- ベストアンサー
【今昔物語の読み方】
【今昔物語の読み方】 多ノ僧俗ノ神人ヲ以テ、員ズ不知ヲ生類ヲ令買放メ給フ也、然レハ公モ御託宣に依テ、諸国ニ放生ノ料ヲ宛テ、其ノ御願ヲ助ケ奉ラセ給フ 何て読めばいいのかわかりません。教えて下さい。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>多ノ僧俗ノ神人ヲ以テ、員ズ不知ヲ生類ヲ令買放メ給フ也、然レハ公モ御託宣に依テ、諸国ニ放生ノ料ヲ宛テ、其ノ御願ヲ助ケ奉ラセ給フ 何て読めばいいのかわかりません。教えて下さい。 この文は、『今昔物語集の本朝仏教部』の内の「於石清水放生会語第十」の部分だと思います。八幡(やはた)大菩薩が石清水に神に化身(本地垂迹説)して現われ(石清水に神として祭られ)、多くの売られている生類を買い、解き放ったことから、朝廷も大菩薩の願いに助力され、それが8月15日の放生会の起源となったとする起源話です。(本来は隼人征伐の時の大菩薩の託宣が起源とされています) 文の中には和製漢文が混じり、送り仮名の送りの部分が今と違ったり、送り仮名の位置が違ったりしていますので、解りづらくなっています。解る範囲で読みと、語句の解説をしてみます。 多ノ 僧俗ノ 神人ヲ持テ、 おほくの-そうぞくの-じんにん(じにん)をもって おおくの 員ズ 不知ヌ 生類ヲ 令買放メ 給フ也。 かず-しらぬ-しゃうるいを-かひはなたしめ-たまふなり しょうるい かいはなた たまう 然レバ、 公モ、 此ノ御託宣ニ依テ しかれば-おほやけも-このごたくせんによりて おおやけ 諸国ニ 放生ノ 料ヲ充テ しょこくに-はうじゃうの-れうにあてて ほうじょうの りょう 其ノ御願ヲ 助ケ奉ラセ給フ そのごぐわんを-たすけたてまつらせたまふ ごがん 神人=下級神職のこと。国文学では「じんにん」、歴史学では「じにん」と読むことが多い。 員ズ=数 生類=生き物(ここでは食べるために売られている鯉・鮒などの魚類を指す) 令買放メ=「令め(しめ)」=使役の助動詞「しむ」の連用形。~させる 「買放(かひはなた)」=複合動詞。買ふ=購入する。放つ=(生類を)解き放つ。自由にする。 *つまり、売られている生き物を買わせ、それを解き放つこと=石清水放生会の起源を述べている。 公=朝廷、天皇 御託宣=神の御告げ。神託。神が夢などで意志を告げ、知らせること。 放生=功徳を積むために、捕らえられた生き物を殺さず、解き放してやること。 料=費用、割当て、分担。 願=一般には神仏に祈願すること。その願い事のことを言うが、ここでは八幡大菩薩の(生類を放生したいという)願い事のこと。 くどい解説となってしまいました。解っていらっしゃる部分も多いと思いますが、参考まで。
その他の回答 (2)
- 川原 文月(@bungetsu)
- ベストアンサー率51% (834/1628)
NO1.bungetsuです。 お~、ミステイク。 >>然レハ公モ御託宣に依テ、 しかればきみもごたくせんによりて、 公(きみ)=天皇 こちらの方が正しいかな・・・?
- 川原 文月(@bungetsu)
- ベストアンサー率51% (834/1628)
こんにちは。 私は、自称「歴史作家」です。 >>多ノ僧俗ノ神人ヲ以テ、員ズ不知ヲ生類ヲ令買放メ給フ也、然レハ公モ御託宣に依テ、諸国ニ放生ノ料ヲ宛テ、其ノ御願ヲ助ケ奉ラセ給フ 読み: たのそうぞくのしんじんをもって、しょうるいをかうのれい(を出し)ほうめたまう(こと)かず(=員ズ)しれずなり、しかればおおやけもごたくせんをもって、しょこくにほうせいのりょうをあて、そのおんねがいをたすけほうむらせたまう 意味: 多くの僧侶が俗に言う神様のようなけだかさを以って、(あらゆる)生き物を買うという令を出し、(野に)放つた数(員ズ)は数え切れないほどのことである。しかれば天皇も御託宣により、諸国に生き物を放つための援助(料)をあてがい、その願い(=生き物を買って野に放つという令)をつつしんで聞き入れてもらうことができました。 託宣(たくせん)・・・神様が人の口を借りたり、夢に現れたりして、意思を告げること。 このようになるのでは・・・。
お礼
補足説明まで詳しくして頂き、ありがとうございました。 とても良く理解できました!