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西鶴諸国ばなしの「執心の息筋」という話でレポートを書くことになりました
西鶴諸国ばなしの「執心の息筋」という話でレポートを書くことになりました。 しかし、話の最後の方で長男が継母に「一言言い残すことがあります。私がここまで来る途中に、雪に降られた人がいて、私の傘の下へ入れてください、頼みます、と言いましたが、『私の家はここから一里(約四キロメートル)余りありますので、そこまで行ってから、あなたに持たせて貸しましょう』と言うと、『その間には雪に濡れる』と申しました」との言葉を最後として世を去った。 という文があるのですが、物語と全く関係ないと思うのですが、何か意味があるのでしょうか? 回答をヨロシクお願いいたします。
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ご質問をみて、もしかして、と思ったのですが、 小学館『新編日本古典文学全集 67 井原西鶴集 2』( 西鶴諸国ばなし 本朝二十不孝 男色大鑑)で確認したら、やっぱりそうでした。 (この全集は現代語訳付き。しっかりした図書館なら置いてあるはず。) http://www.bk1.jp/product/01335201 全くどころか、物語と大きく関係していて、意味のある発言ですよ。 「古典全集」の校注者は、頭注で、『宇治拾遺物語』の「後(のち)の千金(せんきん)の事」の話(高校の古典教材なんかでよく取り上げられてます)との関連に触れて説明してあります。 宇治拾遺の話は次のサイトで読めます。 http://www.komazawa-u.ac.jp/~hagi/txt_ujisyui.TXT 「一九六」の話を見てください。(改行・折り返しなしなので、コピーしてワープロソフトなんかで読むとよいと思います。) 話のおおまかな内容は次の通り。 中国の荘子が貧しくて食べ物がなくなったので、隣家に貰いに行くと、五日後に千両が手に入る予定だから、それをあげようと言われる。 荘子は自分の体験談の形でその隣人に話をします。 「道の水たまりで、水が少なくなって苦しんで助けを求めている鮒(ふな)に、二、三日後に長江や洞庭湖に行く予定があるから、そのときに湖へ連れて行ってやるというと、鮒はそれまでは待つことができない。今すぐ少しでもいいから水がほしいと答えた」 「轍鮒の急」(てっぷのきゅう)で「ググる」とこの荘子の話がたくさんヒットします。 さて、この「後の千金」の荘子や「轍鮒の急」の鮒と、「執心の息筋」の継母のところへやってきた長男との、それぞれが直面している状況の共通点は何ですか? また、長男の言い残した話の、雪に降られて傘に入れてくださいといった人の置かれた立場も荘子や鮒や長男と共通していますね。 一度、ご自分で考えてみて、必要があれば、「この回答への補足」へ、ここまで考えたんだけど、ということを書き込んでください。追加解説できると思います。