルの外部量子効率からAM1.5光源における 短絡電流密度の見積もりを試みています。手元にあるのはキセノンランプおよびタングステンランプを分光して測定したセルの光電流の波長依存性の値です。セルの量子効率は参照用のSiフォトダイオードとInGaAsフォトダイオードそれぞれの光電流と量子効率の関係がわかっているので、そこから計算しています。   光電流、もしくは量子効率から太陽電池の短絡電流密度を求めるにはどのように計算したらよいのでしょうか? 光電流の積分値とAM1.5光源スペクトルの積分値を比較すればよさそうなんですが、単位の扱い等で混乱してしまいました。AM1.5光源のデータはここのものを使っています。 http://rredc.nrel.gov/solar/spectra/am1.5/ASTMG173/ASTMG173.html よろしくお願いいたします。

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  • inara1
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回答No.2

間違いがありました。 × 入射光の強度が Pin (W/m^2) ならば    Nin = S*P/E = S*P*λ/( h*c ) --- (4) ○ 入射光の強度が Pin (W/m^2/nm) ならば    Nin = S*Pin/E = S*Pin*λ/( h*c ) --- (4) >短絡電流密度を算出できました それは良かったですね。参考URLの表の値と一致してますか?

  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.1

単位系を、波長か光エネルギーか、どちらか一方に統一しないと混乱します。 光電流の波長依存性のデータがあるようなので、波長で考えることにします。 まず、光電流スペクトルを全ての波長範囲で積分すると短絡電流 Isc の値と同じになりますか?同じなら光電流スペクトル I (λ) の単位は A/nm ですのでそのまま使えます。もし同じでないのなら    I (λ)*Isc/{ ∫[ λ = 全ての波長範囲 ] I(λ) dλ } を光電流スペクトル I (λ) としてください(これを全波長で積分すると Isc になります)。 電流が 1A 流れているというのは、単位時間(秒)あたり1C(クーロン)の電荷が移動しているということです。したがって、電流 i (A) が流れているとき、単位時間あたりに電子が通過する数 N (個/s)は    N = i/q --- (1) となります。q は電子の電荷(=1.602176487E-19 C)です。この電子は、セルに入射した光子のうち、ある割合(外部量子効率)が電子に変わったものなので、外部量子効率を Q (無次元)とすれば    N = Q*Nin --- (2) で表わされます。Nin は単位時間あたりセルに入射した光子数(個/s)です(Nin は吸収された光子数ではありません)。光の波長を λ (m) とすれば、光子1個のエネルギー E (J) は    E = h*c/λ --- (3) なので( h はプランク定数=6.62606896E-34 J・s、c は真空での光速=2.99792458E8 m/s )、入射光の強度が Pin (W/m^2) ならば    Nin = S*P/E = S*P*λ/( h*c ) --- (4) となります。S は受光面積(m^2)です。式(4)を式(2)に代入すれば    N = Q*S*Pin*λ/( h*c ) これを式(1)に代入すれば    i = ( q*S*Q*Pin*λ )/( h*c ) --- (5) したがって外部量子効率 Q は    Q = i*h*c/( q*S*Pin*λ) となります。i の値を特定の波長λに対する短絡電流 I(λ) の値、Pin の値をその波長でのAM1.5のデータ(W/m^2/nm)とすれば、Q の値がその波長 に対する外部量子効率になります。 光電流スペクトル I(λ) の波長間隔と、Pin の波長間隔が同じでない場合(普通は同じでないと思います)、波長間隔が広いほうのデータを補間して、狭いほうの波長間隔のデータを新たに作って、同じ波長同士になるようにして計算するといいでしょう。 ちなみに、式(5)で Q = 1 として、太陽光スペクトルの最短波長 λmin から、材料のバンドギャップ波長 λg ( = h*c/q/Eg : EgはeV単位のバンドギャップエネルギー) まで積分すると、理想的な場合の短絡電流 Iscmax になります。    Iscmax = q*S/( h*c) *∫[λ = λmin ~λg ] Pin*λ dλ --- (6) Iscmax/S の値をいろいろなバンドギャップ波長について計算したのが、参考URLの Table I です(表の Wavelength と書かれてるところがバンドギャップ波長に相当します)。current density の値が Iscmax/S ですが、この値は S をcm^2単位で計算したものなので注意してください。Pin の値として、AM1.5D と AM1.5G がありますが、表の( )内の数値がAM1.5G(Global Tiltのほう)で計算したものです。式(6)を使って Iscmax/S を計算するとこの表の値と一致するはずです(一致しなければ計算間違い)。

参考URL:
http://www.elsevier.com/framework_products/promis_misc/gfasolmateditorial.pdf
fumomiii
質問者

お礼

ありがとうございます。完璧でした。 ソーラシミュレータの光源(ハロゲンランプ単独)とQE測定の光源(キセノンランプ+800nm以上はタングステン)が異なるため、 いったんセルおよび参照用(量子効率が分かっている)のSi、InGaAsの光電流の波長依存性をそれぞれ測定してから規格化しセルの外部量子効率を計算、その後 式5にQを入れてAM1.5Gにおける光電流iを出し積分することで短絡電流密度を算出できました。 

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