こんばんは。質問の中で音楽と建築の共通点/相違点について述べられていますね。とっかかりとしてこのように整理していくことはとても良い手法だと思います。しかし、少々疑問に思われる点もあります。
2つの共通点は、抽象芸術であること…
こう簡単に割り切れるものなんでしょうか。建築に関して言えば、ホワイトキューブに代表されるアブストラクトな表現を志向する建築と、構造・マテリアリティといったリアルな表現を志向する建築が共に存在することは明らかなように思われます。
2つの相違点は、場所性、時間軸のあるなし…
場所性は音楽にせよ建築にせよ大きく作用する要素ではないかと私は思います。音楽に対する人間の関わり方は聴くことと演奏する事に大別できますが、そのどちらも、いかなる場所において行われるかによって大きく作用の仕方が変わってくるものだと思います。
建築についてはモダニズム以降、場所性との関連性が重要視されていることは言うまでもありませんよね。
また時間軸について、私は建築も深い関係性をもっているのではないかと考えます。まず数十年~数百年という長いスパンで考えれば、いったん建てられた建築は素材の劣化や利用状況の変化に対応するために、継続して使用するためには様々な更新を行わなくてはなりません(一方それを拒む事によって風化し朽ち果てて廃墟となる、という時間との関わり方もあるかもしれません。)
またそれよりずっと短い時間、例えば建築に係る空間体験を考えてみれば、それらは絶えず時間的な連続性を持って認識されます。端的な例はコルビュジェの建築的プロムナードなどであろうと思いますが、シークエンスとして空間を考える時、設計者は建築に時間軸を導入しているのではないでしょうか。
「音楽と建築」は非常に興味深いテーマであると思います。大変だとは思いますが、是非カタチとして提案ができるところまで詰めていってください。
余談になりますがこのテーマでの議論について、私を含めみなさんが共通にコルビュジェの名を出される事が非常に興味深く思われました。
お礼
御意見ありがとうございます。 音楽と建築の共通点/相違点について疑問に思われる点を指摘して頂きありがとうございます。「共通点の抽象芸術であること」で、私の説明不足のところがあって申し訳ないのですが、「建築=空間」として共通点を挙げました。たしかに、建築には抽象芸術と具象芸術の両方を兼ね備えていると思います。 相違点の場所性、時間軸に関しては、かなり参考になりました。「音楽と建築」を大きく見たときは、相違点だと思っていたのですが、実際にはそうは言い切れないところがあると思っていました。「シークエンスとして空間を考える時、設計者は建築に時間軸を導入している」というのは、私も共感です。 今後、設計を進めていく上で、場所性と時間というのがカギになりそうです。 実は、音楽のように建築を作ろうという提案が1つあるのですが、そのことにつきましては、後に質問しようと思いますので、そのときに御意見を頂けると幸いです。ありがとうございました。