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太陽電池について
太陽電池の電圧-電流特性がわかりません。与えてあるのは絶対温度、短絡電流密度、逆飽和電流密度が既値です。これに詳しいHPのアドレスでもかまいませんので、教えてください。
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No.1でymmasayanさんが紹介しておいでのサイトは丁寧に説明してあると思います。敢えて申し上げますなら、ある程度知識がある人向けに書かれているため初歩の部分が少し省かれています。その部分を適宜補い、またモデルを少し簡略化しながら説明してみたいと思います。 太陽電池は基本的に半導体のpn接合でできており、大雑把に言えばpn接合ダイオードとです。ご存じかと思いますがpn接合ダイオードは、P型半導体とN型半導体がくっ付いた図1のような構造をしています。太陽電池の動作を知るためにはまずpn接合ダイオードのV-I特性を理解している必要があります。 ┏━━━┯━━━┓ ┨P型 │ N型┠ ┗━━━┷━━━┛ 図1 PN接合ダイオードの構造 さてダイオードの特性ですが、最初の段階では「順方向電圧をかけると電流が流れ、逆方向電圧では流れない」と定性的に取扱われます。これを電圧V-電流Iのグラフとして示すと図2のようになります。順方向では抵抗ゼロ、逆方向では抵抗無限大ということになります。(理想ダイオード) ↑電流I ┃ ┃ ┃ ┃ ━━━━┛───→電圧V │ │ 図2 理想ダイオードの特性 しかし実際のダイオードの特性はこれから少し外れます。統計力学を使って計算するとpn接合ダイオードのV-I特性として次式が得られます。この式の導出は半導体物性や半導体デバイスの初歩の教科書に必ず出ていますから、必要なら読んでみてください。 I=I_0×[exp(qV/kT)-1] (1) qは電気素量、Vはダイオードにかける電圧(正負両方あり)、kはBoltzmann定数、Tは絶対温度です。I_0については後述します(下付き文字を"I_0"(アイゼロ)のように表現しています)。exp(x)はご存じかと思いますが、指数関数e^xのことです。 (1)式の挙動として、次のことを押さえておいてください。 - Vを正の値で大きくすると、電流Iは急激に増加する - Vを負の値で大きくすると、電流Iは - I_0に漸近する(どこまでも増えるわけでなく飽和する) - 当然ながら、V=0でI=0となる このI_0のことを「逆方向飽和電流」といいます。koukさんのご質問の文章では代わりに「逆方向飽和電流密度」として与えられていますが、逆方向飽和電流密度×ダイオードの断面積=逆方向飽和電流の関係で換算できます。 これらの関係を図3に示してみました。表現の制約からあまり上手くは描けませんが、雰囲気は掴んで頂けると思います。 ↑電流I │ * │ * │ * │* ────*───→電圧V **** * │←ここが -I_0 │ 図3 実際のダイオードの特性 ではいよいよ、太陽電池の特性の話に移ります。 太陽電池は光を当てるとその内部で電子-空孔のペアが発生します。内部電界の存在により、電子はただちにn型半導体の側に、空孔はp型半導体の側に移動します。この挙動は電流源のそれに近いものです。また発生する電流は当てる光の強度におおよそ比例します。 よって太陽電池の粗い等価回路は、図4のようにダイオードDと電流源の並列接続として表現できます。I_sは電流源単体での出力電流で、出力端子A-B間を短絡すればそこに電流I_sが流れますから、これが短絡電流ということになります。なお先程と同様、短絡電流密度×断面積=短絡電流の関係が存在します。 I_s→ 出力端子A ┌──┬─○←電流I │ │D (↑) ▼ ↑電圧V │  ̄ └──┴─○→電流I 出力端子B 図4 太陽電池の(粗い)等価回路 この出力端子A-B間に電圧Vをかけ、Vを変化させながらA-B間を流れる電流がどうなるか考えてみましょう。 まず太陽電池がまったく発電していない状態(I_s=0)でのV-I特性ですが、この場合は電流源を取り除いても動作としては同じですから(電流源の内部抵抗は無限大として扱われる点に注意)、単にダイオードのV-I特性を測定していることになります。よって図3と同じ結果が得られます。 次に太陽電池に光を当てて発電させてみましょう。電流源はI_sだけの電流を発生しますから、端子A-B間に同じ電圧Vを掛けたとしても、流れる電流は発電していない時に比べI_sだけ減ります。(電圧源の内部抵抗はゼロとして扱われる点に注意) となると話は簡単でして発電している時のV-I特性は、図3のV-I特性をそのまま下にI_sだけずらせばよいのです。これを図に表したものが図5で、注目すべきはV-I特性の曲線が第四象限にかかってくるということです。すなわち「正の電圧がかかっていても、反対方向に電流が流れる」ということで、これは太陽電池(の等価回路)が外部に電力を供給していることを意味します。 ↑電流I │ * │ * ────│─*─→電圧V │* * **** * │←ここが -I_0 -I_sになる │ 図5 発電時の太陽電池のV-I特性 これで大体お分かり頂けたと思いますが、図4の等価回路の場合、太陽電池のV-I特性は I=I_0×[exp(qV/kT)-1] - I_s (2) ということになります。koukさんは電流密度で質問しておいでですのでそれに沿った形に書き改めると、電流密度をJ、逆方向飽和電流密度をJ_0、短絡電流密度をJ_sとして、 J=J_0×[exp(qV/kT)-1] - J_s (3) となります。 ymmasayanさんがご紹介のページは、内部抵抗や漏れ電流なども考えてもう少し精密にモデル化した等価回路で計算しているわけです。ただ初歩の段階ではそこまで考えると複雑ですし、既知の物理量が短絡電流密度、逆方向飽和電流密度、絶対温度だけだとすると上記の簡単なモデルで解く方法で差し支えないと思います。
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- moe225
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koukさん、すみません ! ! ! ! たった今お返事を拝見しました ! ! > 単純な間違いをしているのでしょうか? ところで、まことに恐縮ですが、私どもでは今現在そこまで詳しいことが 解らない状態です ! そこでなんですが、もしかすると、もう少し待っておられると 私のような素人ではなく、その分野に詳しい専門家の方からの 丁寧なご回答があるかも しれません ! それか、もしお急ぎでしたら、再度、ここgooに改めてその旨書いて 質問されると、たまたまそのとき見ていた方からの よい回答が得られるかも…と思っています。 (なにしろ、ここはご存知のように人気のサイトですので、 たくさんの方からのご質問があり、分刻みでログが流れて行きますから) 本当に申し訳ありません。 どうかお許し下さい……… そして頑張って下さいね !
お礼
moe225さん、ありがとうございます。ここまで親身になって考えていただくとは思いませんでした。もう少し調べてみて駄目であれば、また投稿してみます!いい励ましもありがとうございました!!
- moe225
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koukさん、はじめまして。 すでにグッドな回答が届いていますが、それ以外に このあたりのサイトのうち、何か一つでも参考になればよいのですが。 (すでにご存知でしたら、すみません。) ちなみに、ここgooのサイトは専門的に詳しい方がたくさんおられるので このあとも、より適切なご回答が届きますようお祈りしています ! 頑張って下さいね。 http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C2%C0%CD%DB%C5%C5%C3%D3 http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%c0%cd%db%c5%c5%c3%d3%a4%ce%c5%c5%b0%b5&hc=0&hs=0 飽和電流密度 http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%cb%b0%cf%c2%c5%c5%ce%ae%cc%a9%c5%d9&hc=0&hs=0
補足
ありがとうございます!!太陽電池や太陽光発電についていろいろなことを知ることができました。ただ、電流の式に値を代入し電圧を変化させ、表計算ソフトを使って算出したところ、サイトにあるようなグラフにはなりませんでした。単純な間違いをしているのでしょうか?
- ymmasayan
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お礼
返事が遅くなってしまいすみません!!Umadaさん、ここまで丁寧にありがとうございます。自分の知識のなさを感じました...本当にありがとうございました。太陽電池について少しですが理解できてきたとおもいます。どうぞ、これからもよろしくお願いします。私もがんばります!